コンペに採用され
「御社で進めましょう」と
言われたはずなのに。
それが突然の白紙撤回。
こんな理不尽な話
許されるのでしょうか。

(今日の「棒人間」 白紙撤回??)
<毎日更新1805日目>
ある大手企業が
中小のデザイン会社数社に
デザインコンペを依頼しました。
その結果
A社長の会社が選ばれました。
この大手の担当者からA社長は

オタクのところで進めたいので、細部を詰めて下さい。
と口頭で言われました。
大手のコンペに選ばれた
A社長としては
嬉しくて
大変はりきってこのデザインの
準備を開始します。
この大手からは
特に発注書というものはなく
契約書も作成されませんでした。
ただ
A社長としては
大手の会社から依頼されているし
間違いはないだろうと信用し
そのまま仕事を進めました。
大手の担当者とは何度も
打ち合わせを重ね
A社長の会社は言われるとおりに
何度かデザインの修正案も
提出しました。
ところが
しばらく経ったあと
この大手の担当者から

いや〜、すみません。実は弊社の社内方針が変わりまして、今回の話はいったん白紙に戻したいんです。
と突然言われます。
ここしばらくこのデザインの仕事に
かなりの労力を注いでいた
A社長としては
当然納得が行きません。

そ、それはないでしょう!
オタクの依頼があったから、うちは時間やお金、労力をかけてデザインを作ってきたんです。
オタクの修正の要求にも応じたじゃないですか!
A社長は食い下がりますが
担当者は

そう言われましても、まだ契約書も作っていませんし、うちとしてはオタクに正式には発注していない段階ですよ。
と平然と言い放ちます。
怒りが収まらないA社長が
私のもとにご相談お見えに
なりました。
このお話
法律的にどんなことが問題なのか
簡単に整理してみましょう。
まず
契約というものは
原則として必ずしも「契約書」
などを作る必要はなく
口頭でも法的な契約は成立し得ます。
ただ
口頭では当然エビデンスが
残りませんので
後々契約した
してないのトラブルになりがちです。
そこで
確実に契約をしたことの証拠として
通常は「契約書」を作るわけです。
上記のA社長の事例では
果たして契約が成立していたのかどうか
微妙なところはあります。
ただ
契約書が作成されていないので
相手方に否定されてしまうと
それ以上争うのは難しくなります。
では
仮にまだ法的に契約が
成立していないとした場合
A社長は泣き寝入りをしなければ
ならないのでしょうか?
理屈上詰めて考えますと
法的に契約が成立していない以上
A社長としては何も
言えないようにも思えます。
しかし
上記の事例がまさにそうですが
一方当事者の言動によって
相手方当事者としては
いろいろと契約締結に向けて
お金や労力を使って準備を
行うということがあります。
それにも関わらず
契約が成立前であれば
他方の当事者が一方的に約束を反故にし
キャンセルすることができて
しまうのはいかがなものか?
こういう問題意識のもと
裁判例でも
例外的に契約締結前であっても
相手方に対して損害賠償が
認められるケースがあるとされています。
具体的には
① 当事者間の契約交渉の程度の成熟度が高くなっていること
② キャンセルした当事者に、信義則違反と評価される落ち度があること
この2つの要件を満たす場合には
例外的に約束をキャンセル
した相手方に対して
損害賠償請求が
できるとされています。
さて、それでは
上記のA社長の事例は
どうでしょうか?
この点
A社長は
大手の担当者からは
「オタクが進めて」と言われ
打ち合わせが複数回行われ
デザインの修正要求にも応じています。
こうした事情からすれば
当事者間の契約交渉の程度の成熟度が
高くなっていた(上記①)と
言えるでしょう。
さらに
わざわざデザインコンペを開催し
そこで選ばれたA社長の会社に
具体的にいろいろ話を詰めています。
そして
特にA社長の会社に
「落ち度」はありません。
したがって
契約をキャンセルした大手企業には
「②信義則違反と評価される落ち度」
があると評価できるでしょう。
それでは
A社長の会社としては
具体的にどのような損害の賠償を
求めることができるのでしょうか?
この場合
A社長が
あくまで大手からの依頼で
契約が有効であると信用した
ことによって被った損害について
請求できるとされています。
これを「信頼利益」と言ったりしますが
具体的には
と言って
すんなりA社長の要求どおりに
払ってくれるでしょうか?
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。