AIを使えば
見積書が数分で完成する時代。
「AIで見積りを作って契約したんですが
材料費が上がってしまって……」。
便利なAI見積りですが
契約との関係では思わぬリスクも
潜んでいます。

(今日の「棒人間」 AI見積りってどうなの??)
<毎日更新1772日目>
最近
建設業などで
AIで見積書を作成することが
増えているようです。
このAI見積りというのは便利なもので
過去のデータから積算や原価計算を行い
自動で見積書を作成するというもの。
これによって
かつては数日かかっていた
見積書の作成が
数分でできてしまうことになり
営業のスピードが格段に上がります。
しかし
このAI見積りに基づいて
価格を決めることには
新たなリスクがあります。
というのは
AIの見積りは
基本的に過去のデータ
平均価格
過去の相場などをもとに
計算を行うものです。
ところが
最近では
ご承知のとおり
原材料価格や人件費
輸送コストなどが大きく
変動しています。
つまり
AIが計算した見積りが
実際のコストと大きくズレる
という問題が生じるわけです。
しかしながら
契約には法的な拘束力
というものがあります。
ですから
最初に契約を結んだ時点で
決めた価格というものは
基本的にその後に当事者の一方が
勝手に変更することはできません。
ところが
契約をしたときには予想できない
ような原材料費などの高騰が
その後に起こる
ということは実際によくあることです。
上記のとおり
AI見積りは基本的に過去のデータを
もとに計算しますので
予想外の原材料費高騰などを予想
して見積りに盛り込むことは難しい。
このような場合に
上記の契約の拘束力を
つらぬくとどうなるか?
建設業などでは
とてもリスクがあって契約できない
工事の発注自体ができない
ということになってしまいます。
こういう場合は
いったいどうすれば
良いのでしょうか?
こうした場合のリスクヘッジとしては
契約書にいわゆる「価格スライド条項」
というものを入れておくという
方法があります。
「価格スライド条項」とは
建築工事などで
工期中の人件費や原材料費の
急激な変動により
当初の契約金額が不適当
となった場合に
金額を適正な額に変更
できる規定のことです。
具体的には
契約書の中に
物価、賃金が変動し、請負代金が適当でないと認められるときに工事金額を変更することができる
という規定を入れて
おくということです。
この点
中央建設業審議会(中建審)が出している
「民間建設工事標準請負契約約款・甲」にも
次のような規定が置かれています。
(請負代金額の変更)
第三十一条 発注者又は受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、相手方に対して、その理由を明示して必要と認められる請負代金額の変更を求めることができる。
五 契約期間内に予期することのできない法令の制定若しくは改廃又は経済事情の激変等によって、請負代金額が明らかに適当でないと認められるとき。
ただ
大前提として
やはりきちんとした
「建築請負工事契約書」を作成
することが最も大切です。
世の中には
契約書がないために
いったいいくらで工事を
請け負ったのかが曖昧になり
トラブルになるケースも
少なくありません。
くれぐれも
AIが作成した見積書のみで
工事着工に入ってしまう
ようなことがないように
注意したいものですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。