
社員がプライベートな時間に
個人のSNSアカウント行った
投稿が思わず「炎上」
その社員のみならず
勤務先の会社が信用を失ったり
重大な損害を被るリスクがあります。
社員のSNS炎上リスクを予防するために
会社がとるべき方策とは?
(今日の「棒人間」 SNSで思わず炎上??)
<毎日更新1626日目>
仕事をしていると
日々いろいろなストレスが
たまることがあります。
仕事でたまったストレスを
どこかに吐き出して発散したい。
SNSに思いのたけをぶちまけたい。
京都地方裁判所の職員が
自身のXのアカウントで
などと書き込んで
問題になったとの
報道がありました。
報道によれば
この職員が投稿したその日に
京都地裁では
京都大職員への公務執行妨害などの疑いで
逮捕された男2人の勾留理由開示手続きが
あったそうです。
その手続きで
閉廷後
傍聴席で大声を上げるなどの
騒ぎがあったとみられています。
ずいぶんと大変な事件
だったことは想像できますが
それにしても
裁判所の職員がSNS上で
こんな書き込みをしていては
裁判所全体に対する信頼が
揺らいでしまいますよね。
ちょっと前提問題を整理しますと
社員がプライベートな時間で
自分の個人のアカウントを
利用してSNSの投稿をするのは
社員の自由です。
これは
社員の勤務時間外は社員が自由に過ごす
ことができるという労働法上の問題と
社員の表現の自由という憲法で
保障された問題も絡んできます。
とは言え
社員がいくらプライベートな時間で
個人のアカウントを利用したとしても
投稿する内容によっては
勤務先の会社に大きな被害を
もたらすことがあり得ます。
SNSは誰でも簡単に
インターネットを使って
全世界に情報を発信できます。
少し前のことになりますが
飲食店のアルバイト店員が
店内で悪ふざけしている
様子を写真や動画に撮影し
それをSNSに投稿して炎上
するような事件がありました。
SNSの拡散力や影響力の大きさを考えると
社員の個人のアカウントであるとはいえ
投稿内容によって会社は大きな損失を
被る可能性があります。
最悪のケースでは
店舗が閉鎖したり
会社が倒産に追い込まれる
こともあり得るわけです。
そこまで行かなくとも
会社が失った信頼を回復させるために
多大な労力を割くことを余儀なくされます。
会社としては
社員がSNSを悪用した場合に
予想もできないような損害を
受けるリスクがあるわけです。
そこで
会社としては
社員の個人のアカウントとはいえ
社員のSNS投稿になんらかの
制限をかけたい。
このような場合
どうしたら良いのでしょうか?
まず
上記のとおり
もともとプライベートな時間での
SNS投稿は社員の自由であり
表現の自由にも絡んできます。
ですから
およそ社員のSNS投稿の一切を
禁止することはできませんし
第一現実的ではないでしょう。
とは言え
社員は会社と雇用契約を結んでおり
プライベートな時間や投稿とはいえ
信義則上
自分の不注意で会社に損害を与えては
ならないという義務を負っています。
そこで
会社の中で
社員のSNSの利用に関するルールを作る。
いわば
社員がSNSを利用することを前提に
禁止すべき投稿の種類や
内容をあらかじめ定めておく
という方法があります。
この点
社員が守るべき社内のルールは
法律的には
基本的に「就業規則」という形で
定めておく必要があります。
その場合
「就業規則」の本体とは別で
社員のSNS利用に関するルールを
「ソーシャルメディア利用規程」
という形で定める
という方法があります。
この「ソーシャルメディア利用規程」というのは
社員がSNSを利用するにあたり
禁止すべき投稿の種類や内容を
ある程度具体的に定めたものです。
具体的に
どんな投稿の禁止を定めるべきかというと
まず
発信してはいけない「情報」があります。
たとえば
などです。
さらに
他人の権利を侵害するもので
たとえば
などがあります。
また
会社に損害を与えるようなもので
たとえば
などがあります。
「ソーシャルメディア利用規程」
でこれらの禁止行為を
定めておきます。
そして
もし社員がこの規程に違反した場合には
「就業規則」本体に定める懲戒処分に
処することを規定しておく
必要があります。
このような
「ソーシャルメディア利用規程」
を定めておくことは
問題が起こった場合の対処だけではなく
あらかじめ社員に対し
プライベートでのSNSの利用などに
関しても自覚を促すという意味があります。
上記で述べたとおり
いくら社員のプライベートの
SNSの投稿とはいっても
内容によっては勤務先の
会社が信用を落とされたり
重大な損害を被るリスクがあります。
社員のSNSをめぐる
トラブルを予防するためには
やはりこうした社内の体制を
作っておく必要がありますね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。