「あしたのジョー」の名シーン
「真っ白な灰」になるまで
燃え尽きる生き方は
今も多くの人の心を打ちます。
しかし
会社経営において
社員を「真っ白な灰」にしてしまうことは
大きな法的リスクをはらんでいます。
ちばてつやさんの訃報に接し
長く情熱を燃やし続ける会社の
あり方を考えてみました。

(今日の「棒人間」 真っ白な灰に燃え尽きた??)
<毎日更新2003日目>
昨日
漫画家のちばてつやさんが87歳で
亡くなられたとの報に接しました。
ちばてつやさんと言えば
「あしたのジョー」「のたり松太郎」
「あした天気になあれ」など
数々の名作を生み出しました。
実は私もちばてつやさんの
漫画の大ファンで
「あしたのジョー」や「のたり松太郎」は
何度も読んだ作品です。
「あしたのジョー」といえば
やはりあの名シーン。
宿敵ホセ・メンドーサとの
世界タイトルマッチで
激闘を終えたジョーが
リングサイドの椅子に座り
静かに微笑む。
に燃え尽きたことを思わされる
あの場面ですね。
このラストシーンは
原作者の梶原一騎さん(故人)
の反対を押し切って
ちばさんが考えたラストだと
言われています。
自分が本当に情熱を注げるものに出会い
持てる力をすべて出し切る。
なんの悔いも残らないくらいに
徹底的にやり尽くす。
「真っ白な灰」という名シーンを
描いたちばてつやさん。
しかし
ちばさん自身は
むしろ長く情熱を燃やし続けた人でした。
「あしたのジョー」の連載が
終了したのが1973年。
その後も数々のヒット作を描き続け
晩年まで漫画を描き続けました。
実はちばさんは
ご自身で「くずてつ日記」
というブログも書いていて
今年の8月まで更新されていました。
一気に燃え尽きるのではなく
ジョーの連載が終わった後も長年の間
じっくりと情熱を燃やし続けた人でした。
仕事でも
「真っ白な灰」に燃え尽きるまで
一生懸命打ち込みたい
そんな人もいるかも知れません。
中小企業の社長の中には
そんな仕事熱心な方も
珍しくありません。
本当に朝早くから夜遅くまで働き
休日も仕事のことを考えている。
私もそうですが
そもそも経営者というのは仕事と
プライベートの区別があまり
なかったりもします。
ただ
そういう社長の仕事の情熱を
そのまま社員に求めてしまうのは
どうなんでしょうか?
たとえば
とか
などと社長が考えてしまう。
こんな風に
社員にも長時間労働や
過重な負担を強いることは
法律上大きな問題となる
可能性があります。
労働契約法という法律で
会社には社員の生命や身体の
安全に配慮する義務
すなわち「安全配慮義務」
というものが定められています。
もし
社員に過重な労働をさせ続け
その結果
社員が心身を害してしまったような場合。
会社が安全配慮義務違反を理由に
多額の損害賠償責任を負う
可能性があります。
この場合
いくら社員が「好きで働いている」とか
「もっとがんばりたい」と言っても
それだけで会社の責任が
なくなるわけではありません。
この点は
社員の情熱に頼りすぎて
社員を「真っ白な灰」にして
しまってはならないのです。

ところで
社員が燃え尽きることなく
働ける環境を作るためには
社長自身の働き方も見直す
必要があるかも知れません。
たとえば
中小企業の社長は
営業も、資金繰りも
人事も取引先とのトラブルも
すべてひとりで抱え込んでいる
ことが少なくありません。
社長自身が常に忙しくて
余裕のない状態では
社員の働き方に目を配ることも
難しくなってしまいます。
そして
そんな会社ほど
何かトラブルが起こると
社長が自ら対応せざるを得なくなり
ますます忙しくなるという
悪循環に・・・。
ただでさえ忙しい社長が
社員や取引先とのトラブルに振り回され
本業に集中できなくなってしまう
ケースもよく見聞きします。
だからこそ
日頃からトラブルを予防する仕組みを
作っておくことが大切なのです。
契約書を整備して
取引先とのトラブルを防いだり
就業規則や労務管理の仕組みを整えて
社員とのトラブルを防ぐ。
そして
問題が小さいうちに早めに
弁護士などの専門家に相談する。
こうした地味な取り組みの積み重ねが
社長や社員が安心して
長く仕事に情熱を注ぎ続けられる
環境につながります。
私自身
弁護士の仕事を始めて23年目になります。
毎日書いているこのブログは
先日毎日更新2000日を達成しました。
私も50代になり
一時的にがんばって燃え尽きるよりも
情熱を失わず
長く続けていくことに
魅力を感じています。
小さな炎かも知れませんが
情熱を絶やさず長く燃やし続けること。
そして
人生の最後を迎えるとき
と思えれば
それが私にとっての「真っ白な灰」
なのかも知れません。
ちばてつやさんのご冥福を
心よりお祈りしたいと思います。
それでは
また。
◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。