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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【社員のうつ病】「休みたくない」と言われた場合に、会社はどう対処すべきか?

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社員が「うつ病」になった場合、

通常は会社はその社員の「休職」

を検討します。

 

 

しかし、

社員から「休みたくない」

「働きながら治療をしたい」

と言われることがあります。

 

 

そんなとき、

会社としてはどう対処したら

良いのでしょうか?

 

 

 

(たまには休みたい??)

 

<毎日更新699日目>

「うつ病」なのに仕事「休みたくない」?

今や、

うつ病患者の国内総数は

500万人以上、

国民の約4%がうつ病に

かかっているという時代です。

 

 

しかも、

うつ病患者は、

働き盛りの40代、

50代がもっとも多いとか。

 

 

こうなると、

うつ病はもはや、

誰がいつかかってもおかしくない

病気かも知れませんね。

 

 

最近、

社員の様子が少しおかしい。

 

 

仕事上のミスが多いし、

朝の遅刻も多いし、

なんとなく元気がない。

 

 

これは、

実は「うつ病」の兆候(ちょうこう)

かも知れません。

 

 

「うつ」っぽい社員がいるのに、

会社が放置していると、

もしその社員の「うつ病」が

悪化した場合、

会社は法的責任が発生する

可能性があります。

 

 

この点、会社は社員が

その生命・身体等の安全に

配慮した職場環境を整えるという、

「安全配慮義務」を負っています。

 

 

「うつ病」の疑いのある社員を、

なんらの対処もせずに

そのまま働かせていれば、

会社はこの「安全配慮義務違反」

に問われる可能性があるわけです。

 

 

そこで、

このような場合は、

会社はまずその社員に対して、

専門の精神科ないし心療内科

の医師の診断を受けさせることです。

 

 

この点、

会社の就業規則にその定めが

あれば、

会社は医師への受診をそ

の社員に命じることができます。

 

 

また、

仮に就業規則の定めがなくても、

会社の安全配慮義務を

実行するために、

医師への受診を命じることが

できるとされています。

 

 

ただ、この場合、

会社としては、

できるだけその社員の気分を

害しないような配慮が

必要でしょう。

 

 

いきなり病院に行けと

決めつけたり、

医者に行けと強制するような

言い方はやめた方が良いです。

 

 

そして、

医師の診断を受けた結果、

「うつ病」だと診断された場合は、

次に、その社員の「休職」を

検討することになります。

 

 

会社としては、

その社員にしばらく「休職」

してもらって、

完全に「うつ病」を

治してから復職してもらいたい。

 

 

しかし、

社員としてみれば、

休んでいる間に自分のキャリアが

中断してしまいますし、

真面目な社員ほど休みたがらない

傾向もあったりします。

 

 

うつ病になっても、

休職はしたくない、

働きながら「うつ病」の治療をしたいと

言われた場合、会社としては、

どのように対応したら

良いでしょうか?

 

 

 

 

会社としてどう対応すべきか?

ここで、

気をつけなければならないのは、

安易に社員の申し出を

間に受けないことです。

 

 

医師から「うつ病」と診断

されているにもかかわらず、

引き続き従来の職場で働かせて、

もしうつ病が悪化してしまうと、

それこそ会社の安全配慮義務違反

となってしまいます。

 

 

そこで、

このような場合は、

会社としては悩ましいですが、

まずは主治医の意見を

聞くことでしょう。

 

 

「うつ病」にも

いろいろな段階があり、

それほど重くなければ、

仕事を継続しながら治療をする、

という方法もあり得るからです。

 

 

また、

その場合でも、

その社員を従来の職場に

そのままの形で戻すのは

危険です。

 

 

というのは、

社員の「うつ病」というのは、

多くの場合、

会社での働き方や仕事の内容、

人間関係などが原因となって

いることが多いからです。

 

 

その「原因」に手をつけずに、

そのまま社員を戻してしまうと、

やはりうつ病が悪化する

危険性があるでしょう。

 

 

そこで、会社としては、

可能な限り柔軟な働き方を

提案してみることです。

 

 

例えば、

在宅勤務や短時間勤務、

フレックスタイム制度を適用

することなどが考えられます。

 

 

また、

その社員の仕事量を調整し、

負担を軽減することも必要でしょう。

 

 

さらに、

これは他の社員の協力も必要ですが、

その社員のメンタルヘルスを

サポートする体制も作る

必要があります。

 

 

何かと大変ですが、

その社員が仕事をしながら

「うつ病」を治療することが

できれば、長い目で見れば

会社の生産性の向上や

社員の満足度にも

つながるわけです。

 

 

他方で、

主治医に相談した結果、

「今は休ませた方が良い」

ということであれば、

社員の意向には反しますが、

やはり会社としては「休職命令」を

出さざるを得ません。

 

 

社員に対しては、

今は休んで病気を直すことに

専念すべきだということで、

説得するしかないでしょう。

 

 

その際、

注意すべきことは、

必ず医師の「診断書」を

とっておくことです。

 

 

というのは、

このように「休みたくない」と

言っている社員に休職を命じる場合、

もし診断書がないと、

後から

不当に休職させられた

などと訴えられる

リスクがあるからです。

 

 

いずれにしても、

これだけ「うつ病」が多いと、

どの会社もいつ自社の社員が

「うつ病」になるかわかりません。

 

 

「うちは大丈夫」などと思わずに、

社員が「うつ病」になった場合の

対処法をきちんとシミュレーション

しておかれることをお勧めします。

 

 

また、これを機に、

社員の休職に関する就業規則も

整備しておかれた方が良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

 社員の「うつ病」は、他人事ではありません!

ということです。

 

 

それにしても、

社員が「うつ病」になってしまう

ことも大変ですが、

中小零細企業の場合は、

何より社長が「うつ病」に

かからないように

気をつけなければなりません。

 

 

もし社長が「うつ病」で

何ヶ月も働けなくなってしまったら、

それこそ会社の経営も非常に

危うくなるでしょう。

 

 

社長業というのは、

たいてい非常に忙しいですが、

常日頃からメンタルの健康には

気をつけておきたいものですね。

 

 

それでは、また。

 

 

下記の関連動画もご覧ください!

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、いったん契約を締結した後で、その後の原材料費の高騰を理由に、値上げを求めることはできるか?こんなテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

 昨晩は、久しぶりに小中学校時代から付き合いのある親友と食事。渋谷のジンギスカン「洋一」へ。羊の肉は「臭い」と勘違いしている人もいますが、臭みもなく食べやすい。しかも牛肉よりもカロリーが少ないので、オジサンたちでも結構食べられてしまうのです。

https://teiichirou.com/206/

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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