「自分の声が、勝手に使われている。」
そんな事態が
生成AIの進化によって現実の
ものとなっています。
では
この「声の無断利用」は
法的に許されるのでしょうか。

(今日の「棒人間」 声がパクられる時代??)
<毎日更新1820日目>

私のあの歌声を、生成AIで真似されたんです。

あなたの「声」、ですか?

そうです。人の声を勝手にAIで真似して生成する行為は違法ではないんですか?

今現在はまだ難しいですが、今後「声」についても法的な手当がされる方向のようですね。
先日
AIの急速な発展で生じる声の
無断利用への法的対応を協議する
法務省の有識者検討会の
初会合が開かれました。
その中で
声もパブリシティー権などで保護
されるべき「肖像」に含まれる
との認識で一致したとの
報道がありました。
声も「肖像」、認識一致 権利保護へ第一歩 法務省検討会、7月に指針
ご承知のとおり
最近のAI技術の進展はめざましく
他人の「声」を使って
その人が実際に話しているかのような
音源を生成することができてしまいます。
まぁ
いわば自分の「声」を勝手に使われる
「声」のパクリというものが現実化
しているわけです。
ところが
いまだにこうした「声」のパクリが
法的な権利侵害に当たるかどうか
を直接規定した法律はなく
裁判例も明確なものがない状況です。
報道によれば
上記の初会合で
「声」も一般的な肖像と同様に
人物を識別する情報であり
人格を象徴するものだとの見解が示され
権利保護の対象に当たるとの認識で
一致したとのことです。
この問題の引き金となったのは
歌手や声優の声を勝手にAIで生成し
SNSなどのネット上で無断利用する
というケースが増えていることです。
上記の初会合では
まず歌手や声優の「声」の
権利保護に向けた第一歩
を踏み出したと評価
できるでしょう。
一般に
歌手や声優などの「声」は
一定の「経済的価値」を持つ
と言われています。
上記の報道によれば
初会合の中で
声優の声など「経済的価値」が
認められるものへの侵害に対しては
民法上の不法行為となる「肖像の無断使用」を
定義づけた判例を適用できるとの
意見も出たそうです。
一般にこれは
いわゆる「パブリシティ権」という
権利の問題だとされています。
「パブリシティ権」とは
著名人の肖像や氏名のもつ顧客吸引力から生じる経済的な利益・価値を排他的に利用する権利
のことをいうとされています。
たとえば
芸能人やスポーツ選手などは
その氏名や肖像などで
大きな経済的価値を
生む場合があります。
無許可で勝手にこうした有名人の
肖像などを利用することが
まさに「パブリシティ権」の
侵害に当たるわけです。
そして
ここで言う「肖像」とは
「本人の人物識別情報」を指し
サイン・署名・声・ペンネーム・芸名等
を含むとされています。
このように
歌手や声優の「声」がパブリシティ権
として保護される「肖像」にあたるとすれば
AIで勝手にこうした「声」を
生成して利用することは
まさにこのパブリシティ権侵害
ということになるわけです。
パブリシティ権侵害が認められれば
侵害者に対して不法行為に基づく
損害賠償請求が可能となります。
ただ
パブリシティ権は
上記のようにあくまでも
「声」を含む肖像が
「顧客誘引力から生じる
経済的な利益・価値」を持つ場合に
保護される権利です。
何が言いたいのかといえば
著名人ではない一般の人の
「声」を勝手にAIで生成したとしても
なかなかこのパブリシティ権侵害と
認められるのは難しいでしょう。
ただ
一般人も含めたこの「声」
というものの法的保護を正面から
議論する動きもあります。
現役裁判官で
この声の権利を認めるべきと
提唱する人が現れたようです。
具体的には、
東京地裁で知的財産訴訟を
担当するベテラン裁判官が
声の権利について幅広い保護の
可能性を示す論文を執筆したそうです。
この論文では、「声」の権利は
上記の経済的価値のみならず
人格権に由来する権利とされています。
つまり
「声」の経済的価値の側面のみならず
精神的な価値も法的に
保護すべきとの意見です。
実は
この声を法的に保護しようという動きは
海外で進んでおり
エンタメ大国である韓国や
アメリカなどでは
すでに法制化されているようです。
こうした動きを受けて
今後は我が国でも「声」の保護に
関する議論が進むと考えられます。
中小企業でも
AIを使って様々なコンテンツを作り
ネットで発信している会社も
多いでしょう。
しかし
生成AIで他人の「声」を学習させ
それを勝手に自分のコンテンツに
利用することは
今後明確に「違法」とされるかも知れません。
「声」が法的に保護される時代を迎え
安易な「声」のパクリが思わぬリスクに
つながりかねませんので
注意が必要ですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。