「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

私の酒癖遍歴①

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<毎日更新1418日目>

 

酒を覚えたのは比較的早いが、本格的に飲み始めたのは、学生の頃だったと思う。

 

 

大学の近くに「M」という、チェーン店ではないが、学生対象の激安の焼き鳥屋があって、飲みに行くとなればいつもそこだった。

 

 

この店では、激安の焼き鳥のほかに、キムチやアスパラベーコン、ジャガバタベーコンなどといった激安メニューが並んでおり、これらを肴に、これまた悪酔い必至の激安二級酒を呑るのである。

 

 

しかし、いくら激安居酒屋とは言え、またいかに当時授業に出ずアルバイト(それも殆どがいわゆる肉体労働)にばかり明け暮れていたとは言え、毎回店で飲むのはやはり学生の懐には少々負荷がキツい。

 

 

この点、有難いことに、私の大学の隣は、都内有数の都立公園があった。

 

 

そして、毎年花見のシーズンには桜の花が咲き乱れる絶好の「お花見スポット」でもあった。

 

 

「お花見」とは実に都合の良いもので、公園に路上生活者よろしくレジャーシートを敷き、盛大に酒盛りを始めても誰にも咎められる心配はない。

 

 

しかも、酒肴の類も、すべて近くのコンビニエンスストアにて求める安酒、安肴の類だから、参加者全員から「会費」を徴収すれば、貧乏学生の懐にもグッと優しい。

 

 

だが、これに味をシメたアホ学生は質が悪い。

 

 

当然のことながら、花見のシーズンが終焉しても、花見の延長よろしく同公園での路上飲みは、厳寒期を除くほぼ1年中繰り広げられることになる。

 

 

思えば、このかつてはオリンピックの競技も行われたという「都内有数」の公園において、私自身も随分と醜態を晒したものだった。

 

 

アホのくせにして若くて体力だけは十分にあったこの時分は、確かに酒は強く、いくらでも飲めるという自負はあった。

 

 

しかし、私の場合は、いくら飲んでも酔わない、乱れないのそれではなく、飲めば飲むほどに酔っ払い、醜態を晒すという悪癖を余すところなく発揮していた。

 

 

もう50も過ぎた今思い返せば目を覆いたくなるほどに、酷い有様であった。

 

 

ただ、誤解を恐れずに言えば、こうした酔い方は私の本望ではなかった。

 

 

実は根がかなりの「見栄っ張り」に出来ている私は、もっとスマートな、格好の良い「酒飲み」になりたかった。

 

 

で、どんなのが格好の良い酒飲みなのかと言えば、それは飲み屋に一人で颯爽と現れて、スマートに飲んでサッと帰る、そんな男だ。

 

 

なので、長らく私は、一人きりで酒場に入って飲む「一人飲み」という奴に強い憧れめいたものを持っていた。

 

 

だがしかし、これまた根が非常に「小心」に出来ている私は、この「一人飲み」の敢行が容易ではなかった。

 

 

いや、20代の後半の頃に、一度だけ思い切ってとある焼き鳥屋の暖簾を一人で潜ってみたことがあったにはあった。

 

 

だがしかし、なんとはなしに居心地が悪いというか、気恥ずかしいというか、どうにもこうにも場違いな場所に紛れ込んでしまったような違和感が拭えず、這う這うの体でもって足早に「退散」を余儀なくされたものであった。

 

 

とは言え、歳を経るにつれて、上記の学生時代のようなバカ呑みはしなくなった代わりに、酒場での「一人飲み」への希求は抑え難い憧れとなっていった。

 

 

それでもって、一丁前に酒場でもって平気で「一人飲み」ができるようになったのは、30歳を少し過ぎた頃であったろうか。

 

 

最初は行きなれた安居酒屋のカウンターで一人背中を丸めて焼酎をチビチビ呑るなぞいう、格好良いかどうかはともかく、いっぱしの酒飲みぶった堂々たる「一人飲み」の格好だけは作ることができるようにはなっていた。

 

 

飲む酒にしても、学生時代のような安酒ではなく、焼酎とか、ウイスキーとか、ワインとか、それなりに「人並み」のものは飲めるようにもなった。

 

 

となれば、根がどこまでも調子に乗りやすい質にできている私は、居酒屋だけでは飽き足りず、その頃ちょうど少しばかり懐が暖かくもなってきていた時期であったことに勢いを得て、「バー」なぞにもちょくちょく一人で出入りするようになった。

 

 

で、一人で飲みに行って何をしていたのかと言えば、お店の店員さんと話をしたり、同じように一人で来ている常連客と話をしたりと、結構この頃の自分は「社交的」だったなぁと思い返すのである。

 

 

いや、「社交的」というのは仮装のことで、その実は酒の酔いに勢いづいただけのあくまでも表面上のことにしか過ぎなかったのだが。

 

 

ただ、格好つけるわけではないが、私は、いわゆる女性を目的とするその手の店には、少なくとも自分一人で積極的にというのは一度もなかった。

 

 

なんというか、根がとても「格好つけ」にできている私は、女性目的で鼻の下を伸ばして一人でノコノコとそんな店に出かける自分が何ともマヌケというか、醜悪な感じがして、受け付けなかったのである。

 

 

 

(つづく)
 

 

 

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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