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渋谷の弁護士吉田悌一郎

退職届があっても無効?「合意退職」がひっくり返る場合とは?

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「退職届があるから大丈夫」

 

 

そう思っていませんか?

 

 

しかし実は

「合意退職」であっても後から無効と

判断されるケースがあります。

 

 

 

(今日の「棒人間」 ひっくり返る??)

 

<毎日更新1785日目>

「合意退職」したはずなのに・・・

 

コンピューターのソフトウェアの

製造販売などを手がける会社の

とある社員。

 

 

この社員について

コロナ禍での会社の行動基準

に違反したこと

 

 

PCのデータ消去

能力不足などを理由に

会社が退職を求めました。

 

 

この社員は

会社の営業部長と1時間30分余りの

 

 

長時間にわたる面談の後

退職届を会社に提出しました。

 

 

しかし

その後この社員は

 

 

退職届は真意ではなかったとして

退職届が無効であることを理由に

会社に裁判を起こしました。

 

 

これに対して

裁判所の判決は

この社員が退職を嫌がっていたこと

 

 

いくつかの書類に署名を拒否

したことなどの経緯から

退職の意思表示が真意に基づくものでなかったことを合理的に推認できる

と判断しました。

 

 

つまり

退職届は法的に無効であり

 

 

会社はこの社員を職場復帰させなければ

ならなくなったとのことです。

 

 

合意退職

すなわち本人からの

退職届があるにもかかわらず

 

 

なぜこのような結論に

なったのでしょうか?

 

 

 

 

 

「心裡留保」とは?

 

上記の裁判所の判決では

「心裡留保(しんりりゅうほ)」といって

 

 

表面的には退職届を出していたとしても

本心は退職の意思がなかったということで

退職届を無効であると判断しました。

 

 

この「心裡留保」というのは

聞きなれない言葉ですが

 

 

法律用語で

民法で規定があります。

 

 

すなわち

民法93条1項で

意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

と規定されています。

 

 

法律の条文はわかりにくいですが

たとえば退職の「意思表示」は

 

 

仮にその社員の真意では

なかったとしても

 

 

その効力は有効ですよ

ということです。

 

 

これはある意味当たり前でして

合意や契約をしておいて

 

 

後からそれは「真意ではなかった」

として無効になってしまうのであれば

およそ契約や取引は成り立ちません。

 

 

ただ

今回はこの規定の後半の「ただし・・・」

というところがポイントになります。

 

 

すなわち

相手方

つまり会社側が

 

 

社員の退職の意思表示が

真意でないことを知っていた

 

 

あるいは当然知ることができた場合は

真意でない意思表示は無効ですよ

と規定しています。

 

 

つまり

真意ではないことを

相手方が知っていたとか

 

 

知ることができた場合にまで

その意思表示を有効とする意味はない。

 

 

その場合は

意思表示をした人の

「真意」を尊重しましょう

 

 

ということをこの法律は

言っています。

 

 

 

 

 

 

 

「書面」は重要だけれど・・・

退職してほしい社員がいる場合であっても
日本の法律では解雇は非常に
難しいという現実があります。

 

 

そこで
その社員が自らの意思で退職して
もらうように働きかける

 

 

「退職勧奨(たいしょくかんしょう)」
という方法がよくとられます。

 

 

「退職勧奨」の結果
退職の合意に至ったときは

 

 

やはり「退職届」など書面を
書いてもらうことは重要です。

 

 

後で
退職の合意などしていないと争われた場合

 

 

書面などがなければ会社は不利な
状況になってしまいます。

 

 

ただ
「書面」があれば万全か

 

 

と言われると
そうとも言い切れません。

 

 

たとえばその社員を個室に閉じ込めて
1時間も2時間も問い詰めて
退職届を書かせたような場合。

 

 

こうした場合には
社員が真意ではないが退職届を書き

 

 

会社側もそれが真意では
ないことを知り得た
というケースがあるわけです。

 

 

その場合には
上記の「心裡留保」によって

 

 

退職届が無効となってしまう
リスクがあります。

 

 

また
こうした圧迫的な退職勧奨の場合

 

 

そもそも退職勧奨自体がその社員に
対する不法行為となることもあり得ます。

 

 

というわけで
「書面」は重要ですが

 

 

それはしっかりと話し合ってその社員に
納得してもらった上でなければなりません。

 

 

大変ではありますが
やはりこうした場面でも

 

 

会社の誠意が問われる
という面はあるようですね。

 

 

それでは
また。

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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