他社の掲載したインタビュー記事を
自社の雑誌に無断で「流用」
これは
著作権侵害になる可能性が高いでしょう。
(今日の「棒人間」 パクられた、と抗議する人)
<毎日更新1260日目>
私は結構アウトドアーが好きで
今もよく家族でキャンプに行きます。
学生時代は
自転車にテントを積んで北海道を
まわる貧乏旅行もやっていました。
そんな
アウトドアーをちょっとでも
かじっている人間には有名な
あの「山と渓谷」というアウトドアー雑誌。
私のようななんちゃってアウトドアー人間よりも
もっと真面目に登山とかを極める
人が愛読している雑誌です。
なので
私もあまり読んだことはないですが
やはり「山と渓谷」
すなわち「ヤマケイ」と言えば
なんとなくアウトドアー人間の端くれとしては
敬意を持っていたわけです。
ところが
その「ヤマケイ」の系列雑誌で
なんと記事の盗用があったとかで
謝罪する騒ぎになっている
というニュースがありました。
報道によると
山と渓谷社が発行しているクライミング専門誌の
「ROCK&SNOW」105号で
6月に亡くなったプロクライマーの
倉上慶大さんの追悼記事を企画。
ところが
その掲載記事の中で
文藝春秋の「Number Web」
というサイトに掲載された倉上さんへの
インタビュー記事の文章を流用したとのことです。
これが
文藝春秋社の指摘で発覚し
山と渓谷社は
「読者の皆さまの信頼を損ねることとなり
深くおわびを申し上げます」と
謝罪したとのことです。
ここで
他社の掲載した記事を自社の
雑誌記事に流用した場合
法律的には何が問題となるでしょうか?
これは
一般的には著作権侵害の
問題とされています。
「著作権」というのは
簡単に言えば
「著作物」を創作した人(著作権者)に与えられる、自分が創作した著作物を無断でコピーされたり、インターネット上で利用されない権利
のことを言います。
そして
「著作物」というのは
思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(著作権法2条1項1号)
を言うとされています。
具体的なイメージとしては
小説、音楽、絵画、写真、映画
などが浮かぶと思います。
雑誌のWEBサイト上の記事も
やはり
思想又は感情を創作的に表現したもの
ですので
いわゆる「著作物」にあたる
ということになります。
そして
著作権侵害とは
他人の著作物を著作者の
承諾を得ないで無断で
利用することを言います。
上記の例で
「Number Web」のサイトに
掲載されたインタビュー記事は
文藝春秋社が著作権を持っています。
その著作者の承諾を得ずに
その記事を自社の雑誌記事に「流用」する行為は
著作権侵害にあたるということになるわけです。
著作者は
著作権を侵害した人に対して
その差し止めや損害賠償の請求を
することができます。
しかし
山と渓谷社のように
その世界では一定の権威のある雑誌社が
他社の記事の「流用」などを
やってしまうというのは驚きです。
長年
山にかけては一流の専門誌の地位を
守ってきた雑誌社であるだけに
安易なパクリは残念ですよね。
そこは
専門誌というプライドにかけて
オリジナルにこだわってほしかったです。
ただ
今の時代
インターネット上に情報があふれており
安易にその記事をパクって
自分の情報発信に使ってしまう
ということは起きがちではあります。
しかし
安易に他人の記事をパクると
上記のとおり著作権侵害となり
最悪は「裁判沙汰」に陥る
危険もあります。
また
法律的な問題はさておき
いやしくも情報発信をする身として
やはり他人のコンテンツを安易にパクる
のはいかがなものでしょうか。
私も大した発信はできていませんが
やはりそこはプライドを
持っていきたいものです。
それでは
また。
◼️ 11/9 カスハラ被害から会社を守る〜工務店社長のためのカスタマーハラスメント攻略セミナー
◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール
◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)
◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス
◾️【無料】セルフマガジン『裁判しないで解決する方法』の無料送付
◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)
最新動画
今回は、「労働審判は会社に不利?中小企業が知っておくべきメリットと対策」というテーマでお話ししています。
活動ダイジェスト
住所 | 150-0031 東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階 マップを見る |
---|---|
受付時間 | 【平日】9:30〜18:00 【土曜日】9:30〜12:00 |
Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。