「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

突然退職で引き継ぎゼロ・・・会社は損害賠償できる?

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繁忙期に社員が突然退職。

 

 

しかも「残りは有給消化するので

出社しません」と言われ

引き継ぎもゼロ。

 

 

こんなとき

会社として何か法的にできることは

あるのでしょうか。

 

 

 

(今日の「棒人間」 引き継ぎは大事??)

 

<毎日更新1770日目>

突然退職で引き継ぎゼロ

 

顧問先のA社長からご相談がありました。

 

 

A社長の会社は年度末の

3月は大変な繁忙期。

 

 

ところが

A社長の会社のある社員が突然

 3月いっぱいで会社を辞めます

 残りは有給を消化するんで、もう出社しません

と言って一方的に会社を

辞めてしまいました。

 

 

困ったのはA社長。

 

 

ただでさえ人手が足りないのに

年度末の繁忙期にさらに社員が

1人減ってしまう。

 

 

しかし

問題はそれだけではありませんでした。

 

 

この社員は

結構一人でいろいろな仕事を抱え込んでいて

 

 

担当取引先の引き継ぎなども含めて

後任者への業務の引き継ぎが

必要となります。

 

 

しかし

この社員は

 

 

こうした引き継ぎ業務を一切行わずに

会社を辞めてしまいました。

 

 

社長が

せめてしっかり引き継ぎを

してから辞めるように

 

 

と言っても聞きません。

 

 

おかげで

A社長の会社は

 

 

他の社員や取引先にも迷惑がかかり

大混乱に陥りました。

 

 

怒りが収まらないA社長。

 

 

この社員に

何か損害賠償を求めたい

そんなご相談でした。

 

 

 

引き継ぎなしでの退職は「違法」になるか?

 

ここで

まず整理しておきたいのは

 

 

退職自体は社員の自由である

ということです。

 

 

すなわち

民法627条で

 

 

社員は退職の意思表示をしてから

2週間で退職できるとされています。

 

 

ですから

社員が「突然」辞めますと言って

 

 

残りは有給を消化します

というのは原則として

違法ではありません。

 

 

それでは

必要な引き継ぎをせずに退職した

場合はどうなるのでしょうか?

 

 

この点

たとえば就業規則において

 

 

社員の退職時の引き継ぎの

義務の定めがあり

 

 

社員がそれに違反して会社に

損害を与えたような場合

 

 

会社は社員に損害賠償を

請求できる余地があります。

 

 

ただし

損害賠償は

 

 

その社員が引き継ぎを

しないことによって

 

 

現実に会社に具体的な損害が

発生した場合に限られます。

 

 

ところが

現実問題として

 

 

この「損害」を立証するのは

容易ではありません。

 

 

もっと言えば

この場合

・実際にどの程度の損害が出たのか

・その損害が本当にその社員の行為によるものなのか

を会社が立証しなければなりません。

 

 

ですから

実際には

単なる「現場の混乱」や

 

 

「他の社員の残業代の増加」程度では

裁判所は損害として

認められにくい傾向にあります。

 

 

たとえば

・顧客データを削除して辞めた

・業務データを意図的に破棄した

・重要プロジェクトを故意に放置した

・顧客を引き抜いて退職した

・その人しか知らない金庫の暗証番号を教えずに去り、取引が停止した

などといった

社員の直接的かつ重大な過失がある

場合に限られるのが現実です。

 

 

もう1つ考えられる方法として

退職金を減額するという

手段が考えられます。

 

 

すなわち

就業規則(退職金規定)に

 

 

「著しく誠実義務に反した場合は減額する」

といった規定があれば

 

 

それに基づいて減額できる

可能性があります。

 

 

しかし

その場合でも

 

 

「会社に多大な損害を与えた」などの

客観的な証拠が必要となります。

 

 

 

 

 

 

 

業務の「属人化」のリスク

 

そんなわけで

引き継ぎ業務をやらずに

退職した社員に対して

 

 

会社が何か法的措置をとることは

実際問題はハードルが高いです。

 

 

そこで

会社としては

 

 

それよりも今後このようなことが

起きないための仕組みづくりに

注力すべきと考えます。

 

 

具体的には

まず会社の就業規則の

内容を確認すること。

 

 

就業規則において

退職時の引き継ぎの義務の

規定をきちんと整備します。

 

 

また

上記のように

 

 

退職金の規定において

違反行為があった場合の減額等の

ルールも定めておく必要があります。

 

 

次に大切なことは

業務の「属人化」を避ける

 

 

すなわち

重要な業務が「その人にしか分からない」

という状況を作らないことです。

 

 

できれば業務のマニュアルを

しっかり作り

 

 

それを日々日常業務として

更新させておくこと。

 

 

さらに

業務に関わるすべての

情報の共有化を徹底します。

 

 

具体的には

すべてのドキュメントについて

 

 

社員全員がアクセスできる共有ドライブ

(Google Drive, Notion, Slack等)に

保存することを徹底します。

 

 

いずれにしても

特定の社員が突然退職したら

 

 

重要な業務に支障が出てしまう

という業務の「属人化」をいかに防ぐか

ということが重要ですね。

 

 

まずは

現在の社内で

 

 

「一人しかやり方を知らない業務」

がどれくらいあるか

 

 

リストアップしてみることから

始めてみてはいかがでしょうか?

 

 

社員の退職に際して生じる

「引き継ぎトラブル」のリスクを予防

するための日頃の対策が重要ですね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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