司法試験の合格発表の掲示板が
なくなるというニュース。
このニュースから
デジタル化が進む時代だからこそ
弁護士として大切にしたい
「仕事の原点」を考えてみました。

(今日の「棒人間」 自分の番号はあった??)
<毎日更新1991日目>
今から24年前
2002年の11月13日
私は法務省前の掲示板の前に
立っていました。
この日は
司法試験の合格発表の日。
掲示板に表示された
自分の受験番号を見つけたとき
「嬉しい」という気持ちよりも
「ホッとした」というのが
正直なところでした。
試験に合格した嬉しさよりも
「ようやく終わった」
「これでやっとプータロー生活に終止符を打てる」
という安堵感の方が大きかったというのを
覚えています。
こんな悲喜こもごもの
司法試験合格発表の掲示板がなくなる
というニュースがありました。
「情緒ない」「寂しい」司法試験の合格発表から掲示板が消える…法曹界から惜しむ声、伊藤真氏も複雑な思い
合格発表の掲示板をなくした理由として
法務省の担当者は
と説明しているようです。
これに対し
一部弁護士や法曹関係者からは
などといったコメントが
寄せられているそうです。
司法試験の受験時代というのは
正直私にとっては
はるか過去の話であり
合格発表の形態がどうなるかについては
あまり関心はありません。
その時代にあった発表の仕方があるでしょう。
ただ
このニュースでちょっと
気になるコメントがありました。
それは
私も司法試験の受験時代に大変
お世話になった受験指導校
「伊藤塾」塾長の伊藤真さん
のコメントです。
これまで44年間
司法試験の受験指導にあたってきた伊藤塾長
今回の掲示板廃止について
寂しさを感じると語る一方で
次のような趣旨のことを述べています。
たとえ、試験や仕事がどれだけ、ネット空間に移行したとしても、法律家の仕事は生身の人間を相手にしているという原点を忘れないようにしたいと思っています
これは私自身も
弁護士として仕事をする上でとても
大切なことだと感じています。
今
法律の世界でも
ようやくではありますが
デジタル化が進みつつあります。
民事裁判のオンライン化が進み
わざわざ裁判所に出かけなくても
事務所や自宅からパソコンで裁判に
参加できるようになりました。
書類や証拠を提出するのも
郵送やFAXではなく
自宅からパソコンででも
できてしまいます。
契約書も
紙にハンコを押すのではなく
電子契約で締結できる。
さらに
生成AIの登場によって
仕事もかなり効率化されました。
こういったデジタル化自体は
私は大歓迎の立場です。
ただ
法律問題の向こう側には
必ず生身の人がいる
という事実も決して忘れては
ならないことです。
たとえば
自社の社員とのトラブルに
悩む中小企業の社長。
取引先との間で
代金支払いのトラブルに
巻き込まれている社長。
顧客からのいわれのないクレームや
カスハラに苦しんでいる人など。
こうした方々が弁護士に相談するのは
単に法律の条文や裁判例を
知りたいからではありません。
不安で夜も寝れないとか
誰にも相談できずに悩んでいる。
会社や社員
家族を守りたいなど
いろいろ切実な思いを抱えているわけです。
法律的に正しい答えを出すことは
もちろん大切ですが
それだけで目の前の人の悩みが
解決するとは限りません。
弁護士の仕事というものは
ひと様のトラブルを扱います。
トラブルの渦中にいる人というのは
たいてい大きな精神的な負担を
抱えています。
だからこそ
そんな依頼者の方の気持ちに寄り沿って
仕事をすることが必要になってきます。
そして
トラブルを解決するためには
何らかの「交渉」が欠かせません。
この「交渉」は
単に法律の知識だけで決まる
などというものではありません。
相手は何を考えているのか
何に怒っているのか
何を不安に思っているのか
そして
本当はどんな解決を望んでいるのか。
こういった人間の感情や気持ちを
理解することが欠かせません。
もちろん
デジタル化やAIの技術の進歩によって
弁護士の仕事もかなり効率化の
恩恵を受けられます。
だからこそ
デジタルやAIに任せられる仕事は
どんどん任せてしまう。
そして
「人の気持ち」といったような
人間にしかできない仕事により
時間を使うべきだと考えています。
法律の知識があることと
人の悩みを解決することは
同じではありません。
どれだけ便利な時代になっても
相談に来られる方の不安を受け止め
その人にとって何が一番良い
解決なのかを一緒に考える。
そんな弁護士でありたいですね。
司法試験の合格発表の看板が
なくなるというニュース。
一見すると何でもないニュースですが
私にとっては自分の仕事の原点を
改めて考えさせられる出来事でした。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。