「資材価格が上がっても
報酬はそのまま。」
そんな対応が
フリーランス法違反と判断される
時代になりました。
今回のベイシア電器への勧告から
中小企業が知っておくべき「買いたたき」
のリスクを考えてみます。

(今日の「棒人間」 必要な支払いを渋る人は世の中少なくありません)
<毎日更新1879日目>
家電小売業のベイシア電器が
業務委託したフリーランスに対して
必要な資材のコスト上昇分を
報酬に十分反映しなかったとして
公正取引委員会からフリーランス法違反で
再発防止の勧告を受けたとの
報道がありました。
資材コスト上昇分、報酬に反映せず フリーランス買いたたきでベイシア電器(群馬・前橋市)に勧告 公正取引委員会
ベイシア電器というのは
作業服販売の「ワークマン」や
ホームセンターの「カインズ」などを含む
ベイシアグループ傘下の会社で
群馬県など関東4県と静岡県で
店舗を展開しているそうです。
報道によれば
このベイシアは
2024年11月〜2025年12月に
フリーランス10人に対してエアコンの
設置工事などを委託。
ところが
銅や塩化ビニールが使われている冷媒菅や
配線ケーブルのコストが上昇した
にもかかわらず
報酬を一方的に低く据え置いた
ということです。
一部のフリーランスからは
単価改定の申し入れを受けていたそうですが
同社は十分な協議を行わなかったとのこと。
他にも
ベイシア電器が負担すべき事務手数料
などを報酬から差し引いたとして
フリーランス法が禁じる「報酬の減額」や
報酬を期日までに支払わなかった
義務違反も認定しました。
同社は
今回の公取委の勧告を受けて
とコメントしているそうです。
また
すでにフリーランスに対して
正当な報酬との差額や減額分にあたる
合計約764万円を支払ったとのことです。
2024年11月に施行されたフリーランス法
(正式名称:特定受託事業者に係る取引の
適正化等に関する法律)。
あくまで「独立事業者」であるとはいえ
やはり企業間取引でどうしても力の弱い
立場にあるフリーランス。
そうしたフリーランスを保護して取引の
適正化を図るために作られたのが
このフリーランス法です。
このフリーランス法の規制の中で
今回問題となったのが
まず「買いたたき」の規制です。
これは何かと言うと
同法は
発注者が有利な立場であることを利用して
通常支払われる対価と比べて著しく
低い報酬額を不当に定めることを
「買いたたき」として禁止しているのです。
この「買いたたき」にあたるかどうかは
などを総合的に勘案して判断します。
なお
フリーランスがコスト上昇を理由に
報酬額の引き上げを求めたにもかかわらず
それに対して明確に回答せず
報酬額を据え置いた場合も
「買いたたき」に該当するおそれがあります。
次に
フリーランス法では
フリーランスの責めに帰すべき事由がないのに
発注時に決めた報酬を後から
減額することはできない
とされています。
これは
フリーランス側の同意があってもダメです。
上記のベイシア電器の事例のように
発注者が負担すべき事務手数料などを
報酬から差し引くことも
この同法が禁じる報酬の
減額に当たるとされています。
上記のフリーランス保護法に違反した場合は
公正取引委員会が
違反事業者に対して違反行為を
やめるように「勧告」を出すことができます。
その場合
公取委によって企業名が
公表されるリスクがあります。
実際
公取委のホームページでフリーランス法の
違反事例を公表していて
上記のベイシア電器の事例も
掲載されています。
ところで
このフリーランス法が適用される
「フリーランス」とは
をいうとされています。
要するに
取引の相手が
1人の個人事業主か
会社の1人社長である場合に
このフリーランス法の対象となるわけです。
こう見ると結構適用範囲が広く
こうしたフリーランスに業務を発注
している中小企業は少なくないでしょう。
しかも
公取委によるフリーランス法違反で
摘発される件数は増えており
その対象となる業種も広がっています。
今回のベイシア電器の件についても
家電小売業社に対するフリーランス法の
勧告は全国初とのことです。
このフリーランス法の規制の
理解が不十分なために
同法違反で勧告を受けたり
企業名が公表されてしまう
リスクがあります。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。