顧客からの悪質な嫌がらせや
暴言などを意味する
「カスハラ」
会社がこの「カスハラ」対策を
せずに放置していると、
社員に対する安全配慮義務違反
という法的な責任を問われる
可能性があります。
(今日の「棒人間」 カスハラ相談窓口は大切??)
<毎日更新854日目>
目次
先日、
私の知り合いの社長さんから、
「カスタマーハラスメント」
に関するご質問を
いただきました。
「カスタマーハラスメント」とは、
顧客からのひどい苦情や
暴言などをを意味する言葉で、
「カスハラ」と略されます。
この「カスハラ」をする
悪質なクレーマーや顧客に対して、
どのように対処したら良いの?
というテーマで、
以前ブログを書きました。
「カスハラ」を撃退するための
対策としては、
これで良いのですが、
他方で、
顧客から「カスハラ」を受けた
会社の社員のフォローを
どうするか?
という問題があります。
と言うのは、
「カスハラ」を受けた
社員の中には、
などなどの症状が
出るケースがあり、
中にはうつ病等の精神疾患を
患うケースもあります。
この点、
労働契約法第5条では、
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする
と規定されています。
これはいわゆる、
会社の社員に対する
「安全配慮義務」を
定めたものです。
つまり、
会社には、
社員の職場環境について、
その社員の生命や身体等の安全が
脅かされることのないよう、
一定の配慮をする
法律上の義務が課されて
いるのです。
もし会社がこの
「安全配慮義務」に違反して、
社員の生命や身体に
被害が生じた場合、
会社はその社員に対する
損害賠償の義務が発生します。
この点、
もし社員が悪質なクレーマーなどから
「カスハラ」を受けた場合、
これを放置していると、
これも会社の
安全配慮義務違反となり、
法的責任を問われることに
なりかねないわけです。
さて、
冒頭の社長さんのご質問は、
というものでした。
実は、
私はこの社長さんとは、
大変仲良くさせていただいており、
法人専門の保険代理店を営む傍ら、
スタートアップ企業の
創業融資コンサルタントの
お仕事もされています。
最近、
このようなKindleブックも
出版されました。
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さてさて、
話を戻しまして、
自社の社員を「カスハラ」から守り、
会社が安全配慮義務を
全うするためには、
具体的にどのような対策が
必要なのでしょうか?
ここでは、
主に次の5つの対策
についてお話しします。
このようなケースでは、
まず会社が「カスハラ」に対して、
どのようなスタンスでのぞむのか
という姿勢が問われます。
悪質なクレーマーや
「カスハラ」に対しては、
あくまで会社として毅然とした
対応をとる、
という「基本方針」を
明確化することが大切です。
その「基本方針」としては、
例えば次のようなものがあります。
そして、
この「基本方針」を社内で
周知徹底し、
社員にもよく理解して
もらっておくことが
重要です。
次に、
実際に社員が「カスハラ」の
被害を受けた際に、
それを社内で相談できる
窓口を設置するなど、
相談体制を整備することが
求められます。
とはいえ、
中小零細企業の場合には、
「カスハラ相談室」のような
新たな部署を社内に
設置することは困難な場合が
少なくないでしょう。
ですから、
社員からの「カスハラの相談」に
対応する責任者を
きちんと決めた上で、
これも社内に周知させる
ことが大切です。
いずれにしても、
「カスハラ」を受けた
社員を孤立させることなく、
こうした情報を速やかに
社内で共有し、
「組織的」に対応することが
求められます。
実際に、
社員が「カスハラ」の被害を
受けたときに、
具体的にどのように対応すべきか
ということについて、
あらかじめきちんと
「マニュアル」の形で
定めておくことが必要です。
たとえば、
暴言を吐いた場合は録音するとか、
社員を威嚇するような
言動があった際には、
必ず複数で対応するとか、
より権限が上位の社員が
対応を代わるとか、
暴力行為や店舗内に
居座るような場合には、
警察に連絡する
などといったことです。
こうした「マニュアル」を
きちんと定め、
これも社員に周知して
おくべきです。
現場で「カスハラ」に
対応する社員も、
こうした具体的な「マニュアル」に
沿って行動すれば良い、
ということで、
随分と精神的にも
楽になります。
上記の1〜3の対策の
実効性を高めるために、
やはり社内で「カスハラ」対策や
マニュアル等について、
社員を対象にした研修を
行うことが効果的です。
そうした研修の中で、
対策1の「カスハラ」に対する
会社の「基本方針」の共有化
を行います。
そして、
対策2の、
会社は「カスハラ」に対して
組織的に対応すること、
そのために相談窓口
(ないしは相談責任者)
を設置することも
共有します。
さらに、
対策3の、
「カスハラ」対策の「マニュアル」の
内容についてもしっかりと
共有化します。
その上で、
実際に「カスハラ」被害に
遭った場合を想定して、
ロールプレイ研修も
やっておくことを
お勧めします。
やはり、
社内だけですべてを
対応することが難しい
ケースもあります。
このようなケースでは、
弁護士など、
社外の専門家と連携する
という方法もあります。
とても社内だけでは手に負えない、
というような悪質クレーマー
のケースなどでは、
弁護士に正式に依頼して、
こうしたクレーマーとの
交渉窓口になってもらう
ことができます。
いわば、
外部の弁護士にこうした
クレーマーとの交渉を
依頼することで、
現場の社員さんもかなり
「カスハラ」対応の
ストレスから解放されます。
また、
上記の対策4で述べた
「社内研修」についても、
専門の弁護士に依頼することも
できます。
こうした「カスハラ」対策に、
もう一段効果的な方法として、
弁護士と顧問契約を結んで、
この「顧問弁護士」を
活用するというものが
あります。
顧問契約というのは、
毎月一定額の「顧問料」を
支払うことで、
弁護士からさまざまな
サービスを受けることができる、
というものです。
この顧問弁護士サービスの1つに、
「顧問弁護士の表示」
というものがあります。
これは、
たとえば、
自社のホームページなどに、
などと表示をする
というものです。
こうした表示があると、
これがいわば「お守り」
のような効果を発揮して、
そもそも「カスハラ」被害に
遭いにくくなるという
可能性があります。
さらに、
実際に「カスハラ」被害を
受けた場合、
すぐに顧問弁護士に連絡して、
その状況に応じた具体的な対策
についてアドバイスを求める
ことができます。
また、
手に負えない場合には、
上記で述べたように、
顧問弁護士に前面に
出てもらって、
クレーマーとの交渉窓口
になってもらうことも
できます。
そして、
これも上記で述べたように、
「カスハラ対策」の社内研修も、
顧問弁護士に依頼
することができます。
普段から付き合いのある
顧問弁護士であれば、
社内の実情もよくわかって
いますので、
その会社の実情に応じた研修や
対策を依頼することも
できるわけです。
いずれにしても、
冒頭で述べたとおり、
「カスハラ」被害を放置すると、
社員に対する
安全配慮義務違反の責任に
問われる可能性があります。
そして、
最悪の場合は、
「カスハラ」被害がきっかけとなり、
社員との間でトラブルに発展して、
「裁判沙汰」におちいる
危険もあります。
この点、
私のミッションは、
というもの。
社員との「裁判沙汰」を
避けるためにも、
会社が本腰を入れた
「カスハラ」対策をす
ることが求められます。
そして、
弁護士と顧問契約を結んで、
常日頃から「カスハラ」被害の
対策を講じておくことは、
社員さんに対する
「安全配慮義務」を
全うするためにも、
大切だと思いますね。
それでは、
また。
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今回は、休日に上司から仕事のLINE、これは労働時間?というテーマでお話ししています。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。