職場で女性に「ちゃん付け」をしたのが
「セクハラ」に当たるとした
判決が出ました。
昔はOKとされていたことでも
今の時代はNGということがありますので
注意が必要です。

(今日の「棒人間」 それはNG??)
<毎日更新1634日目>
佐川急便の営業所に勤めていた40代女性が
年上の元同僚の男性に対し
約550万円の慰謝料を求めて
裁判を起こしました。
この裁判で
東京地裁はこの男性に対し
であると認定し
22万円の支払いを命じました。
報道によれば
女性は東京都内の営業所に
勤務していた2020年以降
男性から名前をちゃん付けで
呼ばれたほか
「かわいい」「体形良いよね」などと
言われたとのことです。
判決では

ちゃん付けは幼い子どもに向けたもので、業務で用いる必要はない
と判断されているようです。
慰謝料として認められた額は
少額ではありますが
女性を「ちゃん付け」で呼ぶことが
「セクハラ」になり得るということを
示した判決ということで
話題を呼んでいるようです。
さて
読者の方の中には
もしかすると

「ちゃん付け」しただけでセクハラって、マジか???
と思われた方もいるかも知れません。
そこで
法律的にはいったい何が
「セクハラ」に当たるのか
確認しておきましょう。
「セクハラ」については、
男女雇用機会均等法という法律で
規定されています。
それよると
「セクハラ」は
などを意味します。
そこで次に
上記の事例で
女性を「ちゃん付け」で呼ぶことが
この
に当たるか否かが問題となります。
まず
女性を「ちゃん付け」で呼ぶ男性は
「親しみを込めたつもり」
というケースが多い。
しかしながら
女性のみを「ちゃん付け」
するその背景には
意識的か否かは別として
とか
といったような
古いジェンダー感が見え隠れします。
実際
上記の事例でも
裁判所は
と認定しています。
したがって
やはり今の時代
女性のみを「ちゃん付け」で呼ぶことは
に当たり得るでしょう。
したがって
それが労働者の意に反するものであれば
やはり「ちゃん付け」も法的な
「セクハラ」に該当する可能性は
十分にあるわけです。
とは言え
ひと昔前までは
職場で男性が女性を
「●●ちゃん」と呼ぶことは
普通に行われていたように思います。
いや
今でもそのように呼ぶ男性は
いるかも知れません。
ですから
それが「セクハラ」に当たると言われ
慰謝料だと言われても
納得できない方もおられるかも知れません。
しかし
女性の社会進出が
当たり前となっている今の時代
性別や年齢に関わらず
すべての従業員が一人の
プロフェッショナルとして
対等に尊重されるべきという
意識が強くなっています。
上記の裁判所の指摘にもあるように
「ちゃん付け」は「幼い子どもに向けたもの」
というイメージが強いですね。
ですから
大人の女性を呼ぶ際に使うと
「子ども扱い」「見下されている」
「プロとして扱われていない」といった
不快感や侮辱感を与える可能性は高いでしょう。
さらに
「セクハラ」に対する認識も
昔と比べて大きく変化しています。
昔の一般的な認識では
「セクハラ」と言えば
より性的な言動や身体への接触
などを意味することが多かった。
しかし
上記のとおり
「セクハラ」はもっと広い概念であり
「性的な言動により
相手の意に反して職場環境が不快になること」
はセクハラになり得ます。
このように
時代とともに「セクハラ」の認識も
大きく変化しています。
大切なことは
こうした時代の変化に合わせて
自分の認識も「リニューアル」
していく必要があることです。
昔はOKとされていたことでも
今の時代はNG
こういうことがありますので
注意が必要です。
私も50代のいいオジサンですから
十分に注意したいものです。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。