「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【賃貸建物の雨漏り】大家さんが直してくれない場合、どうするか?

不動産賃貸

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雨が多い季節になると、

賃貸建物の雨漏りの修理費用の

トラブルについてご相談を

受けることがあります。

 

 

雨漏りの修理費用を

負担すべきなのは、

貸主、借主

どちらなのでしょうか?

 

 

 

(今日の「某人間」 雨漏りに耐える?)

 

<毎日更新749日目>

大家が雨漏りを直してくれない?

 

東京は、

本日は1日雨の予報。

 

 

最近、

暖かくなってきましたが、

それと同時に雨が多くなって

きました。

 

 

もしかして、

このまま梅雨の季節に突入

してしまうのでしょうか?

 

大家さん、うちが借りているオフィスの建物が雨漏りしています。
すぐに直してください!

嫌だよ!
契約書で建物の修繕は借主がやることになってるからね。
自分でやって!

この時期によく耳にするのが、

賃貸建物の「雨漏り」

 

 

借りている建物に、

雨漏りが起きた場合、

大家さんに対して、

屋根の修理などを求める

ことができるのでしょうか?

 

 

この点、

民法606条1項では

賃貸人は、賃借物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う

と定めています。

 

 

これは、

賃貸人(大家)の「修繕義務」

と言われるものです。

 

 

大家さんは、

賃貸借契約の内容として、

その建物が「通常の使用」が

できるような状態で

貸さなければならない、

という義務を負っています。

 

 

雨漏りなどで、

建物「通常の使用」ができない

状態になっている場合には、

賃貸人(大家)はそれを修繕

しなければならない

ということになります。

 

 

ただ、

この賃貸人(大家)の修繕義務は、

賃貸借契約の内容によって、

貸主ではなく、

借主の義務にすることができます。

 

 

すなわち、

賃貸借契約の中で、

修繕義務は借主が負う、

という定めをすることも

有効であるということです。

 

 

ただし、

仮にこのように、

貸主の修繕義務を免除したとしても、

免除の対象となるのは、

日常のちょっとした修繕

(たとえば、エアコンの修繕や電球の交換等)

に限られるとされています。

 

 

逆に、

雨漏りを直すための屋根の改修工事など、

大規模な修繕が必要なケースでは、

やはり賃貸人(大家)が直す

義務があるとされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

借主が自分で修理する、はアリか?

 

そこで、

借主としては、

上記のように、

大家さんに対して、

屋根の改修工事をして、

雨漏りを直してほしいと

請求することができます。

 

 

しかし、

請求しても何もしてくれない

という大家さんも、

世の中には少なくありません。

 

 

部屋の中が雨漏りがある

ということであれば、

緊急に修繕を行う必要が

あります。

 

 

そこで、

このようなケースでは、

いったんは借主の費用で修繕の

工事を行うことができる、

とされています。

 

 

ただ、

大家さんとのトラブルが

大きくなるのを防ぐためには、

借主さんとしては、

工事を行う前に大家さんに

事前に通知はしておいた方が

良いでしょう。

 

 

そして、

借主さんが雨漏り修理にかかった

工事費用については、

賃貸借契約上の「必要費」

ということで、

後で大家さんに請求する

ことができます。

 

 

ただ、

現実問題としては、

請求しても雨漏りの修理を

してくれなかった大家さんが、

借主が支払った改修工事の費用を

すんなりと支払ってくれるとは、

考えにくい場合が多いでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

家賃の支払いを拒否する、という手段について

 

大家さんに支払義務が

あるものについて、

支払いを拒否して

いるという場合、

王道の手段としては、

大家さんに対して裁判を

起こして請求する

ということになります。

 

 

しかし、

金額もそれほど大きなものでは

ないでしょうし、

そのために一々裁判を

起こさなければならない、

というのはあまり現実的では

ありません。

 

 

そこで、

借主が支払った雨漏りの

改修工事費用について、

借主が毎月大家に支払う

賃料から差し引くということが

できないでしょうか?

 

 

すなわち、

借主が支払った改修費の限度で、

家賃の支払いを拒否する

という方法です。

 

 

こういった方法のことを、

法律的には相殺(そうさい)

と言います。

 

 

一般論を言えば、

改修費を負担した借主は、

この賃料との相殺という方法を

とることができます。

 

 

ただし、

この方法には注意が必要です。

 

 

こういった問題の際には、

必ず借主が行った改修工事の

内容や規模が適切だったかどうか、

ということが問題になってきます。

 

 

賃料との相殺が許されるのは、

あくまで修繕の必要性があり、

しかも適正な内容の工事費用

についてだけ、

す。

 

 

もし後々裁判などで、

借主が行った改修工事が

過大であった、

そこまでやる必要はなかった、

などということになると、

賃料との相殺が一部無効である、

という話になってきます。

 

 

賃料との相殺が一部無効というのは

どういうことかというと、

本来支払うべき賃料について、

一部未払いが生じてしまう、

ということを意味します。

 

 

そして、

賃料の未払い、

という話になってくると、

断然借主にとって不利な状況に

追い込まれます。

 

 

すなわち、

賃料の不払いが一定の程度になると、

大家から賃貸借契約を解除

されてしまうリスクが出てくる、

というわけです。

 

 

ところが、

世の中には、

借主が工事をして、

勝手な判断で賃料と相殺してしまい、

後で大きな問題に発展するという

事例が結構あります。

 

 

このように、

たかが「雨漏り」といっても、

やり方を間違えると、

トラブルが大きくなって、

大家との間で「裁判沙汰」に

なりかねません。

 

 

私の弁護士としての使命は、

中小零細企業のトラブルを

 「裁判しないで解決」すること

 

 

「裁判沙汰」を避けるためには、

特に、

このかかった工事費用を

賃料と相殺しよう、

というときは要注意です。

 

 

勝手な判断でやるのではなく、

その前に必ず弁護士に相談

するようにしてください。

 

 

雨漏りの問題がもしあれば、

早急に解決して、

これからの憂鬱な梅雨の時期に

きちんと備えておきたいものですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今日は、元請けとの交渉、「適正価格」への値上げのために、「下請けG メン」は使えるか?というテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

 昨日は、午前中は事務所で仕事、午後は家庭裁判所で仕事、1つの目処がついてよかったです。
夕方は早めに帰宅しました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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