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渋谷の弁護士吉田悌一郎

内定者が酔っ払って暴言? 内定取消しできるか??

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内定者の歓迎会で、

内定者が酔っ払って暴言。

 

 

それを理由に、

会社が行った内定取消しは、

果たして有効でしょうか?

 

 

 

(今日の「棒人間」 酔っ払っても酒のせいにしてはダメ?)

 

<毎日更新889日目>

内定者が酔っ払って暴言で、内定取り消し?

確かに、失礼があったのは謝りますよ。
でも、あれはしこたま酒によってたんですよ〜。
それで内定取消しはひどいじゃないですか!

お酒で人生が狂ってしまう、

という話を時々耳にします。

 

 

ある会社で実際に起こった

内定取消し事件。

 

 

この会社への入社が内定

していたある30代の男性。

 

 

この男性の勤務開始に先立って、

支店長や同僚らが開いて

くれた歓迎会で、

この男性は不覚にも

酔っ払ってしまいました。

 

 

この男性、

1次会でビールやハイボール

を7〜8杯、

2次会はスナックへ行き、

その途中で記憶がなくなり、

3次会に行った記憶は

まったくないそうです。

 

 

えらく盛り上がったのか

どうか知りませんが、

この男性、

途中で泥酔してしまった

ようです。

 

 

それだけではなく、

上司の名前を呼び捨てで連呼したり、

ある社員のことを

「反社会的な人間に見える」

と言ってみたり、

会社への入社理由を

「ついでに受けただけ」

と言ってみたり、

もう言いたい放題。

 

 

数日後、

この男性社員の元に、

会社から1通の封書が

届いたそうです。

 

 

開けてみると、

 社内ルール・コンプライアンス遵守を著しく軽んじる発言

社会人としての礼節を欠いた著しく不適切な言動

などを理由に、

内定を取り消すとの書面が

入っていました。

 

 

酒の席での言動を理由に内定を

取り消されたこの男性、

納得が行かなかったようで、

 正常な意識下での発言ではなかった

として、

内定取消しの無効を求めて

裁判を起こしたのです。

 

 

 

 

 

内定取消しが許される場合とは?

 

ここで、

まず「内定」というものを、

法律的に分析してみます。

 

 

そもそも、

「契約」というものは、

一定の例外を除いて、

「申し込み」の意思表示と、

「承諾」の意思表示が合致

したときに成立します。

 

この点、

新規で社員を雇うとき、

会社は新規採用者の募集を

出したりします。

 

 

この募集に対して、

入社希望者がこれに

「応募」する行為は、

法律的には労働契約(雇用契約)締結

の「申し込み」にあたります。

 

 

この「応募」に対して、

会社が社内の選考を得た上で、

内定の通知を行うことは、

上記の「申し込み」に対する

「承諾」となります。

 

 

そして、

会社が「内定通知」を行うことで、

入社予定日までに

採用内定取消事由が

生じた場合には、

解約できる旨の

留保権がついた労働契約(雇用契約)

が成立したことになります。

 

 

ですから、

いったん内定通知を出した以上、

会社の一方的な都合でもって、

この内定を取り消すことは

できなくなります。

 

 

というのは、

上記のように、

「内定」の通知によって、

すでに労働契約(雇用契約)

成立してしまっています。

 

 

ですから、

会社がその「内定」を

取り消す行為は、

労働契約の一方的解約、

つまり一種の「解雇」

となってしまうからです。

 

 

ただ、

まだ「内定」の段階ですので、

通常の社員の「解雇」ほど厳しい

ハードルがあるわけではありません。

 

 

この点、

裁判例では、

採用内定の取消しが

認められるのは、

「採用内定当時知ることができず,また知ることが期待できない」事実が後に判明し,しかも,それにより採用内定を取り消すことが「客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認できる」

場合に限られる、

とされています。
 

上記で内定取消しされた

男性が訴えた裁判では、

この男性の酒席での発言は、

 職場の秩序を乱す悪質な言動

だとして、

重く見ました。

 

 

そして、

会社側がこの男性の

 社会人としての礼節などの欠如を、内定段階では知り得なかった

として、

会社が行った内定取消しは

有効だと判断しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

酒のせいにするな?

この点、

この男性は、

裁判において、

あれは酒の席で酔っ払って

やってしまったことで、

正常な意識下での発言ではなかった

と主張しました。

 

 

これに対して、

判決では、

飲酒はこの男性の一連の失態を

正当化する理由にはならない、

と厳しく退けました。

 

 

判決では、

飲酒の影響によって、

この男性が

 気が大きくなっていたことは否定できない

としつつも、

 営業職では、会食の場でもコミュニケーション能力が求められ、飲み会でこのような言動に及んだこと自体が問題だ

と指摘しています。

 

 

まあ、

妥当な結論なのかな〜と

思いますね。

 

 

日本では、

 酒の席では無礼講

なんて、

変な言葉がありますが、

あれはほぼ嘘ですね。

 

 

酒の席だろうがなんだろうが、

礼儀を欠いた言動は嫌われます。

 

 

言動の内容によっては、

信用をなくしてしまうことも

十分にあり得ます。

 

 

それにしても、

この男性、

面接の段階では好印象で内定が

決まったそうですが、

酒の席で奇しくも

本性がバレてしまった、

と言えるようです。

 

 

この歓迎会に同席した別の社員は、

後で、

このような人が入社してこなくて、本当に良かったと安堵している

と述べていたそうです。

 

 

それにしても、

やはり面接だけで人の本性を

見抜くというのは大変難しい、

ということですね。

 

 

本性を見抜くことができずに、

本採用してしまったら大変です。

 

 

人間関係が密な

中小零細企業だったら、

尚さらでしょう。

 

 

人の採用の難しさを改めて

感じた事件ですね。

 

 

あと、

この男性、

失敗したのを酒のせいに

している時点で、

ダメですね。

 

 

私も酒好きですが、

失敗しても酒のせいに

してはいけません。

 

 

あくまで、

自分が悪いのです。

 

 

これだけは、

自戒の念を込めて、

言っておきたいと

思います(笑)

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

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昨日は、三連休の最後でしたが、事務所で仕事。
夜は、家族で近所に新しくできた和食の店に食べに行きました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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