トラブルの相手に
あやまってしまうと、
法的な責任を認めたことになる、
という誤解をしている人がいます。
しかし、
そんなことはありません。
むしろ、
あやまるべきところを
あやまらないと、
トラブルが深刻化して
「裁判沙汰」に発展する
リスクがあるので、
注意が必要です。
(今日の「棒人間」 あやまったらダメ??)
<毎日更新953日目>
ひとこと、あやまってくれたら、ここまでコトは大きくならなかったんです!
自分が悪くても、
絶対にあやまらない人って、
いますよね。
性格的にプライドが高くて、
あやまれない人
というのはいるものです。
それだけではなくて、
結構なトラブルに
なっているのに、
あやまらない人がいます。
世の中にある誤解として、
あやまってしまうと、
自分の法的な責任を
認めたことになってしまう、
と恐れている人がいるのも
事実です。
一度あやまってしまうと、
後で裁判などになったときに、
アンタ、あのときあやまったじゃないか!
などと言われて、
裁判で不利になってしまう
ことを心配しています。
世の中にはいろいろな
トラブルがあります。
もちろん、
こちらは全く落ち度がなく、
なんらあやまる必要のない
ケースもあります。
そうしたケースでは、
安易にあやまるのはマイナスで、
あくまで毅然とした対応を
すべきです。
しかし、
世の中のトラブルというものは、
一方だけが100%悪い
というケースは
少ないものです。
トラブルに発展して
しまった時点で、
自分の至らなかった点に
ついては相手にあやまる。
たとえば、
などなど。
断っておきますが、
こうした謝罪は、
相手の言い分や主張を
そのまま認めることとは
違います。
自分の言い分や主張を
引っ込めるのではなく、
主張すべきところは
きちんと主張しつつも、
あやまるべきところはあやまる、
ということです。
ですから、
こうした謝罪の言葉を
口にしたからといって、
法的な責任を認めた、
ということにはなりません。
たとえば、
交通事故で、
自動車で歩行者と接触し、
通院1ヶ月の怪我を
させてしまったとしましょう。
このとき、
当然自動車の運転者は
加害者ですから、
事故を起こしたことについて、
被害者に謝罪するべきです。
ただ、
謝罪したからといって、
被害者の言い分を
すべて認めることには
なりません。
たとえば、
被害者が1ヶ月通院
させられたことの慰謝料として、
100万円を請求してきた場合。
通院1ヶ月の慰謝料の相場は、
通常は30万円弱(裁判基準)であり、
100万円は明らかに過大な請求
と言えるでしょう。
この場合、
被害者に謝罪して
しまったからといって、
後で裁判で100万円を
支払わされる、
などということはありません。
トラブルになった場合に、
法的な責任を負わされる
ことをおそれて、
本来あやまるべきところを
あやまらない。
これは、
場合によってはトラブルを
より深刻化させる
おそれがあります。
人間の心理として、
たとえトラブルになっていても、
相手が謝罪してくれることで、
多少溜飲が下がる、
ということはよくあります。
それに対して、
本来謝罪すべきところで
謝罪しないでいると、
相手の感情を逆撫で
することになります。
それならばもう
徹底的に争ってやろう、
「裁判」でもなんでもやってやる、
そんな心境になるものです。
この点、
私の弁護士としてのミッションは、
というものです。
トラブルが深刻化して、
「裁判沙汰」になるのを
避けるためにも、
あやまるべきところは
あやまる、
ということを上手に
やりたいものです。
なかなか難しい面は
ありますが・・・。
それでは、
また。
裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール
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今回は、いざというときのために、契約書に「損害賠償額の予定」を入れておく方法、というテーマでお話ししています。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。