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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【ステルスマーケティング】Googleマップの口コミがステマになる場合とは?

景品表示法

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うちの商品

少し割引するので

 

 

Googleマップの口コミに

高評価を投稿してほしい。

 

 

こんな依頼をすると

ステルスマーケティングということで

規制を受ける可能性があります。

 

 

(今日の「棒人間」 「高評価」を依頼する??)

 

<毎日更新1134日目>

高評価口コミで注射割引、ステマ規制で初の行政処分

今回のうちの商品、割引しておきますので、Googleマップの口コミに高評価、お願いしますよ!

消費者に特定の商品やサービスについて

宣伝と気づかれないように商品を宣伝したり

商品に関する口コミを発信する行為を

 

 

「ステルスマーケティング」(ステマ)

と言います。

 

 

昨年10月

このステマが景品表示法という

法律によって規制されることになりました。

 

 

ステマを放置した場合

景品表示法の「優良誤認」と言って

 

 

一般消費者に

実際の商品やサービスよりも

 

 

良いものだという印象を不当に

抱かせる恐れがあるから

と言われています。

 

 

先日

このステマ規制がされて以来

 

 

初めての規制違反で医療法人が

行政処分を受けた

という報道がありました。

 

ステマで初の取りやめ命令、医療法人がグーグルマップ「星五つ」投稿させる…予防接種550円割引き

 

 

 

東京都大田区にある医療法人「祐真会」で

インフルエンザワクチンの接種費用を

550円割引する代わりに

 

 

Googleマップでの病院に関する

口コミに高い評価を書き込む

よう依頼したとのことです。

 

 

これが

ステマに当たるということで

 

 

消費者庁は

この医療法人に対して措置命令を

出したとのことです。

 

 

報道によると

この祐真会が運営する

「マチノマ大森内科クリニック」で

 

 

ワクチン接種のために来院した人に対して

Googleマップの病院評価投稿欄で

星5つか4つの投稿をすることを条件に

 

 

接種費用から550円を割り引く

ことを受付で伝えたとのこと。

 

 

そして

投稿した場合はその場で内容を確認した上

 

 

摂取した後に費用を割り

引いていたとのことです。

 

 

消費者庁が今回ステマと

認定した口コミは合計45件

すべてが星5つと投稿されていたとのことです。

 

 

景品表示法のステマ規制

確かに

クリニック、飲食店、美容院

などの店舗ビジネスでは

 

 

Googleマップの口コミの評価が

非常に重要な意味を持っています。

 

 

良い口コミを投稿してもらうために

割引などを行うというのは

気持ちとしてはわかりますがね。

 

 

ステマが法律によって

規制されるようになったのは

上記のとおりですが

 

 

具体的にどんなものが

「ステマ」として規制される

のでしょうか?

 

 

この点

景品表示法に基づく内閣府の告示では

規制されるべきステマの表示として

事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該(事業者の)表示であることを判別することが困難であると認められるもの

という基準を立てています。

 

 

まず、事業者が

自分の商品やサービスの取引について

行う表示であることが必要です。

 

 

そして

「事業者の表示」とは

 

 

自分が作成して表示する

場合だけではなく

 

 

第三者に作成を依頼・指示

する場合であっても

「事業者の表示」となる場合があります。

 

 

ただし

事業者が第三者の表示に

関与したとしても

 

 

客観的な状況に基づき

第三者の自主的な意思による

表示内容と認められる場合には

 

 

事業者の表示とはなりません。

 

 

第三者の自主的な意思による

表示と認められるかどうかは

① 事業者と第三者の間の表示内容に関する情報のやり取りの有無
② 表示内容に関する依頼・指示の有無
③ 事業者から第三者への対価の提供の有無
④ 事業者と第三者の関係性(表示内容の決定に関与できる程度の関係があるのか)

などを踏まえて

総合的に判断するとされています。

 

 

 

 

 

Googleの口コミが「ステマ」となる場合とは?

ところで

そうすると

 

 

Googleの口コミに投稿を

依頼することがすべて

 

 

「ステマ」として規制されて

しまうのでしょうか?

 

 

上記の基準に当てはめますと

 

 

まず

「口コミに投稿して」と依頼

する行為(上記②)があれば

 

 

第三者の自主的な意思では

ないように見えます。

 

 

さらに

事業者から第三者への対価の提供の有無

例えば割引などがあれば

 

 

やはり第三者の自主的な

意思ではない方向に働きます。

 

 

その上

事業者が第三者の表示内容の

決定に関与できる関係なれば

 

 

やはり「ステマ」と評価

されやすくなるでしょう。

 

 

この点

上記の医療法人の事例では

 

 

ワクチン摂取費用を割引する代わりに

病院の口コミに高い評価を

書き込むよう依頼しています。

 

 

その上

高評価の口コミ投稿したのを

その場で確認した上で

 

 

摂取費用を割引していたのですから

クリニック側が利用者の投稿内容の

決定にかなり関与していたと言えます。

 

 

そこで

今回のクリニックの行為は

 

 

上記の「ステマ」の基準に

当てはまると言えるでしょう。

 

 

ただ、例えば、単に

割引するので、後でうちのGoogleマップの口コミに感想などを投稿して下さい

と依頼する場合はどうでしょうか?

 

 

ビジネスをしていて

こういうケースは結構

多いのではないかと思います。

 

 

この場合は

単に口コミへの「投稿」を

依頼しているだけで

 

 

高評価など

一般消費者が誤認するような内容の

投稿を依頼しているわけではありません。

 

 

こうしたケースであれば

利用者が後に「高評価」の

投稿をしたとしても

 

 

それは自らの意思で行なった

ものと判断されますので

「ステマ」には当たりません。

 

 

「割引します」と言って

いる点はどうでしょうか?

 

 

これも

あくまで投稿のみで

 

 

「高評価」の依頼をしていない以上

投稿内容に関する対価とは言えないので

「ステマ」とは言えません。

 

 

そこで

単に割引をするのでGoogleの

口コミに感想を書いて欲しい

 

 

と依頼するだけでは

「ステマ」は成立しないと考えます。

 

 

問題となるのは

 

 

事業者が「高評価をつけて」

「星5つをつけて」などと

その投稿内容に関与する場合です。

 

 

そんなわけで

店舗ビジネスをされる方は

 

 

Googleでの口コミの高評価の依頼が

「ステマ」となってしまう可能性がありますので

注意が必要です。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、「【相続人に対する売渡請求】株式の相続人から株を買い取る方法」というテーマでお話ししています。

 

 

 

活動ダイジェスト

 昨日は、午前中は自宅で仕事、午後は事務所で仕事で、新規のお客様の法律相談や、オンライン会議などでした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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