「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

社長なのに、会社をクビにされるってあるの??

会社法関係

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会社で一番偉いのは社長?

 

 

いえいえ、

そうとは限りません。

 

 

「社長」が、

ある日突然会社を「クビ」に

なってしまうこともあるのです。

 

 

 

 

(今日の「棒人間」 株主の手のひらで転がされる「社長」)

 

<毎日更新904日目>

ビジネスがうまくいった途端に、社長の「クビ」宣言

私が開発したダイエットプログラムなのに、成功した途端に社長を首にするなんて、許せない!!

Aさんは、

個人でダイエットのトレーナーの

ビジネスをしていました。

 

 

Aさんが開発したダイエットの

プログラム「レイザップ」

が話題を呼び、

個人事業ではあったものの、

ビジネスは順調に

伸びて行きました。

 

 

そんなAさんのビジネスに

目をつけたBという人物。

 

 

AさんはBから、

あなたが開発したダイエットのプログラム「レイザップ」を使って、共同経営しましょう。
私の方で会社を設立しますから、あなたはぜひ「社長」になってください。

 

自分のダイエットプログラムが評価され、

しかも新しく設立する会社の

「社長」になってほしいと言われて、

悪い気がしなかったAさん。

 

 

二つ返事でこのBの誘いに乗り、

Bが設立した会社の「社長」に

就任しました。

 

 

その後、AさんはBから、

「レイザップ」というプログラムを他社に真似されないために、商標登録の手続きをしましょう。

と持ちかけます。

 

 

「レイザップ」は順調で、

会社は業績を伸ばしていきました。

 

 

そんなある日、

Aさんは、

突然Bからこう言われます。

いやぁ、ご苦労様でした。
新しい後任の社長が見つかりましたので、あなたには今期限りで社長を降りていただきます。

 

Aさんにとっては、

まさに「寝耳に水」

 

 

実は、

Aさんは社長には就任したものの、

この会社の株式を1株も

持っていませんでした。

 

 

会社の株は全部Bが

握っていたのです。

 

 

突然Bから社長を

解任されてしまったAさん。

 

 

また個人事業主に戻って、

自分が開発したダイエットプログラム

をやろうとしても、

「レイザップ」はすでに会社が

商標登録をしていますので、

この名前を使うことすらできません。

 

 

要するに、

Aさんは、

Bからいいように騙されて、

ダイエットプログラムに関する

ノウハウを合法的に奪われて

しまったのです。

 

 

 

 

株式会社では、誰が一番偉いのか?

どうしてこんなことに

なってしまったのか?

 

 

一般常識的に、

会社で一番偉いはずの社長が、

なぜ突然「クビ」になって

しまうのか?

 

 

そこは、

「会社法」という法律の中に

答えがあります。

 

 

株式会社というものは、

株主がいわば出資者として

会社を作ります。

 

 

ですから、

株式会社の所有者は、

あくまで「株主」です。

 

 

そして、

取締役とか、

役員とか、

社長(代表取締役)と言われる人は、

この所有者である株主から、

会社の経営を任されている人、

というたてつけになっています。

株式会社において、

この株主と、

社長(代表取締役)

どちらが偉いのか?

と言えば、

間違いなく「株主」の方が

上の立場にあるのです。

 

 

そのため、

社長などの取締役や役員は、

株主総会で選任され、

またいつでも株主総会で

解任することができる、

とされています。

 

 

つまり、

いくら「社長」と言っても、

そこは会社の所有者である

株主の胸先三寸で、

生かすも殺すも株主の自由、

という建前になっている

わけです。

 

 

この点、

多くの中小零細企業では、

この「株主」という立場と、

「社長」という立場が一致

していることがほとんどです。

つまり、

自分が出資者となって会社を設立し、

そのまま自分がその会社の社長になる、

というパターンです。

 

 

こうしたケースであれば、

「株主」の立場と、

「社長」の立場が矛盾することもなく、

特に問題は起こりません。

 

 

ところが、

上記のAさんのようなケースでは、

Aさんは「社長」でありながら、

その会社の株式を1株も

持っておらず、

株は全部Bが握っていたわけです。

 

 

これでは、

いくらAさんが「社長」

であると言っても、

Bの都合の良いように使われ、

利用されるだけ利用されて

突然「クビ」にされる、

ということが起こってしまう

わけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「社長になってください」にだまされてはいけない

要するに、

形式的に「社長」になることが

重要なのではなく、

きちんと株式を持ち、

その会社の実験を握れるかどうか、

ということがポイントになってきます。

 

 

ところが、

世の中、

ぜひあなたに「社長」になってください! 

という甘い言葉に騙され、

安易に「社長」に就任してしまう

人が少なくありません。

 

 

そうなると、

上記のAさんのように、

自分で開発したプログラムを

騙し取られてしまうなどの大きな

リスクを背負うことになります。

 

 

この問題、

Aさんのように、

社長を突然「クビ」にされるという

リスクだけではありません。

 

 

逆に、

赤字続きで経営が悪化した会社で、

後任の社長が見つからない場合、

ヘタをすると「社長」を

辞めたくても辞められない、

という問題も起こります。

 

 

そのことは、

以前このブログで書いた以下の

記事をご参照ください。

 

【雇われ社長辞めたい?】辞めたいのに辞められない、深刻なケース

 

 

自分が実権を持たない

会社の「社長」になることは、

こういった様々なリスクが

あるものです。

 

 

間違っても、

「社長になってください」

という言葉に騙されて、

安易に「社長」に就任する

ことのないように、

注意が必要ですね。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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