新規の大口取引の依頼が
実は巧妙な罠だった。
今
善意の建設業者などをターゲットに
工事の契約をエサにして多額の現金を
奪い去る『代理購入詐欺』が急増しています。

(今日の「棒人間」 企業が詐欺に狙われる時代??)
<毎日更新1814日目>
都内で工務店の会社を営むA社長のところに
聞き覚えのあるクリニックの院長を
名乗る人から連絡がありました。
このたび
このクリニックの大規模な
リフォーム工事を依頼したいので
見積もりを欲しいという
依頼でした。
A社長としては
大型の案件が受注できるかも
知れないということで
はりきって見積書を
作成しました。
そうしたところ
この院長を名乗る人から再度連絡があり
「ぜひお願いしたい」
「来週の月曜日に現地を確認に来てほしい」
ということでした。
そこでA社長はもちろん快諾。
ところが
現地に行く日の前日に
またこの院長を名乗る人から
連絡がありました。

すみませんがね〜、ちょっとトラブルが起きまして。

どんなトラブルでしょう?

お恥ずかしい話ですが、うちのクリニックで使用してい電子カルテシステムの件で、ちょっと業者への支払いのミスがありまして・・・。

どんなご事情ですか?

それで、業者から、年間ライセンス料150万円を支払わないと、明日から電子カルテがロックされ、全患者の診察ができなくなると言われてしまったのです。

それは大変ですね・・・。

そうなんです。そうなると、クリニックの営業ができなくなってしまいます。

なるほど・・・。

そこで、大変申し訳ないのですが、うちで今日すぐに150万円を用意できないので、御社の方でいったん業者にこの150万円を立て替えて支払っていただくわけにはいかないでしょうか?

ええ?うちでですか??

お願いできませんでしょうか?すぐにご依頼するリフォーム工事の着工金に上乗せしてお支払いさせていただきますので。

そうですね、わかりました。なんとかしましょう。

ありがとうございます!恩に切ります!
そして
A社長は急遽150万円のライセンス料を
立て替えて支払いました。
ところが
翌日A社長が
約束した現地確認のために
このクリニックを訪れたところ
ここの院長には
A社長に連絡をした覚えはない
と言われてしまいます。
つまり
リフォームの計画も
また電子カルテのライセンス料
などという話も
まったく聞いていない
ということでした。
やられたか!
すでに150万円を支払って
しまっているA社長は
呆然と立ち尽くすのでした。
最近
建設業者や工務店などを狙った
こうした「代理購入詐欺」というのが
問題となっています。
この詐欺は
単なる振り込め詐欺とは異なり
「仕事(工事)の依頼」をエサにして
近づいてくるというところに
特徴があります。
それゆえ
真面目な事業者ほど騙されやすい
という傾向があります。
この「代理購入詐欺」は
通常は3つのステップで行われる
パターンが多いようです。
すなわち
まず医療機関や介護施設を装い
「リフォーム工事の見積もりをしてほしい」
などと依頼してきます。
その上で
「来週の月曜日に現地を確認に来てほしい」
などと具体的な日時を決め
相手方の警戒心を解きます。
そして
この現地調査の直前(前日や当日朝など)に
「実はトラブルが起きた」と連絡が入ります。
具体的には
たとえば
ということを言ってきます。
このように
「もうすぐ工事契約が取れる」という
相手方の心理的な期待感を
悪用するわけです。
あるいは
「顧客の困りごとを解決してあげたい」
という善意に付け込んで
多額のお金を騙し取るというのが
その典型的な手口なのです。
そして
この手の詐欺被害の場合
いったんお金を送金してしまうと
後から詐欺だと気づいても
そのお金を取り返すことは非常に
難しいと言わざるを得ません。
そのくらい
最近の詐欺は手口が非常に巧妙で
犯人(ないし反抗グループ)の
追跡が難しくなっています。
そこで
企業としては
こういった「代理購入詐欺」に遭わない
ための対策を事前に考えておく
必要があります。
まず
こうした詐欺に遭わないための鉄則として
というこの1点に尽きる
と言っても良いでしょう。
確かに
医療機関や介護事業所など
一般的には信用のある依頼主から
仕事の依頼を受ければ
どうしても脇が甘くなってしまう
その気持ちはよくわかります。
ただ
冷静になって考えてみると
初めて取引をする相手方に対して
数十万から数百万といったお金の
立て替え払いを依頼すること
自体が異常です。
また
こうした連絡があった場合には
後で相手が名乗った施設の本社や
代表電話などの連絡先に連絡し
その人物が実在するか確認する
必要があります。
その際
相手から聞いた電話番号やアドレスではない
必ずご自身で公式サイト等で調べた番号等に
連絡し直すようにして下さい。
そして
いわば建設業の王道の商慣習である
まず現地調査、その後見積り、契約
といった手順を崩さず
先に現金を振り込むようなことは
避けるべきです。
昨日のブログでも
企業に対する詐欺をテーマに
取り扱いました。
「その警告、全部ウソです!」会社の預金が一瞬で消えた「サポート詐欺」の実態
詐欺被害というと
今まではお年寄りなどを狙った
振り込め詐欺などが一般的でした。
ところが
最近の詐欺は
このように企業を狙ったものも
珍しくなくなっています。
そして
犯行を行う方も
いわゆる「トクリュウ」など
その手口が非常に専門化
巧妙化してきています。
いわば
誰が騙されてもおかしくない時代
「うちは大丈夫」といった油断は
絶対に禁物です。
企業としては
被害を被る前に
こういった情報を収集、共有し
しっかりと対策をとって
おきたいものです。
それでは
また。
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昨日は、早朝に3.5キロほどランニング。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。