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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【顧問弁護士はぜいたく品?】法律を知らなかったために起きた会社の失敗事例3選

顧問契約

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世の中のトラブルや「裁判沙汰」は、もっと早く専門家に相談していれば防げた、ということも少なくありません。

 

 

法律を知らなかったばっかりに、深刻なトラブルになって会社経営が危機に陥る、そんなこともあるんです、というお話です(^ ^)

 

 

 

(1日1組限定のお鮨屋さんの蟹料理は「ぜいたく品」?)

 

<毎日更新594日目>

顧問弁護士は「ぜいたく品」?

中小零細企業でときどき、

顧問税理士は「必需品」
顧問弁護士は「ぜいたく品」

などと言われることがあります。

 

 

確かに、毎月の決算や毎年の確定申告などは税理士さんの力を借りなければならない企業は多いでしょう。

 

 

しかし、弁護士サービスは常に必要とされるわけではありません。

 

 

よく言われるのは、

うちでは、特に弁護士の世話になるようなモメごとやトラブルはないよ。

弁護士に相談することなんて、特にないし、何を相談して良いのかわからない。

というものです。

 

 

なので、顧問弁護士というのは、特に必需品ではないけど、お金に余裕がある企業が念の為に雇っておく「ぜいたく品」というわけなのでしょう。

 

 

しかし、本当にそうでしょうか?

 

 

私ら弁護士が受けるご相談の中には、もう少し早く相談してくれればとか、もしこの会社に顧問弁護士がいれば救われたのに、と思うような事案が少なくないのです。

 

法律知らなかったために起きた会社の失敗事例3選

失敗事例1)裁判書類を放置してしまった⁉︎

A社はB社に1000万円の工事を依頼しましたが、B社は非常にいい加減な会社で、納期が大幅に遅れた上に、工事内容もずさんでした。

 

 

A社はB社に対して、不十分な部分について補修工事を行うように求めましたが、B社は応じず、しまいにはB社の社長とも連絡が取れなくなってしまいました。

 

 

そこで、A社はやむなく他の会社に依頼して補修工事を行いました。

 

 

なお、B社に対する工事代金は、上記のようなトラブルがあったため支払っておらず、そのままうやむやになっていました。

 

 

その後、A社に裁判所から書類が届いたのですが、社長が非常に忙しく、封書の中身も開けずに放置していました。

 

 

そうしたところ、その後A社にメインバンクである銀行から連絡が入りました。

 

 

なんと、A社の取引口座が裁判所の手続きで差し押さえられたというのです。

 

 

実は、A社はB社から裁判を起こされており、A社が放置したために、工事代金1000万円の支払いを請求するB社の主張がそのまま認められる判決が出てしまいました。

 

 

判決はすでに確定してしまっていて、もはやA社が反論(B社の納期の遅れやずさんな工事など)をする機会は失われてしまいました。

 

 

そして、この判決に基づいて、A社の口座が差し押さえられた、というわけです。

 

 

A社は突然取引銀行の口座が差し押さえられて使えなくなり、その上メインバンクの信用も失ってしまい、深刻な経営危機に陥ってしまいました。

 

 

失敗事例2)固定残業代なので、残業代は払わなくて良いと思っていた⁉︎

A社は、社員の給料の中に、毎月残業代分として1人3万円を上乗せして支払っていました。

 

 

A社の社長としては、固定残業代として払っているので、特に残業時間を管理したり、残業代の計算をする必要はないと考えていました。

 

 

ところが先日、会社を辞めた社員から、過去3年分の多額の未払い残業代の支払いを請求する労働審判を起こされました。

 

 

訳もわからず労働審判の期日に行ってみると、社員の主張が認められる話の流れになってしまい、約100万円近い残業代を支払わなければならなくなりました。

 

 

さらに、この話を聞いた他の社員から、同じように未払い残業代を請求され、同じくA社は経営危機に陥ってしまいました。

 

 

 

失敗事例3)契約書をチェックしないで調印して、後で多額の損害賠償請求を受けた⁉︎

A社は、大手企業であるB社から、継続的に大規模な工事を請け負うことになりました。

 

 

A社の社長としては、大手のB社と継続的に取引できるということで、非常にテンションが上がっていました。

 

 

B社から建築請負工事の基本契約書のドラフトを提示されました。

 

 

A社としては、B社は大手で信用できるし、契約書の中身をよくチェックしないまま調印してしまいました。

 

 

そして、実際にB社との取引が始まったのですが、A社がそれまで経験したこともない大規模な工事でいろいろとトラブルが発生してしまいました。

 

 

A社は納期を大幅に遅らせた挙句、B社から契約を解除されてしまいました。

 

 

さらに、さまざまな工事の不備などの理由で、A社から多額の損害賠償請求を受けてしまいました。

 

 

通常、新たな取引先とこうした大規模工事を継続的に行う場合、A社のリスクヘッジとして、A社の負担する損害賠償金額の上限を一定額に制限するという条項を契約書に入れることがあります。

 

 

しかし、今回B社から提示された契約書には、そのような条項はなく、A社も契約書をチェックすることなく調印してしまったので、後の祭りということになってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

いかがでしょう?

 

 

ちなみに上記の3つの事例は、いずれも顧問弁護士がいて、その都度すぐに相談できていれば防ぐことができたトラブルです。

 

 

法律を知らなかったばっかりに深刻なトラブルに巻き込まれ、それが原因で会社の経営危機に陥ってしまいました。

 

 

 弁護士はモメた時に頼むもの

 うちはモメごとなんかないから、弁護士顧問は必要ない

というのがいかに間違っているか、ご理解いただけたのではないでしょうか?

 

 

私がこのブログでもよく書いているように、トラブルや「裁判沙汰」は「予防」することが最もコスパが高いのです。

 

 

というわけで、

今日のポイントは

 

 弁護士顧問は決して「ぜいたく品」ではない!

ということです。

 

 

トラブルや「裁判沙汰」はどんな会社にも起きる可能性がある、ということは忘れてはいけませんね。

 

 

顧問契約サービスについて

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、社員が会社に対して損害賠償の責任を負っているときに、会社がその社員に支払う給料から、損賠賠償のお金を天引きすることはできるのか?こんなテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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