いまや口コミの「星1つ」は
店舗にとって死活問題です。
その低評価が競合の
嫌がらせだったとしたら……?
実際に「星1つ」評価をめぐる訴訟で
裁判所が1つの判断を示しました。

(今日の「棒人間」 評価「星1つ」)
<毎日更新1676日目>
宮城県内のある小児科医院が
Googleマップの口コミ欄で最低評価の
「星1つ」をつけられた。
しかも、
れをつけたのはなんと競合医院の院長。
反面
この院長は
自分の病院には「星5つ」の評
価をつけていたとか。
同業者の嫉妬というのは
怖いものですね。
「星1つ」をつけられた医院を運営する医療法人は
名誉権や営業権を侵害されたとして
「星1つ」をつけた院長らに対し
不法行為による損害賠償を求める
裁判を起こしました。
この裁判の判決があり
結局名誉権や営業権の侵害は認められず
請求が認められなかったとの
報道がありました。
グーグルマップの匿名口コミでライバル医院に「星一つ」、自分の医院には「五つ星」…「不当な目的があったと推認できる」と指摘の仙台地裁判決で賠償請求は棄却
飲食店や病院といった店舗での仕事は
顧客がGoogleマップや口コミサイトでの
口コミや星評価を参考に選択するとされています。
ですから
不当に低評価をつけられることは
その店舗にとっては売上に直結し
時に死活問題となります。
この点
こうした口コミ投稿が
名誉権や営業権を侵害し
不法行為となる場合があるのでしょうか?
まず
事実を示して
その店舗等の社会的評価を
低下させるような投稿をした場合は
名誉権侵害にあたる可能性があります。
具体的には
「この店の従業員は借金で破産した」とか
「この病院の院長は、誤診が多い」とか
そういったものがこれに当たります。
また
虚偽の情報などを投稿して
信用を傷つけられたり
営業を妨害された場合は
営業権の侵害に当たります。
たとえば
そのような事実はないのに
「この病院は手術ミスで過去に人が死亡した」
などと投稿することがこれに当たります。
もし口コミ投稿がこうした
名誉権や営業権の侵害にあたり
不法行為となる場合には
行為者には損害賠償の責任が発生します。
さて
冒頭のケースでは
結局裁判所は名誉権
営業権の侵害を認めず
不法行為の成立を否定する
判断を行いました。
この裁判の判決では
と指摘したようです。
しかし
このケースの投稿は
「星1つ」という評価のみであり
その具体的な理由や文言は
投稿しなかったそうです。
判決はその点をとらえ
と指摘し
名誉権や営業権の侵害を
認めませんでした。
ただ
この判決にはいろいろな
評価がありそうですね。
店舗や病院にとっては
不当な目的を持って「星1つ」を
つけられること自体
大きな損害につながり得る問題です。
こうした行為を
法律で規制せずに
野放しにして良いのか?
他方
口コミも1つの表現行為であり
憲法で表現の自由として保障されています。
そこで
名誉権や営業権の侵害の救済と
表現行為としてどこまで保護すべきか
のバランスを考える必要もあるわけです。
今後も
こうしたトラブルは
増えることが予想されます。
同種の案件の今後の
裁判例の動向などにも
注意していきたいところですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。