弁護士の仕事は、人々の紛争ごとを扱います。
紛争ごとを解決するには、紛争の全体像や相手方の
言い分もきちんと理解するというバランス感覚が必要です。
そして、自分の依頼者との間でも、信頼関係を保つための
絶妙なさじ加減が求められます。
今日は土曜日なので、お気軽にお読みいただければと(^^)
(シーソーもバランス感覚が必要)
<毎日更新543日目>
弁護士に求められる素養の1つに、
があると思っています。
私ら弁護士は、世の中の人々の紛争ごとを扱います。
です。
オーソドックスな仕事としては、対立する当事者の
一方から依頼を受けて、その人の代理人となって
相手方と交渉する、というものがあります。
弁護士にとっては、依頼者から費用をいただいてますし、
依頼者は「お客さま」です。
当然、交渉もお客さまである依頼者にとって、最善の結果
が得られるように努力するわけです。
しかし、紛争ごとですから、必ず相手方というものが
存在します。
だいたい、世の中の紛争ごとというのは、一方が100%悪い、
ということはほとんどありません。
そうすると、いくら「お客さま」だからと言って、
自分の依頼者の言い分をそのまま鵜呑みにして交渉すると、
交渉がうまく行かなくなります。
自分の依頼者と、相手方との間の言い分が対立するには、
それなりの理由があります。
数日前のブログにも書きましたが、1つの事実をとってみても、
その見方は様々です。
かの有名な「7つの習慣」に出てくるこの女性の絵
見方によっては若い女性にも見えるし、高齢の女性にも
見えるわけです。
しかし、紛争ごとの渦中にいる当事者というものは、
往々にしてそういうことが見えなくなっています。
いわば
そう思い込んでいる人は実に多い。
時々弁護士の中にも、自分の依頼者の言うことを鵜呑みにして
しまって、それを交渉の場に持ち込んでくる人がいますが、
このようなやり方はたいていうまく行きません。
話し合いがこじれて裁判になり、裁判でも不利な和解や判決になる
可能性が高く、結果的には依頼者のためになりません。
なので、弁護士としては、自分の依頼者の利益を図りながらも、
紛争の全体像を見て、相手方の言い分も十分検討した上で、
紛争の落とし所を探る、という「バランス感覚」が欠かせないのです。
そこで、まずは自分の依頼者の話をよく聞く必要がありますが、
弁護士は同時に、この依頼者の言い分がどこまで通るか、
それを裏付ける証拠がどの程度あるか、これを冷静に検討
しなければなりません。
そして、自分の依頼者にとって不利な部分、これを依頼者に
理解してもらう必要があるわけです。
しかし、これが容易ではありません。
なにしろ、自分は100%正しいと思っている人が少なく
ありません。
というか、人間は誰でも紛争の当事者になるとそうなるものです。
そこを丁寧に説明しながら、紛争を解決する見通しや、場合によっては
自分の依頼者にある程度妥協してもらうように説得する作業も
必要になってきます。
この「説得」のさじ加減が大変に難しいのです。
依頼者の気持ちを考えずに、とにかく「説得」しようとすると、
依頼者との信頼関係を壊してしまいます。
ひどい場合には、
などというあらぬ疑いをかけられることもあります。
こちらとしては一生懸命仕事をしているのに、自分の依頼者から
そのように思われるのは大変悲しいことではあります。
ですが、そのくらい紛争ごとを扱うのは難しい、
ということなのです。
ですから、依頼者の気持ちを尊重しつつ、しかし紛争ごとの
客観的な状況を正確に伝え、どの辺が紛争の落とし所なのか、
粘り強く説明して納得してもらう努力が必要なのです。
というわけで、
今日のポイントは
ということです。
そんなわけで、今日は土曜日なんで、
なんか愚痴のようなブログになって
しまいましたが、たまにはこういうのも
許してください(^ ^)
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。