「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【チャットGPTで判決】法律知識があれば、簡単に答えが出るのか?

裁判

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法律知識があれば、

現実のトラブルを解決できるのか?

 

 

法律知識を搭載したAIに、

裁判を任せることができるのか?

 

 

今日はそんなテーマで

お話ししています(^ ^)

 

 

 

(法律知識があれば、「自動販売機」のように簡単に答えが出る?)

 

<毎日更新643日目>

裁判官がチャットGPTで判決書いちゃった?

先日、

海外でついにロボット弁護士が

法廷に立つかも?

という衝撃ニュースがあり、

このブログでも取り上げてみました。

 

【ついにロボット弁護士登場】ライバルはロボットなのか?

 

またまた最近、

同じく衝撃的なニュースが

飛び込んできました。

 

 

コロンビアで、

なんと裁判官が「チャットGPT」を

判決を書く際に利用したという

ことで、波紋を広げているようです。

 

 

 

この裁判は、

自閉症の子どもを持つ親が、

保健医療サービス企業に対して、

治療の自己負担金や手数料などの

免除を要請したというものです。

 

 

裁判官がこの案件の判決を書く際に、

チャットGPTに

 自閉症の未成年の治療で、手数料は免除されるべきか?

 手数料は医療サービスを受ける障害となるか?

などと質問したそうです。

 

 

チャットGPTはそれに対して、

法令などの論拠を挙げて、

 Yes!

と回答したとか。

 

 

う〜ん、もし本当だとしたら、

もはや裁判官いらなくないですか???

 

 

ちなみに、この件では、

とある弁護士がこの裁判官と同じ

質問をチャットGPTにしたところ、

別の結論が出たとの話もあるようです。

 

 

 チャットGPTは正しくない返答をすることもよくあり、真実と虚構を見分けられない

といったような意見も出ているようですね。

 

 

いろいろと考えさせられるニュースです。

 

 

人工知能(AI)を組み込み利用者の質問に

自動で答えるツール「チャットGPT」

 

 

果たしてこの「チャットGPT」を

裁判に利用できるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

「自動販売機」のように簡単に答えが出るか?

私が大学生だった頃、

まともに勉強してません

でしたので、恥ずかしながら、

裁判とか法律などというもの

について、次のようなイメージを

持っていました。

 

 

すなわち、

法律という知識さえ覚えれば、

それを事案に当てはめれば、

まるで自動販売機にコインを

入れればジュースが出るように

簡単に答えが出ると。

 

 

これって、よく聞かれる

 司法試験に受かるためには、六法全書全部暗記しなければいけないの?

という質問と同じ発想ですね。

 

 

別に六法全書など暗記する

必要はありません。

 

 

というか、残念ながら、

六法全書を暗記したからといって、

それを事実に当てはめてもそう簡単に

答えが出るものではありません。

 

 

法律というものは、

何も自然法則でもなんでもない、

人間が作るものです。

 

 

その時代、

その地域の人間が、

最もベストだと思って

作ったものが、

その時できた法律です。

 

 

しかし、

時代が進展するにつれて、

必ずその法律を作った時に

想定できない事態というものが

発生するものです。

 

 

わかりやすい例で言えば、

刑法という法律では殺人罪

の定めがあって、

刑法199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。 

と規定されています。

 

 

一見これは簡単なように見えます。

 

 

人を殺せば、

死刑又は無期、

あるいは5年以上の懲役刑に

処せられる、当たり前のことを

定めているように見えます。

 

 

殺人罪が成立するためには、

人(被害者)が死亡する

という結果が必要です。

 

 

死亡しないで生き残っていれば、

それは殺人未遂罪となって、

受ける刑罰も違ってきます。

 

 

それでは、

いったい「人の死」とは何なのか?

 

 

今の刑法が最初にできたのは明治時代

ですが、その頃には想定できなかった

事態が生じます。

 

 

そうです、

 「脳死」は人の死か?

という問題です。

 

 

脳死が人の死ならば殺人罪、

死でないのであれば、

殺人未遂罪で結果は

まったく違ってきます。

 

 

まさに、

法律が作られた当時には想定

できなかったことが、

その後の時代の進展や医療技術の

発達によって、新たな問題が

生じてくるわけです。

 

 

その度に法律を改正すれば良いのかも

知れませんが、ご承知のとおり、

法律の改正というのもそう簡単に

スピーディーにできるものではありません。

 

 

そこで、

現実に法律を適用して結論を

出さなければならない裁判官は、

必ず「法の解釈」という作業が

必要となります。

 

 

こんな風に、

いくら法律知識があっても、

それだけでは裁判では簡単に

答えが出るものではありません。

 

 

法律が適用される人間社会

というものは複雑です。

 

 

しかも、法律というのは、

自然法則や絶対法則ではなく、

あくまでその時代、

その地域の価値観を反映したものに

過ぎません。

 

 

だから、

法の解釈だって、

時代や地域によって違ってくる

ことは十分にあります。

 

 

そんなわけで、

やはり裁判というものは、

まだまだAIに完全に任せるのは

難しいでしょう。

 

 

チャットGTPにお願いして

機械的に解決、というわけには

行かなそうです。

 

 

現実のトラブルを、

生身の人間が法律を使って解決

しなければならない。

 

 

つまり、法律知識を使って、

その時代、その地域に最も適合

するように、生身の人間が

人とコミュニケーションをとりながら

解決していく必要があるのですね。

 

 

また、

法律知識があるからといって、

簡単には解決しないところが、

人間社会のおもしろいところ

でもあります。

 

 

法律家の仕事というのは、

本来そういったドロ臭い、

人間臭い仕事なんです。

 

 

そんなわけで、

私も法律知識だけではなく、

そうした泥臭さや人間臭さを

忘れないで仕事をしなければ、

と思った次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

 まだチャットGPTに裁判を任せるのはムリそう!

ということです。

 

 

法律は理屈の世界ですが、

現実の人間社会は必ずしも

「理屈」では動きません。

 

 

そんな複雑怪奇な人間社会の

トラブルを、法律というツールを

使って解決する。

 

 

そう考えると、

弁護士という仕事もやりがいがありますね。

 

 

まぁ、大変ですけど😅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、取引の相手方から契約書を示された、という場合に、必ず内容のリーガルチェックをしてから調印しないととても危険です、というテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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