
2026年度末までに
手形・小切手が廃止される方向ということで
話題になっています。
かつて多くの中小企業にとっての
重要な決済手段であった手形・小切手。
今後は電子媒体を用いた「でんさい」
という決済手段が奨励されいてます。
(今日の「棒人間」 壁に「手形」をつける人)
<毎日更新1421日目>
ごくろうさんでした。
支払いは「約束手形」でお支払いします。
はぁ〜。
支払期日は4ヶ月先ですが、ヨロ!
はぁ〜。
手形・小切手が将来的に廃止されるということで
話題になっています。
具体的には
2026年度末までに廃止の方向に
向けて動いているそうです。
手形・小切手でなんと言っても思い出されるのは
今から20数年前
私が司法試験受験生だった頃
受験科目の中に「手形・小切手法」
というものがありました。
手形や小切手というのは
言うまでもなく
現金に代わる決済の手段となるシステムです。
この手形や小切手をめぐる権利や法律関係
などを定めたのが「手形・小切手法」という法律。
何を隠そう
私はこの「手形・小切手法」
が大の苦手でして
ずいぶんとこの科目には
苦労させられたものでした。
それでもって
なんとか試験に受かって弁護士になってみると
もうその時代から手形や小切手は
あまり使われなくなっていましたね。
実際
私が弁護士として20年で
仕事上手形や小切手を扱ったのは
ほんの数えるほどしかありません。
あんなに苦労して勉強したのになぁ〜と思いつつ
やはり手形や小切手の時代は
終焉を迎えつつあったのですね。
とは言え
今でも手形取引をしている
中小企業は少なくありません。
手形というのは
当然「紙」媒体ですから
手形を振り出す方も
手形を受け取ってそれを現金化する方も
なにかと手間がかかります。
また
現金同様に
紙媒体のそれは
当然に紛失や盗難のリスクが
つきまといます。
さらに
約束手形で取引が行われる場合
手形の振り出しから支払いまでの期間が
3〜4ヶ月ほどかかることが多く
それまで手形の受領者は現金化
することができません。
つまり
取引などの報酬や代価が手形で支払われた場合
支払われた側
つまり手形の受領者にとって
大きな負担になります。
それどころか
その3〜4ヶ月の間に
手形を振り出した会社(発注者側)
の資金繰りなどが悪化し
倒産などした場合には
最悪手形を持っていても支払いを受けられない
(手形の不渡り)というリスクもあります。
そんなわけで
やはり約束手形というのは
それなりにリスクの高い決済システム
だったと言えるでしょう。
この手形・小切手の廃止に伴い
これから利用が奨励されているのが
電子債権取引(でんさい)というものです。
この「でんさい」というのは
株式会社全銀電子債権ネットワーク
(通称「でんさいネット」)が取り扱う
電子記録債権を言います。
簡単に言えば
これまで手形で行ってきたような
売掛や買掛の取引を
電子決済の形で行うというもの。
電子マネーの手形・小切手版
と言い換えても良いかも知れません。
このでんさいネットは
全国銀行協会が設立した電子債権記録機関であり
全国の金融機関が参加する電子記録債権で
取引する決済インフラです。
まず
たとえば売掛金債権などが発生すると
取引金融機関を通じて「でんさいネット」
の記録原簿に「発生記録」を行うことで
でんさいが発生します。
そして
支払期日になると
自動的に支払企業の口座から資金が引き落とされ
仕入先企業の口座へと振り込みが行われます。
「でんさいネット」は
支払いが完了すると「支払記録」を行い
これにより決済が完了するというシステムです。
このでんさいは
もちろん紙媒体ではなく
電子化された債権なので
手形のように紛失したり
盗難にあうリスクはありません。
また
手形のように現金化するまでの
手間や時間がかからず
支払期日になれば自動入金
されるので便利です。
また
手形の発行頻度が高い会社などでは
手形の用紙代や手形使用に必要な印紙代の
削減になるというメリットもあるようです。
今の時代
多くの紙媒体のものが電子媒体に
取って代わられようとしています。
手形取引が多かった中小企業などでも
その取引が大きく変わって行きそうですね。
それでは
今日のダジャレを1つ。
約束手形を見てひと言、「この約束、手堅いね!」
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。