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渋谷の弁護士吉田悌一郎

「住宅手当」は除外できる?東洋大の残業代未払い問題が示す落とし穴

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「住宅手当だから残業代の

計算から外していい」

 

 

そう思っていませんか?

 

 

東洋大学の残業代未払い問題は

その思い込みが大きなリスク

になることを示しています。

 


実は

住宅手当でも除外できる場合と

できない場合があるのです。

 

 

(今日の「棒人間」 住宅手当を除外できる??)

 

<毎日更新1800日目>

東洋大で残業代未払い??

 

東洋大学で

事務職員らに対する残業代が

一部未払いになっていたということで

 

 

労働区準監督署から是正勧告を

受けていたとの報道がありました。

 

東洋大が事務職員の残業代未払い、労基署が是正勧告 総額や対象人数「精査中」

 

 

報道によれば

同大学では

残業代を算出する基準なると給与について

 

 

本来は「住宅手当」を含める必要があったのに

これを除外していたため

 

 

残業代が一部未払いに

なっていたとのことです。

 

 

そして

この大学では

 

 

この運用が20年以上

続いていたとのことです。

 

 

たとえば

所定労働時間8時間の職場で

 

 

この時間を2時間超えて労働させた場合

2時間分の割増賃金(残業代)を

支払う必要があります。

 

 

そして

通常の時間外労働(残業)の場合

割増賃金は

 

 

通常の労働時間の賃金の計算額の

25%増しで支払わなければ

ならないことになっています。

 

 

この「通常の労働時間の賃金の計算額」

のことを

 

 

一般に「割増賃金(残業代)の基礎となる賃金」

と言ったりします。

 

 

問題は

この「割増賃金の基礎となる賃金」には

 

 

具体的にどのようなものが含まれるのか

ということです。

 

 

これによって

「割増賃金の基礎となる賃金」

が変わってくると

 

 

結局残業代の金額にも違いが出てくるため

問題となるのです。

 

 

 

 

残業代計算から除外できる「住宅手当」とは?

 

ここでは

社員に「住宅手当」が

支払われていたとして

 

 

この「住宅手当」が

「割増賃金の基礎となる賃金」

 

 

に含まれるかどうかが

さらに問題となります。

 

 

というのは

労働基準法37条5項で

この「割増賃金の基礎となる賃金」に

家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

と規定されているからです。

 

 

さらに

労働基準法施行規則21条では

 

 

「住宅手当」も「割増賃金の基礎となる賃金」

には算入しない

と規定されているのです。

 

 

ですから

上記の東洋大学の運用のように

残業代を計算するにあたり

 

 

「割増賃金の基礎となる賃金」には

「住宅手当」を算入する必要が

ないようにも思えます。

 

 

ところが

「住宅手当」という名称であれば

 

 

すべて除外することができる

というわけではないのです。

 

 

すなわち

「割増賃金の基礎となる賃金」

から除外される「住宅手当」とは

 

 

住宅に要する費用に応じて算定

される手当をいうものであり

 

 

手当の名称にかかわらず

実質で判断すべきと

されているのです。

 

 

そして

上記の「費用に応じた算定」というのは

費用に定率をかけた額とすることや

 

 

費用を段階的に区分し

費用が増えるにしたがって

額を多くすることを意味します。

 

 

たとえば

その「住宅手当」が

 

 

家賃や住宅ローン月額といった住宅に

要する費用に応じて支給額が

決まる性質のものであれば

 

 

これは除外可能な「住宅手当」

となります。

 

 

逆に

住宅に要する費用以外の

費用に応じて算定される手当や

 

 

住宅に要する費用にかかわらず

一律に定額で支給される手当は

 

 

除外できる「住宅手当」には

あたらないとされています。

 

 

たとえば

全員一律

 

 

あるいは賃貸か持ち家か等の区分

だけで定額支給されるようなものは

 

 

ここで言う除外可能な「住宅手当」

にはあたらないというわけです。

 

 

このような手当は

名称は「住宅手当」ですが

 

 

実質は基本給に近い手当と

考えられているわけです。

 

 

そして

上記の東洋大学の事例は

この後者のパターン

 

 

すなわち実費に連動しない

一律支給のような形態で

あったようで

 

 

これは「住宅手当」として

除外できないと判断された

ようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

計算方法を間違えるリスク

 

それにしても

上記のとおり

 

 

東洋大学では20年以上こうした

法的には間違った運用がなされていた

ということのようです。

 

 

この大学のように

間違えて本来除外できない

「住宅手当」を除外する運用を

 

 

長年続けていたような場合

どのようなリスクがあるでしょうか?

 

 

こうしたケースでは

当然社員から過去の未払い

賃金(残業代)の支払いを請求され

 

 

場合によっては「裁判沙汰」に陥る

危険があります。

 

 

しかも

賃金請求権の時効は3年ですから

 

 

場合によっては過去3年分に

さかのぼって未払い分を請求されます。

 

 

そうした場合

会社としては

 

 

除外してしまった「住宅手当」を

「割増賃金の基礎となる賃金」に

含めて単価を算出し

 

 

過去分の全残業時間に対する

差額を算出する必要があります。

 

 

これだけでも

会社にとってはかなりの手間である上

経済的なダメージも少なくないでしょう。

 

 

しかも

現職している社員のみならず

 

 

場合によっては退職した社員に

対しても支払義務が発生します。

 

 

会社にとってはこういった

リスクがありますので

 

 

社員の給料や残業代の

計算方法に問題がないか

一度確認してみることをお勧めします。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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