タバコの匂いというものは
煙だけではなく
人の髪の毛や衣服
口臭などに残るものです。
「職場の上司が
タバコ臭くて気持ちが悪い」
こうした社員からの申し出があった場合
会社としてはどう対処すべきでしょうか?
(今日の「棒人間」 タバコの匂いをまき散らす人)
<毎日更新1331日目>
隣の上司がいつもタバコ臭くて、午前中気持ち悪くなっちゃった。。。
え〜、それは嫌ね。
先日
事務所の近くのお店で
ひとりランチをしていると
隣の会社員とおぼしき女性二人の
会話が聞こえてきました。
なんでも
この女性の隣の席に
座っている上司が喫煙者で
いつもタバコ臭くて
仕事中に気持ちが悪くなる
とのことでした。
もちろん
その上司も
いまどきオフィスの中でタバコを
吸っているというわけではないでしょう。
しかし
どこか喫煙所でタバコを吸って
戻ってきた人というのは
やはりタバコ臭いので
周囲の人はすぐにわかります。
敏感な人だったら
気持ち悪くなって
しまうかも知れませんね。
今ではタバコを吸わない私も
実を言うとかつては
「喫煙者」でした。
それも
1日2箱くらい吸う
結構なヘビースモーカー。
これだけ吸ってると
朝起きると激しく
咳き込むようになりました。
それで
「こりゃ
そろそろやめないとヤバいな」と思い
12年前に禁煙しました。
忘れもしない
やめたのは2012年のちょうど今の時期
年末で
40歳になる手前の頃でした。
マコトに身勝手なもので
あれほどタバコを吸っていた私も
自分がやめてみると
今ではタバコの匂いは大嫌い(笑)
別に
タバコを吸っている人を
否定するつもりはありませんが
やはりタバコの煙や
匂いは苦手ですね。
かつて喫煙者だった私も
当時は周囲にこれだけの迷惑を
かけていたのかと思うと
ちょっといたたまれなくなります・・・。
さて
冒頭の事例ですが
職場に喫煙者の上司がいて
その人がいつもタバコ臭くて
社員の気分が悪くなる。
それにより
社員の体調が悪化したり
仕事の生産性が低下したり
することもありえます。
そんな
目の前で吸うならともかく
匂いくらいで大袈裟な
と思われる方も
いるかも知れません。
しかし
世の中には「三次喫煙」
という言葉もあります。
これは
タバコの火が消された後も
周囲に化学物質が残り
周りの人もそれを体内に
吸引してしまうことを言います。
実は
タバコの化学物質というのは
髪の毛や衣服などに付着し
長く残ることが
知られているそうです。
それを第三者が吸い込み
いわゆる「三次喫煙」と呼ばれる
現象が起こるわけです。
それからさらに
最近では「スメルハラスメント」
という言葉もあります。
これは
口臭やタバコの匂いなどで
周囲に不快感を与える
行為のことをさします。
最近では
職場で不快感を受ける要素の
1つである「悪臭」に関しても
一種の「ハラスメント」と認識
されるようになってきています。
こうした世相の背景もあり
やはり会社がこの問題を放置した場合には
問題が発生する可能性があります。
というのは
会社には
社員の職場環境に配慮し
社員の生命・身体等の安全を守るという
「安全配慮義務」というものがあります。
もし仮に
この社員が
上司のタバコの匂いが原因で
体調悪化に至った場合などは
会社はこの「安全配慮義務違反」の
法的責任に問われることが
あり得るわけです。
そんなわけですから
「たかがタバコの匂い」と軽く考えて
放置してしまうことは問題があるでしょう。
もしこの社員から
上司のタバコの匂いに関する
申告などがあった場合には
やはり会社としてはきちんと
対策を講じる必要があります。
とは言え
上記で述べた「三次喫煙」というのは
まだその具体的な健康被害が科学的に
解明されていない部分があります。
また
喫煙所など許容された場所で
タバコを吸う行為自体は
特に法律で禁止された行為でもなく
本来個人の自由に属する問題です。
ですから
この上司に
勤務時間中の喫煙自体を
禁止することまでは
行き過ぎであろうと考えます。
そこで
たとえば
この上司と
申し出を行った社員の机をそれぞれ
離れた位置に配置するなどの対策は
考えられるでしょう。
さらに
喫煙をする社員に対しては
喫煙後の手洗いやマウスウォッシュを
促すなどの対策も
必要であろうと思われます。
いずれにしても
タバコを吸う人と吸わない人との共存
これは極めて難しい問題です。
しかし
国がタバコを法律で
禁止していないわけですから
職場でもいろいろな工夫をしながら
その共存をはかるための方策を
考える必要がありそうですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。