「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

原材料高騰に加えて「家賃も値上げだって」 いや、それちょっと待って!

不動産賃貸

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原材料の高騰で、

ただでさえ利益が減っているのに、

今度大家さんから「家賃値上げ」

の通告が・・・。

 

 

しかし、

「家賃」というものは本来、

大家さんが勝手に上げられる

というものではありません。

 

 

 

(今日の「棒人間」)

 

<毎日更新728日目>

家賃値上げだから、ラーメンも値上げ??

先日、

近所にあるちょっとした

「隠れ家」的なラーメン屋さんで、

カウンターで1人ラーメンを

すすっていたときのこと。

 

 

(このシンプルなラーメンがなんとも美味い)

 

 

店長さんが他のお客さんとの

会話でのぼやきが

聞こえてきました。

 

最近は物価が上がっちゃって、ラーメンの材料費も値上がりして大変なんですよ。

なるほど、それは大変ですよね〜。

おまけにね、先日この店の大家さんから連絡がって、店の家賃も値上げするって言うんですよ。

お店の家賃も上がっちゃうんですか?

そうなんですよ〜。
もうこうなると、ラーメンの値上げをするしかないですよ(泣)

 

 

 

 

ンンン、

ちょっと待った!

 

 

たしかに、

最近の物価高は大変です。

 

 

ラーメンを作るのにも、

小麦をはじめとした

原材料がかかります。

 

 

ですから、

原材料の高騰でラーメンの値上げを

せざるを得ないのはわかる。

 

 

というか、

むしろ我慢して自滅するより、

値上げした方が良いでしょう。

 

 

ただ、

大家から「家賃の値上げ」

を言われたから、

ラーメンも値上げってのは、

どうなんでしょう?

 

 

 

 

 

大家さんが一方的に家賃を値上げするって、できるの??

 

何度かこのブログでも

書いているのですが、

法律的には、

いくら大家であっても、

いったん契約で決まっている家賃を、

一方的に値上げするなどということは

できません。

 

 

もし大家さんが、

貸している物件について、

家賃の値上げをしたいと考えた場合、

次ような手続きが必要です。

 

 

大家さんが、

家賃の増額請求ができる場合について、

借地借家法という法律で、

次のように定めています。

 

 

土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったとき

 

ですから、まず、

こうした状況がなければ、

家賃の増額の請求はできない

ことになります。

 

 

では、逆に、

大家さんがこうした近隣の物件と

比較して、家賃が不相当になった

と判断した場合は、

一方的に値上げができて

しまうのでしょうか?

 

 

この点、

借地借家法の建て付けは、

あくまで家賃の増額については、

貸主と借主という当事者間の協議、

つまり話し合いによって決める

ことを前提にしています。

 

 

ですから、

仮に大家(貸主)が家賃の増額を

求めたとしても、

借主がそれに「No」と言った場合には、

一方的に値上げをすることは

できないのです。

 

 

そういう場合、

大家としては、

当事者間で協議しても家賃の増額の

合意ができないときは、

家賃の増額を求める調停なり

裁判なりを起こす必要があります。

 

 

その中で、

大家(貸主)は、

現在の家賃が近隣の物件等の相場と

比較して不相当である、

ということ等を客観的に証明する

必要があります。

 

 

そんなわけで、

大家(貸主)としては、

家賃の値上げをしたいと思えば、

借主と話し合って合意するか、

合意できなければ、

調停や裁判といった手続きを

経る必要があるわけです。

 

 

しかも、

調停や裁判では、

現在の家賃が不相当であることを

証明しなければならない。

 

 

そんなわけで、

法律的にいうと、

大家さんが現在の家賃の

値上げを求めることは、

かなりハードルが高い

ことが多いのです。

 

 

これは、

上記で見た借地借家法

という法律が、

基本的に借主を保護

するための法律である

ことによります。

 

 

すなわち、

大家の都合で一方的に

家賃を値上げできる、

ということになったら、

物件を借りている方は

たまらないでしょう。

 

 

いつ大家から値上げ

されるかわからない、

ということになると、

安心してその借りている

物件に住んだり、

そこでビジネスをすることなど

できなくなってしまいます。

 

 

そんなわけで、

大家からの一方的な値上げは、

上記の借地借家法で

制限されている、

というわけです。

 

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

 大家さんが一方的に家賃の値上げを決められるわけではない!

ということです。

 

 

しかし、

このことを知らずにお店

をやっている、

という人が世の中

結構多いのです。

 

 

もし値上げに合意してしまうと、

それはそれで、

新たな契約となってしまうので、

後から

 やっぱり元の家賃に戻して

とは言えなくなって

しまいます。

 

 

 

借りる方もしっかりと

法律の知識を身につけないと、

損をします。

 

 

もし大家さんから

「家賃を値上げしたい」

と言われたら、

まずは弁護士に相談してみる

ことをオススメします。

 

 

 

法律相談のお申し込みはコチラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、新入社員を採用して、いわゆる試用期間後の本採用拒否ができる場合とできない場合、こんなテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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昨日は、連休の中日ですが事務所に行って軽く仕事を。
夕方書店に寄って、息子の問題集を買って帰りました。
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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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