「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

「試用期間」の代わりに業務委託契約を使う、という方法について

業務委託契約

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最初から正社員として雇うのはリスクがある。

 

 

そこで一定期間「業務委託契約」を締結して

その後良い人なら正社員として「雇用契約」を

結ぶという方法がとられることがあります。

 

 

法的リスクの観点から見て

こうした方法は適切なのでしょうか?

 

(今日の「棒人間」 お試し期間で逃げる人??)

 

<毎日更新1499日目>

「試用期間」の代わりに業務委託契約を使うという方法

 

人の採用は大変に難しい。

 

 

いい人だと思って採用しても

その会社の仕事が合わなかったり

社内のメンバーと協調できなかったり。

 

 

社員数が少ない中小企業などでは

会社に合わない人が入ってきてしまうと

社内全体の雰囲気がギスギスしてしまう。

 

 

下手をすれば

会社全体の生産性にも悪影響を及ぼします。

 

 

かと言って

いったん正社員で雇った社員は

そう簡単に解雇することはできません。

 

 

はっきり言って

応募者の書いた履歴書を見たり

 

 

ほんの数分面接しただけでは

その人のことはほとんどわからないのが実態でしょう。

 

 

そこで以前

「試用期間」を使ったり

有期雇用契約をかませたりといった

 

 

いわゆる社員のお試し採用的な制度

についてこのブログでお話ししました。

 

【社員の採用】「試用期間」を定めて様子を見たい?

 

採用のお試し期間として「有期雇用契約」を使う方法

 

 

もう1つ

ときどき中小企業でとられている方法として

 

 

正社員として雇用する前に

一定期間「業務委託契約」を結ぶ

というやり方があります。

 

 

 

 

 

業務委託契約と雇用契約の違い

 

確かに

当初から「雇用契約」で社員を雇うよりも

 

 

「業務委託契約」の方が会社にとって

都合のよい部分があります。

 

 

「業務委託契約」であれば

「雇用契約」とは違い

期間中とでの契約解除もやりやすい。

 

 

ですから

とりあえず「業務委託契約」を結んでおいて

その間の働きぶりを見て

 

 

良さそうであればその後正社員として

正式に「雇用契約」を結ぶという

方法がとられます。

 

 

もしその人が会社に合わないとか

能力・適正などの点で雇いたくないと思えば

 

 

業務委託契約の期間満了をもって

その人との契約を終了にすることができます。

 

 

ただ

気をつけなければならないのは

 

 

こういう場合

往々にして「業務委託契約」

の形式はとりながら

 

 

実態は「雇用契約」と変わりがない

というケースが多いことです。

 

 

というのは

「業務委託契約」なのか

「雇用契約」なのかは

 

 

形式的な契約の名前や

契約書の名称で決まる

というわけではないのです。

 

 

あくまで会社との関係や

その人の働き方の実態を見て

判断されるということです。

 

 

もっと言えば

会社は「業務委託」のつもりでも

後々裁判などで、

これは「雇用契約」ですね!

と判断される場合がある

ということです。

 

 

 

 

 

業務委託のつもりが、雇用契約と認定されるリスク

それでは

いったいこの「業務委託契約」と

「雇用契約」の違いはなんでしょうか?

 

 

簡単に言えば

「業務委託契約」というのは

 

 

フリーランスのように会社には拘束されず

ある程度自由な裁量で仕事をする契約。

 

 

これに対し

「雇用契約」は

社員は会社に従属する立場にあり

 

 

勤怠管理を含めて

会社の業務命令や指揮監督を

受けることになります。

 

 

もっと詳しい「業務委託契約」と

「雇用契約」の違いについては

 

 

過去に書いたこちらの

ブログ記事を参考にして下さい。

 

【業務委託契約】「雇用契約」と判断されるリスクについて

 

 

両者の違いの要素をあげるとすれば

・仕事の依頼に対する拒否の自由があるかどうか

・時間的・場所的拘束の有無や、その強さ

・業務遂行に関する具体的な指揮監督の有無

・何に対して報酬が支払われるか

などなどを総合考慮して判断されます。

 

 

「業務委託契約」を用いれば

会社としては社会保険の加入義務もないし

契約解除もやりやすい。

 

 

しかし

法律の立場は

 

 

いわば「雇用契約」の厳しい規制を

逃れるために「業務委託契約」を

利用するという

 

 

いわば脱法行為は許されないというものです。

 

 

ですから

一種のお試し期間として

「業務委託契約」を用いる場合でも

 

 

働く人に一定の裁量を与えるなど

「業務委託」の実態に合うような

働き方をさせなければなりません。

 

 

そうでなければ

上記のように実態は「雇用」だと判断され

 

 

社会保険の加入義務や

解雇の厳しい規制といったものが

適用されることになってきます。

 

 

そう考えると

正社員を雇うための「お試し期間」

として業務委託契約を使うのは

 

 

あまりお勧めはできないですね。

 

 

 

 

 

 

それでは

今日のダジャレを1つ。

業務委託でお試しのつもりが、労働法で痛く突っ込まれる可能性が??

 

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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