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渋谷の弁護士吉田悌一郎

就業規則で「退職代行」を禁止する、はアリか?

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せっかく採用した社員が

「退職代行」を使って退職してしまう

というケースが多いようですね。

 

 

会社としては

就業規則で「退職代行」を禁止する

ことはできるのでしょうか?

 

 

結論的には

それは難しいと言わざるを得ません。

 

(今日の「棒人間」 今流行りの「退職代行」で会社を辞める?)

 

<毎日更新1367日目>

就業規則で「退職代行」を禁止したい?

せっかく採用した社員が、しばらくしたら「退職代行」を使って会社を辞めたいと言ってくるんです。

なるほど、最近よく聞きますよね。

あれ、なんとかならないものですか?直接本人が辞めたいと言ってくるならまだしも、非常に腹立たしいんです。

う〜ん、お気持ちはよくわかるんですが・・・

この年明けも

「退職代行」を使って会社を辞める

社員の話題が出ていましたね。

 

 

そもそも

ゴールデンウィークとか

正月休みとか

 

 

長い休みの後は社員が会社に

来なくなって退職してしまう

ということが少なくありません。

 

 

それも最近では

自分で直接会社に辞意を

伝えるのではなく

 

 

「退職代行」の業者を

使って意思を伝えます。

 

 

採用した会社としては

今の人手不足の世の中で

社員に辞められるだけでも痛いのに

 

 

「退職代行」を使って

辞められるというのは

やはり心中穏やかではないですよね。

 

 

そこで

いっそのこと

会社の就業規則で

 

 

社員が辞職する際に

「退職代行」を使うことを

禁止してしまいたい。

 

 

そういったことは

可能なのでしょうか?

 

 

 

 

辞めるのは社員の自由??

結論から言いますと

これは難しいと

言わざるを得ません。

 

 

そもそも

会社を辞めるか辞めないか

原則としてこれは社員の自由なのです。

 

 

もっと具体的に言うと

雇用期間のない通常の正社員の場合

 

 

いつでも雇用契約の解約の申し入れ

すなわち「退職」ができるとされています。

 

 

そして

法律では

この場合には

 

 

解約の申し入れ

 

 

すなわち退職届を出した日から

2週間後に雇用契約は

終了すると定められています。

 

 

ただ

期間が1年未満の有期雇用契約の場合は

少し事情が変わってきます。

 

 

この場合

期間の途中での社員の退職については

 

 

「やむを得ない事由があるとき」にできる

とされています。

 

 

「やむを得ない事由」というのは

たとえば、社員の生命・身体に

危害を及ぼす仕事などを命じらたとき

 

 

賃金不払いなど会社に

重大な契約違反がある場合

 

 

家族の介護の必要とか

長期療養が必要な傷病に

かかったときなどが

 

 

これにあたります。

 

 

逆に言えば

こうした事情がない限り

解約の申し入れ

 

 

すなわち退職はできない

ということになります。

 

 

いずれにしても

社員の突然会社を辞められると

会社としては非常に困る場面が出てきます。

 

 

仕事の引き継ぎができなくて

業務に支障をきたすとか

 

 

その社員が担当していた重要な

取引先を失ってしまう

ことなどもあり得ます。

 

 

この点

社員が突然辞めたことによって

会社に損害が発生した場合

 

 

会社が被った損害の賠償を

その社員に請求することは

できるのでしょうか?

 

 

これについては

極めて限定的に

認められることがあります。

 

 

すなわち

 

 

社員が突然退職したことで

その社員が担当していた業務の

顧客を失ったような場合は

 

 

損害賠償が認められる

余地があるとされています。

 

 

ただ

実際に裁判で認められる金額は

それほど大きくはならないのが現実です。

 

 

 

 

 

 

「退職代行」を使うことは原則違法ではない

そんなわけで

社員としては

基本的には会社を辞めるのは自由であって

 

 

社員が会社を辞めることを制限されるのは

ごく例外的な場合に過ぎません。

 

 

その上

辞める時に「退職代行」を使うこと自体も

法律上特に禁止はされていません。

 

 

というのは

社員が退職の意思表示を行う際

 

 

たとえば直接本人が「退職届」を

提出しなければならない

 

 

などという法的なルールは

ないからです。

 

 

ですから

会社の経営者の立場からすると

腹立たしいかも知れませんが

 

 

たとえば就業規則で「退職代行」を

使うことを禁止することはできない

という結論になるわけです。

 

 

なお

「退職代行」というのは

 

 

あくまでその社員の退職の意思を

会社に伝えるという事実上の行為に

限られます。

 

 

弁護士でない「退職代行」業者が

 

 

退職に伴って法的な問題についての

交渉まで行うことは

「非弁行為」として禁止されています。

 

 

たとえば

退職に伴って

その社員の残業代や

 

 

在職中のパワハラ

セクハラ問題などで

 

 

退職代行業者が会社と交渉することは

まさにこの「非弁行為」にあたります。

 

 

ただ

いずれにしても

 

 

社員が「退職代行」を使うこと自体は

違法ではなく

 

 

会社としてはそれをやめさせる

ことはできないわけです。

 

 

せっかく採用した社員が

「退職代行」を使って簡単に

会社を辞めてしまう。

 

 

経営者としては

やはりショックはありますよね。

 

 

しかし

人手不足の昨今では

若い人に限らず

 

 

「雇用契約」というものをそのくらい

ドライに捉えている人が少なくない

ということでもあります。

 

 

入社してみたら

自分の思い描いていた

仕事や会社とは違った

 

 

ということで簡単に辞めて

しまうこともあるでしょう。

 

 

そして

その際に

 

 

「会社を辞めます」という

言いづらいことを「退職代行」に

代わりに言ってもらう。

 

 

これもまあ

合理的手段と言えばそうでしょう。

 

 

私個人としては

状況にもよりますが

 

 

やはりお世話になった

会社を退職する際には

きちんと自分自身でケジメをつける。

 

 

これが常識的な対応だし

自分自身の生き方としても

重要だとは思いますが

 

 

その辺は人それぞれでしょうね。

 

 

会社側も

員の採用に伴い

 

 

こういうこともある

とある程度ドライに捉える

必要はありそうですね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

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昨日は、午前中は、夕方まで自宅で仕事。午前中は事務所の所内会議にオンラインで参加。午後は顧問先のお客様とオンラインで打ち合わせなどでした。夕方は、横浜で知り合いの社労士さんと税理士さんとの会談でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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