取引先から代金を回収できない
という不払いトラブル。
運が悪かったといえば
それまでですが、
事前にある程度気をつけていれば、
予防できることもあるんです。
(巨大な石から落ちないように「注意」)
<毎日更新640日目>
昨日のブログでは、
起業したばかりのAさんが、
新規のB社と取引を開始したところ、
500万円という多額の商品代金について
回収不能になるという
悲惨な話を書きました。
昨日のブログはコチラ
⏬⏬⏬
Aさんはとてもお気の毒
ではありますが、
やはりもう少し打てる手は
あったはずです。
そこで今日は、
新規の取引先と取引をする場合に、
極力こうした不払いトラブルの
リスクをなくすための7つの
注意点についてお話しします。
目次
取引相手の会社の登記情報を
まず調べましょう。
会社の登記情報は、
公示されていて誰でも
調べることができます。
昔は商業登記簿謄本とか
言われていたものですが、
今では会社の登記情報は手数料を
払えばインターネットで簡単に
調べることができます。
会社の登記情報には、
下記のような様々な情報が
載っています。
世の中には、「株式会社」と名乗りながら、
実はきちんと登記されていないダミーの
会社もあります。
会社の登記情報を取り寄せれば、
そうしたダミー会社も見抜くことが
できます
(ダミー会社は登記がありませんのでわかります)
会社の設立年月日や資本金の額も
記載されているので、
社歴や会社のおおよその規模も
わかるでしょう。
さらに、
会社の本店所在地がわかりますので、
その住所地の物件(土地建物)の
登記情報をさらに取り寄せてみます。
そうすると、
会社の本店所在地の物件が、
その会社の持ち物件なのか、
賃貸物件なのかもわかります。
なぜなら、
不動産の登記情報には、
その不動産の所有者が記載されて
いるからです。
ちなみに、
不動産の登記情報も、
インターネットで簡単に調査できます。
もし本店所在地の物件が、
その会社の持ち物件だった場合、
さらにその不動産に抵当権(根抵当権)
などがついていれば、
その会社がどこにいくらくらいの
負債があるかもわかります。
不動産の登記情報には抵当権に関する
情報も記載されていて、
そこにはお金を貸した人(銀行など)や
債権額も記載されているからです。
さらに、
会社の登記情報には、
代表取締役の氏名・住所も
記載されています。
そこで、
この代表者の住所地の物件の不動産の
登記情報をさらに調査します。
そうすると、
その物件が代表者の持ち物件なのか、
賃貸物件なのかもわかります。
また、
それが持ち物件だった場合、
やはり抵当権の記載を確認することで、
住宅ローンの有無などの情報も
わかるのです。
そんなわけで、
取引先の会社の登記情報というものは
誰でも調査できますし、
見てみると意外に結構色々な情報を
得ることができる場合があります。
そんなわけで、
会社の登記情報を調べれば、
ある程度の情報はわかります。
しかし、
昨日のブログで書いたAさんの事例
のように、その会社が事務所が
バーチャルオフィスだった、
なんてこともあり得ます。
バーチャルオフィスでも
会社の本店所在地として登記が
できますので、これは登記情報を
見ただけではわかりません。
バーチャルオフィスだから、
一概にダメだとは思いませんが、
たとえば数百万円、数千万円という単位の
取引をする相手として相応しいか
どうかの判断材料にはなるでしょう。
また、実際に行ってみると、
電話やメールなどで相手方と
やり取りしているだけではわからない
情報を得られることもあります。
たとえば、
相手方の会社に行ってみたら、
聞いていたような規模の会社とは
全然違ったとか、
怪しいお兄さんが出入りしているとか、
従業員の様子がなんか変とか、
現場ならではのリアルな情報が
手に入ります。
それから、
やはり新規の取引先との間では、
まずは少額の取引から始めて、
お互いに信頼関係を積み重ねる
というのが王道でしょうね。
少額の取引をしている間に、
相手がしょっちゅう支払期限に
遅れるとか、
そんなことがあれば、
この会社とはあまり大きい額の取引は
やめておこうなどと判断
できるわけです。
昨日のブログのAさんは、
起業したばかりで、
売り上げを上げたいと焦ってしまい、
2回目から500万円という多額の取引を
やってしまったのが、失敗の元とも
言えるわけです。
それから、
さらにAさんがまずかったのは、
B社との取引について、
先に商品を納品し、
代金は全額後払いにしていた
という点です。
まだよくわからない新規の取引先との
取引で、代金全額を後払いにするというのは、
リスクしかありません。
やはり、
リスクを避けるためには、
代金の一部を着手金や前受金の形で、
前払いでもらっておくことは重要です。
それと、
やはり新規の取引先との間でも
(いや、新規だからこそ)、
きちんと契約書は作っておくべきです。
代金不払いトラブルのよくある
原因の1つとして、
代金額や支払期限があいまいに
なっていてはっきりしない、
ということがあります。
支払いが苦しくなった会社は、
よくそうしたあいまいな契約内容を
盾にとって支払いを拒否したり、
遅らせたりということが
あったりします。
そうした余計なトラブルを
避けるためにも、
面倒でも契約書は作るように
しておきましょう。
お金がかかってしまう方法では
ありますが、
新規の取引先について、
民間信用情報機関に調査を依頼
するという方法があります。
帝国データバンクとか、
東京商工リサーチ等
いろいろあります。
調査を依頼すると、
その会社の取引先や売上・
決算等の推移、資産、経営者の略歴等
のレポートを得ることができます。
その結果、
信用上問題のある会社とか、
詐欺的な会社などを察知できたり、そ
の会社の取引銀行や主要取引先を
把握できる場合もあります。
これもあくまで、
相手方に協力を求めることが
できれば、の話ですが、
相手方に決算書(貸借対照表・損益計算書)
等の資料の提出を求めるという
方法があります。
もし相手方の決算書が入手できれば、
相手方の資産状況(貸借対照表)や、
会社の業績(損益計算書)等が
わかりますので、
不払いトラブルを予防するかなりの
リスクヘッジにはなります。
そんなわけで、
ポイント6と7は現実的にはちょっと
難しい面もあるかも知れませんが、
ポイント1〜5までは、その気になれば
誰でもできる!
です。
Aさんのように、
多額の不払いにあって泣かない
ためにも、できることは
やっておきたいですね!
最新動画
今回は、取引の相手方から契約書を示された、という場合に、必ず内容のリーガルチェックをしてから調印しないととても危険です、というテーマでお話しています。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。