「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【個人情報保護法】「破産者マップ」を刑事告発

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個人情報を取り扱う事業者は、

個人情報の利用目的を特定

する必要があります。

 

 

さらに、

本人の同意なく

その利用目的から外れる利用を

してはいけません。

 

 

今日は、

事業者であれば避けて

通れない個人情報保護法

の問題についてお話しします(^ ^)

 

 

 

 

(20年近く使っている名刺入れ 氏名・住所は個人情報)

 

<毎日更新619日目>

「破産者マップ」を刑事告発

破産者の氏名や住所

などの個人情報を公開

しているウェブサイトの

「破産者マップ」

 

 

これは、

破産者の氏名や住所を

地図上に表示するもので、

情報の削除を求めた場合には、

「手数料」として

暗号資産(仮想通貨)の

ビットコインの支払いを求めていた、

とされています。

 

 

この「破産者マップ」に対して、

政府の個人情報保護委員会が、

個人情報保護法違反の疑いで

刑事告発したとの報道がありました。

 

 

個人情報保護委員会は、

「破産者マップ」の

運営サイトに対して、

昨年7月に停止勧告を行い、

さらに11月には停止命令を

出したものの、

同サイトは閉鎖されませんでした。

 

 

そこで、

このサイトが破産者の

個人情報を不当に利用することで、

「人格的、財産的差別が誘発されるおそれがある」

とのことで、

今回の刑事告発にいたったようです。

 

 

個人情報保護法にはご注意!

皆さんも、

「個人情報保護法」という法律

の存在自体はご存知でしょう。

 

 

この法律で、

「個人情報」というのは、

 生存する個人に関する情報で、その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの

とされています。

 

 

破産者の氏名や住所は、

当然この「個人情報」

にあたるわけです。

 

 

そして、

個人情報等の集合物で、

特定の個人情報を検索

できるように体系的に構成

したものなどのことを、

「個人情報データベース等」

と言います。

 

 

そして、

この「個人情報データベース等」を

使って事業をする場合には、

「個人情報取扱事業者」となって、

個人情報保護法の規制がかかるわけです。

 

 

具体的には、

個人情報取扱事業者が、

個人情報を取り扱う際には、

その利用目的を特定しなければ

ならないとされています。

 

 

その上で、

あらかじめ本人の同意を

得ない限り、この利用目的を

超えて個人情報を取り扱う

ことはできない、

とされています。

 

 

そして、

個人情報保護委員会は、

違反事業者に対して、

違反行為を中止するように

勧告したり、命令したり

することができます。

 

 

その上で、

違反事業者がこの個人情報保護委員会

の命令などに違反した場合には、

 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

という罰則も定められています。

 

 

この点、

実は破産者の情報というのは、

官報で公開されているものの、

実際上官報など見る人は

ほとんどいないため、

破産者のプライバシーも

事実上保たれている部分があります。

 

 

しかし、

「破産者マップ」によって

その情報が公開されることで、

破産者のプライバシー侵害や

差別などの危険が大きくなる

わけです。

 

 

この点、

個人情報保護委員会も、

官報での公開情報であっても、

本人の同意なくデータベース化

したものは個人情報保護法に

違反するとしています。

 

 

そして、

個人情報保護委員会が

停止勧告や停止命令を出した

にもかかわらず、

それに従わなかったために、

上記の罰則の適用を求めて、

今回の刑事告発となったようです。

 

 

この点、

一般の事業者もやはり

この個人情報保護法の規制は

押さえておく必要があります。

 

 

例えば、

顧客情報なども「個人情報」

になり得ますので、

利用目的を定める必要がありますし、

本人の同意なく目的外で

利用することはできません。

 

 

よくあるのが、

顧客にダイレクトメールなどを

送る場合。

 

 

この場合には、あらかじめ

「商品の発送、新商品・サービスに関する情報のお知らせのために利用いたします。」

などと、

具体的な利用目的を示して

おく必要があります。

 

 

ちなみに、

私の事務所で法律相談をご新規で

受ける場合の相談カードには、

氏名や住所等の個人情報を

記載してもらいます。

 

 

そこには、

次のような記載があります。

1 ご記入いただいた連絡先に、ご相談いただいた案件についてご連絡をすることがあります。

2 ご記入いただいた住所宛に、当事務所のお知らせあ案内物等を送らせていただくことがあります。
送付をご希望されない方は、その旨お申し付けください。

1は、

利用目的を特定して

示しているわけです。

 

 

そして、

法律相談をご利用いただいた

方には、うちの事務所から

ニュースレターなどをお送りする

ことがあるので、2でその案内

と同意を確認しているわけです。

 

 

個人情報保護法に違反すると、

上記のように行政から罰則を

受ける可能性があります。

 

 

それだけではなく、

場合によっては民事上の損害賠償請求

を受ける可能性もあります。

 

 

私の弁護士としての使命は、

中小零細企業のトラブルを

「裁判しないで解決」

すること。

 

 

トラブルや「裁判沙汰」を

避けるためにも、個人情報保護法の

規制を理解して、対策をとっておく

ことは必要ですね。

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

 個人情報を扱う場合は、個人情報保護法の規制を理解すること!

ということです。

 

 

しかし、

「破産者マップ」については、

従来から、破産者のプライバシーを

侵害するものであるし、

事実上破産手続きを利用

することをためらう人が出るなど、

その問題が指摘されていました。

 

 

今回、

個人情報保護委員会が

腰を上げたことで、

このような違法なサイトが

きちんと摘発されることを

期待したいですね。

 

 

下記の関連動画もご覧ください!

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、悪質なクレーマーにどう対処したら良いのか、そのポイントを5つほどお話しています。

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、午前中は自宅で仕事。
お昼頃になり、事務所に出勤するために最寄駅へ向かう途中。いつもは長蛇の列ができていてなかなか入れないとんかつ「たいよう」が、なんと奇跡的にあいていました。ちょうどランチをどこで食べようかと考えていたので、迷わず店内へ。
注文したロースかつ定食が絶品。豚肉の甘みがじわっと広がり、でも脂っこくなくてあっさりしています。とてもラッキーでした。

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裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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