「契約社員だからボーナスはありません」
これは
法的にどうなのでしょうか?
今回は
「契約社員」と「正社員」の待遇格差が
争われた裁判例をもとに
「同一労働同一賃金の原則」について
考えてみたいと思います。

(今日の「棒人間」 不合理な格差??)
<毎日更新1856日目>
ある会社で
雇用期間の定めのない
(つまり無期雇用の)
「契約社員」と
同じく無期雇用の
「正社員」がいました。
この無期雇用の「契約社員」は
フルタイムで「正社員」と
同じ業務を行っていました。
ところが
「契約社員」には
「正社員」に支給されていた家族手当がなく
基本給や賞与、住宅手当の金額も
少なかったとのこと。
そこで
この会社の「契約社員」が
「正社員」との給与の差額などを求めて
会社に対して裁判を起こしました。
この裁判で
判決は

不合理な差別的扱いは許されない
と判断し
不合理と認められる給与格差の差額など
合計約193万円の支払いを会社に命じた
という報道がありました。
世の中の経営者の方は
こうした裁判所の判断を
どう受け止められるでしょうか?
この点
「契約社員」は「正社員」ではないのだから
待遇は違うのは当然
という感覚の方もいるかも知れません。
しかし
この考え方は少し危険です。
実はこれは「同一労働・同一賃金の原則」という
労働に
関する法律の原則に関する問題なのです。
「同一労働・同一賃金の原則」とは
正規社員と非正規社員の不合理な待遇の
格差を正すという目的で
なされている法規制です。
具体的には
パートタイム・有期雇用労働法
という法律で
事業主は,その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給,賞与その他の待遇のそれぞれについて,当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において,当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度・・・,当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち,当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して,不合理と認められる相違を設けてはならない。
と規定されています。
正規職員と労働時間や仕事内容が
ほとんど変わらないにもかかわらず
非正規職員についてのみ通勤手当や
賞与を支給しないという扱いは
この原則に違反するとされるわけです。
この点
このパートタイム・有期雇用労働法は
「正社員」より労働時間が短い
「短時間労働者」(パートタイム労働者)と
有期雇用労働者について適用される法律です。
ただ
今回の上記事例の裁判所の判断では
無期雇用の契約社員(すなわち
厳密には短時間労働者でも
有期雇用労働者でもない)についても
として
この「同一労働同一賃金の原則」
を適用した上で
と判断したわけです。
それでは、具体的に
どんな場合が「不合理な差別待遇」
になるかどうかはケースバイケースです。
この点,厚生労働省では
「同一労働同一賃金ガイドライン」
というものを公表しています。
この中では
典型的な事例として整理できるものについて
その待遇差が問題となる事例,
問題とならない事例という形で
具体例を示していますので
興味のある方はご参照下さい。
昔は
「正社員」「契約社員」「パート」という
いわば「ラベル」で社員を管理していても
問題になりにくかった面はあります。
しかし
たとえば「契約社員」であっても
毎日フルタイム勤務
「正社員」と同じ現場で同じ責任のある
同じ仕事になっている場合も
少なくありません。
そうなると
と判断されてしまいます。
つまり
名称ではなく
「その人は実際に何をしているのか」
が問われます。
そして
もし「待遇格差」を設けるのであれば
それを合理的に説明できる必要があります。
たとえば
「正社員」は転勤がある
管理職候補である
配置転換がある
緊急対応や部下の指導を行うなどなど。
こういった違いがあれば
待遇差が認められる余地があります。
しかし
仕事内容も責任も勤務時間も
「正社員」と同じ。
それでも「契約社員」だから給料が安い
というのでは
待遇差を正当化できる合理的な
説明にはなっていません。
「契約社員だから」ではなく
「なぜ待遇差があるのか」を
きちんと説明できることが重要です。
このように
「契約社員」という名称だけでは
給料その他の待遇の差を正当化
できない時代になっていますので
注意が必要です。
それでは
また。
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昨日は、前日に引き続き、能登和倉温泉ののと楽に宿泊。
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また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。