「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【利害相反】弁護士が受けられない案件について

弁護士業界

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弁護士という仕事は、

社会からの信頼によって

成り立っています。

 

 

ですから、

この社会からの信頼を

失うような案件を

受けることができない、

という制限があります。

 

 

典型的なのが、

「利害相反」になるような

案件です。

 

 

 

(今日の「棒人間」 弁護士は対立する双方の当事者の代理人にはなれない)

 

<毎日更新812日目>

腕の良い弁護士は、相手方からも頼りにされる?

建設業を営むA社は、

取引先のB社との間で、

受注した工事に関して

トラブルとなり、

顧問弁護士であるC弁護士に、

このトラブルの解決を

依頼しました。

 

 

そこで、

C弁護士は、

A社の代理人として、

B社と交渉に入りました。

 

 

B社の社長と交渉で

話をしながら、

B社のいろいろな

事情なども聞き、

なぜ今回のトラブルに

至ったのか、

その原因などについても、

粘り強く話し合いを

行いまいた。

 

 

そうしているうちに、

最初は敵対的な感情を

むき出しにしていた

B社の社長も、

徐々にC弁護士に対して

心を開き、

C弁護士を信頼するように

なっていきました。

 

 

そして、

あるとき、

C弁護士は、

B社の社長から

こう言われます。

アナタ、相手方の弁護士だけど、なかなかやりますな。
気に入った。
先生、ぜひ我が社の顧問になってください!

こんなことあるのか?

と思われるかも

知れませんが、

腕の良い、

熱心な弁護士ほど、

対立していた交渉相手

からも信頼されて、

こうした依頼を受ける

ことがあり得るのです。

 

 

それでは、

C弁護士は、

B社の社長の依頼に応じて、

B社の顧問弁護士に就任しても

問題はないのでしょうか?

 

 

答えは、

 問題大アリ!

です。

 

 

 

これは、

いわゆる「双方代理」と言って、

私たち弁護士の世界では

「N G」なのです。

 

 

 

 

 

「利害相反」の事案をなぜ受けられないのか?

弁護士は、

案件を受けている依頼者の

相手方から依頼を受けて、

その相手方の代理人になったり、

相談を受けたりすることが

できません。

 

 

それは、

なぜでしょうか?

 

 

上記の例で

考えてみましょう。

 

 

最初、

C弁護士は、

A社の依頼を受けて、

A社の代理人として、

相手方であるB社と

交渉するわけです。

 

当然、

C弁護士は、

A社の顧問弁護士の

立場ですので、

A社と信頼関係が

ありますし、

A社からお金をもらって

依頼を受けています。

 

 

そんなC弁護士が、

相手方であるB社の

依頼を受けて、

B社の代理人にも

なってしまったら、

どうなるのでしょうか?

 

 

A社としては、

自分がお金を払って

雇ったC弁護士が、

相手方であるB社からも

お金をもらって代理人になった、

この事実をどう

受け止めるでしょうか?

 

 

A社のC弁護士に対する

信頼関係は、

ガタガタになって

しまうでしょう。

 

それだけではなく、

こうしたことが許されると、

およそ「弁護士」という職業が、

社会からの信頼を失って

しまいます。

 

 

それで、

弁護士はこうした利害が

相反している相手方の

代理人になる、

すなわち「双方代理」は

厳しく禁じられているのです。

 

 

弁護士がこの規則に違反して、

「双方代理」をやってしまうと、

所属弁護士会から懲戒処分

(戒告や業務停止など)

受けることになります。

 

 

 

 

 

 

 

社員からの相談もOK、でも・・・

私もそうなのですが、

顧問契約サービスの1つとして、

会社からのご相談だけではなく、

会社の社員の方の

個人的な法律相談

(離婚、相続、債務整理など)

無料でお受けすることが

あります。

 

 

ただし、

その場合、

1つだけ注意点があります。

 

 

それは、

上記の「双方代理」に関連して、

その会社を相手方とする

相談は受けられない、

ということです。

 

 

たとえば、

顧問弁護士の立場で、

社員の方から、

その顧問先の会社を訴えたい

といった相談は、

受けられません。

 

 

言うまでもなく、

顧問弁護士はあくまで

会社側の立場ですので、

その会社と利害が相反する

社員さんの相談は

受けられない、

ということになるのです。

 

 

こういった「双方代理」や

「利害相反」の事案は、

弁護士が一番神経を使う

ところでもあります。

 

 

やはり、

弁護士という仕事は、

ご依頼者様はもちろんのこと、

社会からの信頼があってこそ

成り立っている職業

ではあります。

 

 

ですから、

こうした信頼を害さないように

行動することが求められる、

というわけです。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、契約をする前提で、いろいろと準備をしたのに、相手方の都合で契約をキャンセルされた、という場合、損害賠償を請求できるか?そんなテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日までキャンプ場泊。
午前中はテントなどの撤収作業、その後近くの河原で子どもたちと少し遊んだ後で現地解散。
うちの家族は、その後山梨名物の「ほうとう」を食べに行きました。
野菜たっぷりで美味しかったです。

ご提供中のメニュー

 

 

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裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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