元請けの現場責任者から頼まれて
工事代金を水増し請求。
「断れなかった」では済まず
協力した下請け会社まで詐欺罪に
問われる可能性があります。
今回は
下請け会社が不正取引に巻き込まれる
リスクについて考えます。

(今日の「棒人間」 水増し請求はダメ??)
<毎日更新1933日目>
これだけ「コンプライアンス」が
うるさくなっている世の中
まだこんな事件があるんですね〜。
大手ゼネコンの竹中工務店の現場責任者が
大阪・関西万博の会場の工事をめぐり
工事費用を下請け業者に水増し請求
させたとのこと。
その結果
竹中工務店に約1000万円の
損害を与えたとして
この現場責任者が逮捕されました。
万博工事費として自宅改装費請求か 背任容疑で竹中工務店元所長逮捕
報道によると
この現場責任者は
下請け業者に対して
万博工事の代金として約1000万円を
水増しして竹中工務店に請求させた
ということです。
そして
この現場責任者は
この下請け業者に自宅の
リフォーム工事を依頼し
水増し分をその費用に
充てていたとのことです。

記事にはありませんが
このニュースを見て私が感じたのは
この現場責任者だけではなく
下請け業者にも刑事責任が発生
するのではないかということです。
というのは
現場責任者に言われたとしても
下請け業者は実際に
約1000万円を水増しして竹中工務店に
対して工事代金を請求しています。
現場責任者は
もちろん勤務先である竹中工務店に
隠れて不正を働いており
このことを下請け業者も
知っていた場合。
この場合は
下請け業者も竹中工務店に対する
詐欺罪が成立し得るということになります。
今回
現場責任者は
勤務先である竹中工務店に対する
「背任罪」という形で立件されていますが
場合によっては
現場責任者と下請け業者が共に
詐欺罪の共犯となることもあり得ます。
まぁ
特に建設業界では
この手の話は昔からよくありました。
ここからはあくまで
私の想像になりますが
大手ゼネコンである竹中工務店の
現場責任者(万博会場工事の
総括作業所長という肩書き)は
特に下請け業者との取引などで大きな
権限を持っていたと考えられます。
そうすると
下請け会社としては
大手の竹中から仕事を
もらっているという立場で
弱みもあって
なかなか現場責任者の不正な誘いを
断れなかったのかも知れません。
しかし
いったんこうした事件が発覚してしまうと
上記のように
不正を働きかけた現場責任者のみならず
口車に乗った下請け業者も詐欺罪で
立件される恐れがあります。
この点
下請け業者としては
あくまで竹中の現場責任者からの甘い
誘いを断ることができない立場だった
と主張したくなるかも知れません。
いわば
自分も被害者のようなものだと。
しかし
残念ながら
法的にはこういった下請け業者の
主張は通りません。
上記のとおり
現場責任者とともに詐欺罪の
共犯関係ということになる
可能性が高いでしょう。
ですから
やはりこういったトラブルを
予防するためには
下請け業者としては
安易にキックバックなどの不正取引
に応じないということが重要です。
確かに
下請け業者からしてみれば
仕事を失ってしまうリスクが
あるでしょう。
しかし
コンプライアンスが厳しく
なっている今の世の中
刑事事件として立件されるリスク
の方がはるかに大きいでしょう。
会社の今後の信頼も大きく
傷つけられてしまいます。
このことは肝に銘じたいものです。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。