「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【契約交渉中の不当なキャンセル】相手に損害賠償を請求できるか?

不動産売買

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

契約が成立すると思って、

いろいろと準備をしていたら、

契約締結の直前に相手方から

突然キャンセルされた。

 

 

その場合、

契約が締結されると信頼して

準備行為をした費用

などの損害を、

キャンセルした相手に

請求できるのでしょうか?

 

(今日の「棒人間」 契約交渉の不当なキャンセルはダメ??)

 

<毎日更新997日目>

契約が成立していなければ、いつでもキャンセルできる?

昨日のブログでは、

不動産の売買で、

買主の買付証明書や売主の

売渡証明書が交付されれば、

契約は成立するのか?

というテーマで

お話ししました。

 

【不動産売買】買付証明書・売渡証明書を出せば、契約は成立するのか?

結論的には、

買付証明書や売渡証明書は、

あくまで取引の

きっかけにすぎず、

 

 

これらが交付された時点で、

取引条件のすべてが

確定しているわけでは

ありません。

 

 

むしろ、

これらの書面に記載された

取引条件をベースに

契約交渉が行われることが

前提とされています。

 

 

ですから、

買付証明書や売渡証明書が

交付されたことをもって、

売買契約が成立したとは

認められないのが一般的です。

ただ、

こうした正式な契約締結に

至る前の段階で、

一方の当事者が、

 

 

将来契約が締結される

と信頼して、

いろいろと準備行為を

行うことがあります。

 

 

具体的には、

建売住宅の販売契約で、

売主が建築事務所に

依頼して建築確認の

手続きをしたり、

 

 

中古建物の売買で、

売主が、

買主の注文に応じて

内装工事を行う、

などの行為が

典型的です。

 

 

その場合、

いくらその段階でまだ

契約が成立していない

からといって、

相手方(買主)が合理的な

理由もなく契約交渉を

破棄してキャンセルした場合、

 

 

理屈上はまだ契約が

成立していない

ことになります。

 

 

契約が成立していない以上、

売主は買主に対して

何も言えないとすると、

上記の準備行為に費やした

費用などの損害が

発生してしまうことに

なります。

この場合、

法的にはどうなる

のでしょうか?

 

契約交渉の不当破棄

この点、

契約交渉中の当事者が、

最終的に契約を

締結するかどうかは、

あくまで当事者の自由です。

 

 

当事者が契約の締結を

強制されるということはなく、

これを「契約自由の原則」

と言います。

 

 

しかし、現実には、

契約の交渉が進んでいくうちに、

相手方にこの契約の締結は

確実に行われるであろう

という信頼を与える

ことがあります。

 

 

特に、

不動産の売買契約の場合は、

契約締結にいたるまで、

当事者間でいろいろと

交渉が重ねられる

ことが多いわけです。

 

 

その際に、

たとえば買主から売主に対して、

対象物件の仕様などに

ついてなんらかの要求を伝え、

 

 

売主が契約の締結を見越して、

買主の要望に応じて

売主が何らかの準備行為を

進めることも少なく

ありません。

 

 

そんなとき、

買主側から売買契約締結の

直前の時期になって、

契約締結の拒絶(キャンセル)があり、

トラブルになるケースも

少なくありません。

 

 

この問題については、

最高裁の判例があり、

契約交渉を進めるうちに、相手方に契約の締結が確実に行われるであろうという信頼を与えるにいたった場合、その信頼が法律上保護に値する利益となり、信頼を裏切らないように契約の締結に努めるべき信義則上の義務が発生し、かかる信義則上の義務に違反したことにより、相手方に損害が生じた場合、かかる損害を賠償する責任を負う

としています。

 

 

簡単に言えば、

この契約交渉の不当破棄による

損害賠償が認められるためには、

①契約交渉がそれなりに具体的に進んでいたこと
②買主側の契約交渉破棄が、当事者間の信頼を裏切るような落ち度があること

が必要となります。

 

 

たとえば、

買主が、

建物を購入することを前提に、

売主に対して建物の

内装の要望を伝え、

 

 

売主がそれに基づき、

買主の望み通りの

内装工事を行なっていた

ような場合が典型例です。

 

 

この場合には、

売主は、

買主に対して、

契約が締結されると信頼した

ために被った損害についての

賠償を請求することができる、

とされています。

 

 

具体的には、

上記の例で言えば、

建築確認手続きに要した費用や、

内装工事の費用などを

損害として賠償請求できる、

ということになります。

 

 

 

 

 

交渉がどこまで詰まっていたか?の証拠を残す

さて、

上記の契約交渉の不当破棄

による損害賠償で、

重要なポイントは、

 

 

上記の要件①の

「契約交渉がそれなりに

具体的に進んでいたこと」を

どうやって証明するか、

という点です。

 

 

この点、

不動産の売買契約では、

契約締結にいたる過程で

様々な書面が作成される

ことが多いです。

 

 

昨日紹介した買付証明書・

売渡証明書もその1つでしょう。

 

 

それ以外にも、

物件概要書、

価格査定書、

建物状況調査報告書、

見積書、発注書

などなどがあります。

 

 

こうした書類も、

契約交渉の進み具合を

証明するための1つの

証拠になり得ます。

 

 

さらに、

たとえば正式な契約書

は後で作るとしても、

ある程度の工事内容や期間、

仕様や代金額などが

決まった段階で、

 

 

「協定書」や「覚書」

などの形で、

その段階段階で合意

したことを「書面」に

残す工夫が必要です。

 

 

また、最近では、

契約当事者が交渉過程で

電子メールやSNS

テキストメッセージで

やり取りすることも

多いでしょう。

 

 

こうしたテキスト

でのやり取りも、

「契約交渉の進み具合」

を証明するための

重要な証拠になり得るので、

しっかりと記録を残して

おくようにして下さい。

 

 

そのようなわけで、

正式な契約が成立

する前の段階でも、

場合によっては契約交渉の

不当破棄ということで、

損害賠償の請求が

できる場合があります。

 

 

ただし、

損害賠償を請求する当事者は、

上記のように契約の

交渉過程における相手方との

協議などのプロセスを

 

 

できる限り「証拠」に残す

という意識を持っていただく

ことが重要だと思います。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

<サービスメニュー>

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️法律相談のお申し込み

 

◾️顧問弁護士サービスについて

 

◾️セルフマガジン『裁判しないで解決する方法』の無料送付

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️Voicy(裁判しない弁護士のトラブル解決ラジオ)

 

 

 

 

最新動画

今回は、契約時に金額を決めずに、後で値引き要求、これって下請法違反??というテーマでお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、朝8キロほどランニング。
午前中は自宅で仕事、午後は事務所へ。新規のご相談が2件ほどでした。
夜は息子の習い事(空手)のお迎えでした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー

月別記事