会社のために入れたはずのお金が
ある日突然「相続トラブルの火種」になる?
決算書に載ったままの「社長貸付」が
社長個人の「遺産」に?
そのツケは
残された会社と後継者に重く
のしかかることになるのです。

(今日の「棒人間」 火種が??)
<毎日更新1850日目>
都内で建設業の会社を営むA社長。
実はこの会社の決算書上で
A社長自身が会社に合計6000万円を
貸し付けたことになっています。
これは
これまで約30年にわたり
A社長が会社を経営する中で
膨らんできたもの。
どういうことかと言うと
たとえば会社の運転資金が足りないとき
A社長が個人のポケットマネーでお金を出す。
あるいは
いっとき会社に役員報酬を支払う
資金的余裕がないため
仕方なくその分は貸付金として処理。
あるいは
A社長自身が出張など営業経費を
立て替えていたが
未精算にしていたお金など。
これらをすべて
A社長が会社にお金を貸し付ける
「社長貸付」として処理していて
それが合計6000万円ほど
決算書に載っている
というわけです。
これは
毎年顧問税理士からも
と言われていましたが
A社長としては
そのうち資金に余裕ができたときに
処理すればよいだろうと
あまり気にしていませんでした。
しかし
世の中は何が起こるかわかりません。
なんとA社長が病気で
突然亡くなってしまったのです。
A社長には
相続人として妻のほか
成人した長男と次男がいました。
A社長の四十九日が終わる頃
A社長の遺族は
会社の顧問税理士から
衝撃的な事実を聞かされます。
上記の会社の決算書に載っていた
A社長の「社長貸付」の6000万円は
何とA社長の「遺産」になるため
多額の相続税がかかるというのです。
問題はそれだけではありませんでした。
実は
A社長の会社では
真面目で責任感の強い長男が
A社長の後継者として働いていました。
他方
次男は遊び人で若い頃から
親に迷惑ばかりをかけ
また親に頻繁にお金の無心を
繰り返していました。
幸い
会社の株式はA社長の生前に
長男に生前贈与されていたので
長男が100%持っています。
ですから
長男としてはA社長亡き後も会社の運営は
順調にいくものと思っていました。
ところが
次男が上記の「社長貸付」を持ち出し
後継者である長男に対して
イチャモンをつけてきます。
実は
A社長の会社に対する貸付金は
金銭債権として
A社長の死後は各法定相続人に
相続分に従って引き継がれます。
そうなると
次男はこの貸金債権について4分の1の
権利を持っていることになります。
そこに目をつけた次男は
自分には「社長貸付」6000万円のうちの
4分の1である1500万円を請求できる
権利があると主張してきたのです。
そして
実際に次男は会社に対して
自分の持分である1500万円の
返還を求めてきたのです。
長男としては
この「社長貸付」について多額の相続税を
支払う必要があることに加え
次男から返還の請求も受ける
というダブルパンチ。
そのため
会社の資金繰りが一気に
悪化してしまったのです。

そこで
長男は
やむを得ず金融機関の融資を受けて
急場をしのぐことを考えます。
ところが
この会社の決算書を見た銀行の
担当者は渋い顔をします。
融資の障害となったのは
やはりこの「社長貸付」でした。
決算書上
会社の総資産に対して
負債
つまり「社長貸付」の金額が多すぎる。
いわば「債務超過」のように見えてしまい
結果的に融資を断られてしまったのです。
このように
多額の「社長貸付」は
会社の対外的信用を
低下させるリスクもあります。
どうでしょう
ここまで読み進めていただいて
「ドキッ」とした社長さんも
おられるのではないでしょうか?
このように
多額の「社長貸付」を放置することは
会社にとって非常に大きなリスクとなります。
もしこうした多額の「社長貸付」が
決算書に載っている場合には
やはり早急な対策が必要となります。
それでは
具体的にどんな対策が考えられるのか?
その辺は長くなりましたので
また明日のブログでお伝えします。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。