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渋谷の弁護士吉田悌一郎

自主的に土下座して謝る、は「カスハラ」か?

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万博の来場者に警備員が土下座して謝罪。

 

 

強要はなかったようですが

自主的な土下座だったとしても

「カスハラ」になり得ます。

 

 

大切なことは

会社としてきちんと組織的に

対応することです。

 

 

(今日の「棒人間」 自主的な土下座??)

 

<毎日更新1476日目>

万博の来場者に警備員が土下座?

土下座して謝ります。

・・・・・むかっ (怒り)

やっぱり土下座します・・・。

 

 

少し前のことですが

大阪万博の会場入り口付近で

 

 

来場者の男性の前に

警備員がひざまずいて土下座をした

ということが物議をかもしていました。

 

警備員が来場者に土下座 万博協会と警備会社が会場警察隊に相談

 

 

報道によると

来場者に駐輪場の場所を聞かれた警備員が

駐輪場の場所をよく知らなかったため

 

 

地図に書かれた

「デジタルサイネージ」を案内。

 

 

男性の来場者は「なぜわからないのか」

などと言いつつデジタルサイネージに

向かったそうですが

 

 

再び戻ってきてこの

警備員に詰め寄ったとか。

 

 

そこで

警備員は身の危険を感じて

土下座をしたとのことです。

 

 

この警備員は

特に来場者から土下座を強要された

という事実はなかったようです。

 

 

 

 

 

 

「土下座しろ!」は犯罪?

 

強要されていないのに

大の大人が公衆の面前で

土下座をするというのも

 

 

随分と不可解な話ではあります。

 

 

この点

もしこの来場者が

 

 

警備員に土下座を強要したとすれば

刑法上の「強要罪」が成立する

可能性があります。

 

 

強要罪というのは

脅迫や暴行によって他人に義務のない

ことを行わせるという犯罪。

 

 

たとえば

顧客が店員に対して大声で

 土下座をして謝れ!!

と迫り

それによって店員が実際に

土下座をした場合には

 

 

この強要罪が成立し得る

というわけです。

 

 

 

さらに

強要罪というのは

 

 

「土下座」という結果が発生しなくても

「未遂」の段階でも犯罪は成立します。

 

 

「未遂」というのは

犯罪行為の一部に着手したものの

 

 

その犯罪行為の完成には

至らなかった場合を意味します。

 

 

たとえば

殺人未遂というのは

 

 

人を殺す行為

(たとえばナイフで人を刺すなど)

に着手したものの

 

 

人の死という殺人罪の結果発生には

至らなかった場合を指します。

 

 

この点

上記のように「土下座して謝れ!」

と怒鳴った時点で

 

 

強要罪という犯罪の一部の

実行に着手したと考えられる

場合もあります。

 

 

そのような場合は

実際に店員がそれに応じて

土下座をしなかったとしても

 

 

強要未遂罪という立派な

犯罪が成立する

ということです。

 

 

ですから

極端な話

 

 

「土下座して謝れ!」と怒鳴っただけで

強要未遂罪が成立し

処罰される可能性があるわけです。

 

 

 

 

 

 

 

自主的な土下座でもカスハラにあたる??

 

冒頭の事例で

果たして来場者が警備員に対して

 

 

「土下座しろ」と言ったのかどうかは

わかりません。

 

 

しかし

仮に「土下座しろ」と言っていなくて

刑法上の強要罪が成立しなくても

 

 

「カスハラ」に該当する場合は

あり得ます。

 

 

カスハラというのは

 

① 顧客や取引先、施設利用者らが行う
② 言動が社会通念上相当な範囲を超える
③ 社員の就業環境が害される

の3つの要素を満たすもの

を言うとされています。

 

 

上記の事例で

警備員は「身の危険を感じて」

土下座をしたと言っています。

 

 

そうすると

やはりこの来場者の男性の態度に

異常なものがあった

 

 

「言動が社会通念上相当な範囲」を

超えていた可能性があります。

 

 

 

その場合には

たとえ自主的な土下座であっても

カスハラに該当することになります。

 

 

上記の事例では

この警備員を雇用している会社が

 

 

どのような態勢をとっていたか

定かではありません。

 

 

このブログでも何度かお伝えしているとおり

カスハラ対応はくれぐれも

現場任せにしてはいけません。

 

 

会社が組織的に対応しなければ

ならない問題です。

 

会社がカスハラ対策をしないと大きなリスクになる時代

 

 

ですから

今回の件も

 

 

決して「警備員が自主的に土下座した」で

済ませてしまってはいけません。

 

 

会社としてきちんと原因を分析し

従業員を守り

 

 

カスハラに対しては組織的に毅然とした

対応を行う必要があります。

 

 

考えてみれば

(たとえ強要でないにしろ)

公衆の面前で土下座をし

 

 

その姿がSNSなどで拡散されてしまった

その警備員の方のメンタルも心配です。

 

 

こうした事件をきっかけに

企業のカスハラ対策を

考えなければなりませんね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

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昨日は、速読のレッスンを川崎の教室で受講。速読を始めて1年以上になりますが、教室でのリアル受講は初めてでした。終了後はカレーパーティー、楽しかったです。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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