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渋谷の弁護士吉田悌一郎

「歯が黄色いから歯科医に行って」はセクハラ?会社は 社員の「見た目」にどこまで口を出せるか?

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女性の営業社員の

「歯が黄色い」のが気になる。

 

 

でも

本人に「歯科医に行ってきたら」と言えば

セクハラになるのでしょうか?

 

 

社員の「見た目」について

会社はどこまで口を出してよいのか。

 

 

意外と悩ましい

その法的な境界線について

考えてみます。

 

 

(今日の「棒人間」 歯が黄色い、を指摘してよいのか?)

 

<毎日更新1956日目>

「歯が黄色いから、歯科医に行って」はセクハラ?

 

先日

顧問先の会社のA社長より

ご相談を受けました。

今回は、うちの営業職として採用した新入社員の女性の件で相談なんです。

営業の新入社員の女性ですね。
どうされましたか?

この社員は、明るくて感じも良く、営業職としても期待できそうなんです。
ただ一点、ちょっと気になることがあるんです。

それはどんなことでしょう?

実はこの社員、歯がだいぶ黄色いのが目立つんです。

歯が黄色い、ですね。

そうなんです。営業職ということもありますんで、私としてはできれば歯科医に行って、クリーニングをしてきて欲しいんですよね。

なるほど。

しかし、今どき男性の私から女性社員に対してそんなことを言ったら、セクハラになるんじゃないかと思って、なかなか言えないんですよ。

そうなんですね。

これ、どうしたもんでしょうか?

まぁ、言ったからといって必ずしもセクハラになるとは限りませんが、歯が黄色いことを直接指摘するのはやめた方が良いでしょうね。

やっぱりそうですか・・・。

とはいえ、営業職ですから見た目の清潔感が大事、というのもわかります。
そこで、「男女を問わず服装や髪型、爪、口元などを含めて清潔感のある身だしなみを意識してください」というように、一般的なルールとして伝える方が良いと思いますね。

 

 

「容姿への発言」なら何でもセクハラ、ではない

 

男性の社長から

女性社員に対して「歯が黄色いから

歯科医に行ってきたら」などと言うと

 

 

「セクハラ」と言われるのではないか。

 

 

そう心配する気持ちはよくわかります。

 

 

そこで

法律上の「セクハラ」とは何か

を見てみましょう。

 

 

 

「セクハラ」については

男女雇用機会均等法という法律で

規定されています。

 

 

それよると

「セクハラ」は

① 職場において
② 労働者の意に反する
③ 性的な言動が行われた
ことを意味します。

 

 

つまり
「③性的な言動」が行われたことが
前提となっています。

 

 

この点
「歯が黄色いので
クリーニングをした方がいい」

 

 

という発言が
「性的な言動」に当たるのか?

 

 

結論的には
その発言だけで直ちに法律上の「セクハラ」
に該当するとは考えにくいでしょう。

 

 

確かに
「歯の色」と言う見た目についての
言及ではありますが

 

 

それだけでは通常「性的な言動」
とまでは言いにくいと考えます。

 

 

世の中では
「女性の容姿について何か言ったら
すべてセクハラになる」

 

 

思われがちですが
法的にはそこまで単純ではありません。

 

 

 

たとえば

 今日の服、似合ってますね

とか

 髪型を変えたんですね

といった発言まで

すべて当然にセクハラになる

わけではありません。

 

 

一方で

同じ歯の話でも

 せっかく可愛いんだから、歯を白くしたらもっとモテるよ

などと言えば

話は変わってきます。

 

 

こういう発言だと

容姿を異性として評価する

ニュアンスが加わりますし

 

 

「性的な言動」に近づくと

考えられます。

 

 

つまり

「女性の見た目に触れたか」だけではなく

その発言に性的な意味合いがあるのか

 

 

どんな文脈で

誰が誰に

 

 

どの程度繰り返して言ったか

といった事情も重要になってきます。

 

 

ですから

冒頭のケースでも

 

 

「歯が黄色いから歯科医でクリーニングを

した方がいい」という発言だけで

 

 

直ちに法的な意味でのセクハラに

当たるとは言えないでしょう。

 

 

とはいえ

「セクハラ」ではないからといって

 

 

その女性社員に対してその発言をして

まったく問題がないかというと

そうでもありません。

 

 

 

 

 

 

「セクハラ」でなくても、「見た目」への介入には注意?

 

そもそも

会社には

 

 

社員に対して業務上必要な指示や

指導を行う権限があります。

 

 

その権限に基づき

たとえば営業や接客の仕事であれば

服装を清潔にする。

 

 

あるいは

髪型を整えたり

爪や口臭などに注意する。

 

 

こういった「身だしなみ」を求めることは

一定の業務上の必要性はあるでしょう。

 

 

ただ

「清潔であること」と

「美しく見えること」は別問題です。

 

 

言ってみれば

歯が黄色いからといって

不潔とは限りません。

 

 

歯の色には個人差があったりします。

 

 

それにもかかわらず

会社が

 歯をもっと白くしなさい

 ホワイトニングをしなさい

歯科医院でクリーニングを受けなさい

などと

具体的きな身体への処置まで求めるとなると

 

 

果たしてそこまで業務上の必要性があるのか

という問題が出てきます。

 

 

そして

これは歯の色に限った

ことではありません。

 

営業なんだから、もう少し痩せた方がいい

 女性なんだから、もっと化粧をした方がいい

 その髪型は似合っていないから、変えた方がいい

などなど

こういった話になってくると

 

 

もはや業務上の指導というより

社長個人の「見た目の好み」

に近づいてしまいます。

 

 

ですから

冒頭のケースでも

 

 

特定の社員に「歯を白く」

などというのではなく

営業職はお客様と接する仕事なので、男女を問わず、服装や髪型、爪、口元など含めて、清潔感のある身だしなみを意識してください

という一般的なルールを伝えるに

とどめるべきかと考えます。

 

 

まとめますと

 その指導に業務上の必要性があるのか

 性的な意味合いや男女による違いが入り込んでいないか

 社長個人の好みを押しつけていないか

このあたりを一度考えてから

言葉にすべきでしょうね。

 

 

「見た目」の問題は大変に難しく

社長のちょっとしたひと言が思わぬ

トラブルに発展することがあります。

 

 

だからこそ

日頃の社員とのコミュニケーション

の段階から

 

 

「どこまで言うべきか」という

線引きを意識しておく。

 

 

これも

中小企業が余計なトラブルや「裁判沙汰」を

予防するために大切なことだと思います。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

 

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午前中は埼玉県の蓮田の方で現地調査のお仕事。
午後は事務所に戻って仕事。
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夕方から、事務所近くの立ち飲み屋「富士屋本店」にてブログ仲間と飲みに行きました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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