「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【訴訟ファンドの登場?】裁判はやりやすくなるのか?

裁判

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日本初の訴訟ファンドの

計画があるとの

報道がありました。

 

 

しかし、

結果的に訴訟ファンドは

いろいろ問題も大きく、

これによって裁判が

やりやすくなるとは

考えられません。

 

 

やはり、

「裁判沙汰」は予防することに

力を注いだ方が

良さそうですね。

 

(今日の「棒人間」 裁判が投機の対象に??)

 

<毎日更新1015日目>

日本初の「訴訟ファンド」登場?

先日、

日経新聞の記事で、

日本初の「訴訟ファンド」が

計画されているとの

報道がありました。

 

 

「訴訟ファンド」というのは、

裁判の一方の当事者と

契約を結んで、

裁判にかかる費用の

資金を提供します。

 

 

そして、

資金提供した当事者が

裁判で勝った場合には、

勝ち取った金額からリターンを

受けるというものです。

 

要するに、

裁判を起こすときにかかるお金

(訴訟費用や弁護士費用)

を支援してくれますが、

 

 

裁判で勝って相手から

得た金額から

「訴訟ファンド」に

リターンを支払う、

という仕組みに

なっています。

 

 

日本にはまだありませんが、

アメリカやイギリス、

オーストラリア、

シンガポールなどで

導入されているようです。

 

 

「トレイルブレイズ

アセットマネジメント」

というスタートアップ企業が、

グリー傘下の

グリーンベンチャーズなどから

約9000万円を調達し、

日本初の「訴訟ファンド」を

計画しているそうです。

 

 

この会社はまず、

多くの訴訟ファンドが

活動するシンガポールや

アメリカの企業同士の

訴訟に投資するそうです。

 

 

日本国内では、

訴訟ファンドが適法なのか

不明確であるため、

関係省庁と協議しながら

事業開始を目指す

とのことです。

 

 

この「訴訟ファンド」では、

大企業のみならず、

訴訟費用が不足しがちな

中小企業や個人が当事者

となる裁判も、

投資対象にする計画

だそうです。

 

 

 

 

 

「訴訟ファンド」で裁判はやりやすくなるか?

この「訴訟ファンド」、

中小零細企業にとっても、

裁判をやりやすく

なるのでしょうか?

 

 

まずこの「訴訟ファンド」で、

どのくらい費用が

かかるのかというと、

「訴訟ファンド」が

受け取るリターンは、

 

 

裁判で勝ち取った額の

30〜40%と言われており、

かなり高額になることが

予想されるようです。

 

 

日本で裁判になった場合

の弁護士費用は、

概ね15〜20%くらいですから、

だいぶ割高ではありますね。

 

 

これが、

形を変えた「高利貸し」

などとも揶揄(やゆ)

されているそうです。

 

 

もし裁判に負けた場合は

どうなるのかというと、

その場合はとくにリターンは

求められないそうです。

 

 

ただし、

その代わり、

裁判の弁護士選びから、

裁判の進行や解決方法

にいたるまで、

「訴訟ファンド」の影響力が

極めて大きくなる傾向が

あるようです。

 

 

たしかに、

「訴訟ファンド」としては、

裁判を起こした当事者に

勝ってもらわなければ、

リターンを得られません。

 

 

そこで、

「訴訟ファンド」が

確実に勝てそうだと判断した

弁護士を強力に推してくる

ことになります。

 

 

ただ、

弁護士と依頼者との関係は、

相性や、信頼関係を

構築できるかどうかで

大きく違ってきます。

 

 

たしかに実力はありそうだけど、

あまり相性が良くない弁護士を、

「訴訟ファンド」が強引に

押し付けてくる、

ということも考えられます。

 

 

それから、

裁判が始まってからも、

どのような証拠を出すかとか、

相手方と頃合いを見て

和解するかどうかとか、

そういった裁判の進行にも、

 

 

いちいち「訴訟ファンド」が

口を出してくる、

ということも考えられます。

 

 

たとえば、

当事者があまり裁判が

長引くのも嫌だし、

この辺である程度妥協して

相手方と和解して裁判を

終わらせたい、

と考えたとします。

 

 

しかし、

和解などしないでもっと

争って判決をもらった方が、

大きな金額を勝ち取れる

可能性があるという場合。

 

 

この場合

「訴訟ファンド」から、

強引に裁判を続ける

ことを求めてくる、

などの可能性もある

とされています。

 

 

これは、

弁護士と依頼者の利害が

相反する可能性も

出てきます。

 

 

本来、

弁護士というのは、

依頼者の望む利益のために

ベストを尽くす義務

があります。

 

 

しかし、

実際に弁護士費用を

出しているのは

「訴訟ファンド」であり、

弁護士がこの「訴訟ファンド」

の影響を強く受けると、

 

 

依頼者の利益よりも、

「訴訟ファンド」の意向に

従うといった事態も

予想されます。

 

 

さらに、

「訴訟ファンド」が裁判を

投資対象とすることで、

裁判を「投機的」なものに

変えてしまう可能性もある

と言われています。

 

 

いわば、

裁判が「訴訟ファンド」の

利益追求の手段とされて

しまう可能性が

指摘されています。

 

 

そんなこんなで、

「訴訟ファンド」が日本で

合法化されるかどうかは、

かなり微妙なところが

ありそうです。

 

 

 

 

 

 

やはり「裁判沙汰」は避けるべき?

いずれにしても、

「訴訟ファンド」の上記の

仕組みからすると、

少なくとも中小零細企業にとって、

裁判がやりやすくなるとは

必ずしも言えないと考えます。

 

 

時間もお金もかかる。

 

 

その上、

「裁判」に大きな労力を

費やさざるを得ないという

経営者の負担といった、

 

 

中小零細企業が

「裁判沙汰」に巻き込まれた

場合の本質的なダメージは

あまり変わらないでしょうね。

 

 

むしろ、

上記のような

「訴訟ファンド」の

影響力が大きく、

その分利用者には

さらなるストレスが

大きくなることも

考えられます。

 

 

私が常日頃このブログでも

書いているように、

 

 

中小零細企業にとっては、

何かコトが起こってから、

「裁判」のコストを払うよりも、

「裁判沙汰」を避ける

ためにこそコストをかける

べきなのです。

 

 

「裁判沙汰」を避けるためには、

常日頃からトラブルの

予防の対策をとること、

そして、万が一トラブル

が起こっても、

なるべく早く、

小さいうちに解決

してしまうことです。

 

 

この点、

弁護士と顧問契約を結んでおけば、

たとえば取引相手や社員との

契約書類の整備を依頼したり、

何か不安なことがあっても、

いつでもアドバイスを

もらうことができます。

 

 

また、

万が一何らかの

トラブルがあっても、

迅速に弁護士に対応を

依頼することもできます。

 

 

そんなわけで、

中小零細企業「裁判沙汰」を予防して、

常日頃から安心感を得るためにも、

弁護士との顧問契約を

ご検討いただければと

思います。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

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昨日は、家族で大井町にある「しながわ水族館」へ。サメ好きな息子のための水族館巡りが続いています。
一方で、私は土曜日の長距離ランがたたって、疲れがとれず・・・。ダメージが大きいです。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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