「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【裁判の手数料】無駄な裁判沙汰をなくすにはいいけれど・・・

裁判

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

裁判を起こすには、

実は弁護士費用の他に、

裁判所に収める手数料が

かかります。

 

 

この裁判所に収める手数料が、

請求する金額にもよりますが、

結構高いんです。

 

(今日の「棒人間」 裁判手数料は高い??)

 

<毎日更新1007日目>

弁護士つけなくても、裁判にはお金がかかる?

実は、どうしても訴えてやりたい奴がいてですね。
しかし、弁護士費用がもったいないので、自分で裁判をやりたいんです。

会話

なるほど。
確かに、弁護士をつけなくても裁判はできますよ。

そうですか。
実は、相手が憎たらしくてしょうがない奴でしてね。
いっそのこと1億円くらい損害賠償を請求しようかと思うんです。

会話

1億円ですか。
ただ、弁護士に頼まなかったとしても、裁判を起こすときに裁判所に収める手数料はかかりますよ。

そうなんですか!
それはいくらです??

会話

そうですね、1億円の裁判を起こすとなると、訴え提起の段階で、裁判所に収める手数料が32万円ほどかかります。

さ、32万円ですって!?
そんなバカな!!

会話

裁判所に収める手数料は、請求する金額に応じて高くなりますので、1億円も請求するとなると、そのくらいの手数料がかかるのですよ。

これは、

弁護士費用の話では

ありませんよ。

 

 

弁護士に頼んでも頼まなくても、

裁判を起こすときには、

裁判所に一定の手数料を

収める必要があります。

 

 

これは、

「民事訴訟費用等に関する法律」

という法律で定められています。

 

 

手数料の額は、

「訴訟の目的の価額」に応じて、

段階的に決まっています。

 

 

簡単に言えば、

裁判で請求する金額の

大きさに応じて、

手数料の金額が

決まっています。

 

 

100万円を請求する場合には、

手数料は1万円、

1000万円を請求する場合には、

5万円、

5000万円を請求する場合には、

17万円、そして、

1億円を請求する場合には、

32万円の手数料を支払う

必要があります。

 

 

日弁連が裁判手数料の引き下げを提言?

このように、

請求する金額によっては、

まあまあ高額な手数料を

裁判所に収めなければ

いけないようになっています。

 

 

これはなぜかと言うと、

「裁判」というのも、

一種の公共サービスの

1つですので、

やはり利用する場合には

一定の手数料が必要となる

ということです。

 

 

そしてもう1つは、

裁判制度の濫用を防ぎ、

無駄な「裁判沙汰」が

起こるのを防止する、

という役割もあるのです。

 

 

冒頭の例のように、

もし手数料という

ハードルがなかったら、

法的な根拠が薄くても、

恨みつらみの感情だけで

 

 

相手に1億円とか、

10億円を請求する

裁判を起こすことが

できてしまいます。

 

 

しかし、

起こされる相手にとっては、

いくら法的根拠が

薄いといっても、

 

 

巨額の請求の裁判を

起こされることは

大きな脅威になります。

 

 

それだけではなく、

法的な根拠の薄い裁判の

審理をいちいち行わなければ

ならない、

とするのも公共サービスの

ムダづかいになります。

 

 

そこで、

そうした裁判制度の濫用を防ぎ、

無駄な「裁判沙汰」を予防するために、

裁判所の手数料制度が

設けられているわけです。

 

 

ただ、

これは諸刃の剣

という奴でして、

裁判を起こすハードルが

高くなりすぎると、

 

 

憲法で保障された国民の

「裁判を受ける権利」を

侵害することにもなります。

 

 

この関係から、

最近、

日本弁護士連合会(日弁連)

というところが、

裁判にかかる手数料の

引き下げるようにと、

提言を行いました。

 

 

具体的には、

高額な裁判手数料は、国民の裁判を受ける権利を侵害しかねない

ということ、

そしてさらに、

巨額な国際的民事紛争となれば、日本が法廷地となることが回避され、一種の貿易障壁として国際問題にも発展する恐れがある

と指摘しています。

 

 

これは要するに、

もし紛争が起こった場合、

日本では裁判にコストが

かかりすぎることから、

 

 

これが海外から日本に対する

貿易のハードルになって、

国際的に問題となる

可能性をはらんでいる、

という指摘です。

 

 

 

 

 

「裁判沙汰」は避けつつも、バランスを?

ところで、

私はこのブログでも、

事あるごとに、

中小零細企業では「裁判沙汰」を

避けるべきだと

言ってきています。

 

 

裁判に一定額の手数料が

課されているということは、

中小零細企業が「裁判沙汰」に

巻き込まれることを

ある程度防止してくれる

効果があります。

 

 

それこそ、

変なクレーマーに絡まれて、

1億円とか10億円を請求

されるような裁判に、

簡単に巻き込まれたら、

たまったものではありません。

 

 

その意味で、

「裁判」というものには、

一定のハードルは必要です。

 

 

しかし、

事情によっては、

どうしてもやむなく

「裁判」という手段を

選択せざるを得ない

場合もあります。

 

 

その意味で、

「裁判」というのは、

紛争を解決したり、

権利を守ったりするために

「最後の手段」では

あるわけです。

 

 

ですから、

一定のハードルは必要だとしても、

そのハードルがあまりに

高いというのも問題でしょう。

 

 

「裁判」というのは、

三審制といって、

たとえば地方裁判所、

高等裁判所、

最高裁判所の三段階で

審理を行うことができます。

 

 

たとえば、

地裁で負けたら

高等裁判所に控訴する、

高等裁判所で負けたら、

最高裁判所に上告する

という三段階ある、

ということです。

 

 

ここで、

高等裁判所に控訴する際も、

別途新たに手数料が必要となり、

その場合は地裁の

手数料の1.5倍、

最高裁への上告の場合は

2倍の手数料の額に

なります。

 

 

上記の日弁連の提言では、

たとえば、

高等裁判所への

控訴の手数料を、

せめて地裁での提訴段階の

手数料と同額に引き下げること、

などを求めています。

 

 

いずれにしても、

裁判を起こすには、

弁護士費用とは別に

手数料がかかること。

 

 

そして、

この手数料制度は、

無駄な「裁判沙汰」を防止

するという役割などを

期待しながら、

 

 

国民の裁判を受ける権利を

侵害しないようにする

というバランスが求められる、

ということです。

 

 

そんなわけで、

1億円の裁判などは、

実はそう簡単に

起こせるものではない、

ということは知っておいても

良いでしょうね。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

<サービスメニュー>

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️法律相談のお申し込み

 

◾️顧問弁護士サービスについて

 

◾️セルフマガジン『裁判しないで解決する方法』の無料送付

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️Voicy(裁判しない弁護士のトラブル解決ラジオ)

 

 

 

 

最新動画 

今回は、「楽しみの先送りはやめよう」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、基本的に1日自宅でのんびりと。
子どもと遊びつつ、合間にブログ、YouTubeの撮影などでした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー