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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【業務委託契約】「雇用契約」と判断されるリスクについて

業務委託契約

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「雇用契約」に比べて、

会社側にとって縛りが少ないのが

「業務委託契約」

 

 

しかし、

「雇用」か「業務委託」かは、

形式的な契約の名称ではなく、

働き方の実態などで判断されます。

 

 

「業務委託契約」だと思っていたのに、

後から「雇用契約」と

判断されることがありますので、

注意が必要です。

 

 

 

(今日の「棒人間」 業務委託は簡単に契約解除できる?)

 

<毎日更新745日目>

うちは「業務委託」だからいつでもリストラできる?

採用してみて、使えない社員だったら、すぐに辞めてもらいます。
うちは「業務委託契約」だから、いつでも契約解除できるんです。

こんなことを言っている

経営者がたまにいます。

 

 

確かに、

実際に社員を雇う「雇用契約」よりも、

「業務委託契約」の方が、

会社にとって都合のよい

部分があります。

 

 

「雇用契約」の場合は、

会社側には社会保険の

加入義務が生じたり、

働かせる時間によっては

残業代の支払い義務が

生じたりします。

 

 

また、

「雇用契約」では、

解雇(契約の解除)が厳しく

制限されていますので、

能力不足の社員だからと言って、

簡単に解雇はできません。

 

 

「業務委託」の場合は、

中途で解約というのも、

雇用に比べれば圧倒的に

やりやすい。

 

 

なので、

社員との契約は、

「雇用契約」にしないで、

「業務委託契約」にした方が良い、

こんな風に考えている経営者が

おられます。

 

 

しかし、

問題なのは、

「雇用契約」なのか、

「業務委託契約」なのかは、

形式的な契約の名前や、

契約書の名称で決まる

わけではない、

という点です。

 

 

あくまで、

会社との関係や、

働き方の実態を見て

判断される、

ということです。

 

 

もっと言えば、

「業務委託契約」だと

思っていたけれど、

後々裁判などで、

 それは「雇用契約」です!

と判断されてしまう

場合がある、

ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「業務委託」と「雇用」の判断基準

それでは、

「業務委託契約」と「雇用契約」は、

どのようにして判断される

のでしょうか。

 

 

大まかなイメージとしては、

働く人が、

会社などの使用者に対して「従属」しているか否か

というのがポイントです。

 

 

「雇用契約」であれば、

社員は会社の業務命令に

従わなければなりませんし、

会社に従属した立場です。

 

 

これに対して、

「業務委託契約」は、

フリーランスのように、

使用者からある程度

自由な立場にあり、

任される仕事にも

一定の裁量が

与えられています。

 

 

具体的には、

以下の要素によって

判断されます。

 

 

仕事の依頼に対する諾否の自由の有無

仕事を頼まれて、

断る自由があるかどうかです。

 

 

「業務委託契約」ならば、

あくまで当事者は対等なので、

断れるはず。

 

 

しかし、

「雇用契約」となると、

労働者は、

使用者の業務命令に従う義務が

ありますので、断る自由は

原則としてありません。

 

 

つまり、

仕事の依頼に対する諾否の自由がないと、

「雇用契約」と認定されやすく

なってしまいます。

 

 

時間的・場所的拘束の有無や、その強さ

これが強いと、

やはり「雇用契約」になりやすくなります。

 

 

働く場所(現場)を指示されていて、

しかも、働く時間も午前9時から午後5時まで

と決まっていて、働く側がその辺を

自由に決められないような場合、

ですね。

 

 

逆に、

その辺がある程度働く側に裁量が

あるような場合は、

「業務委託契約」に

なりやすくなるでしょう。

 

 

たとえば、

頼まれた仕事が終わったら

早く帰れるとか、

空いた日に別の仕事を

入れることができる、

などですね。

 

 

業務遂行に関する具体的な指揮監督の有無

「雇用契約」の場合は、

あくまで使用者の指揮監督のもとに

「労務」を提供しますので、

細かい業務命令や指揮監督を

受けることになります。

 

 

しかし、

「業務委託契約」であれば、

「仕事を完成させる」

までのプロセスは、

ある程度働く人に

自由裁量があります。

 

 

ですから、

「業務委託契約」である

にもかかわらず

そうした自由がなく、

細かい指揮監督を受けるとか、

使う道具や機材などもこと

細かく指定される、

などと言った場合は、

「雇用契約」と判断されやすく

なります。

 

 

何に対して報酬が支払われるか

仕事の対価として支払われるものが、

働いた日や時間を基準に

決められるような場合は、

「雇用契約」になりやすいでしょう。

 

 

他方で、

あくまで出来高払いとか、

完成した仕事の対価として

支払われる場合は、

「業務委託契約」になりやすい要素です。

その他の要素

その他にも、

下記のような要素があると、

雇用契約だと判断されやすく

なります。

 

・仕事で使う器具や道具などが会社負担によって用意されている
・報酬の額が、一般の社員(雇用契約)と同一(手当や名称や額など)
・専属性がある(その会社の仕事しかしないような状態)
・就業規則や服務規律の適用がある
・給与所得として源泉徴収している
・報酬を「賃金」とか「給料」という用語で呼ぶ、「給与明細」が発行されている 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

 「業務委託」と思っていたのに、「雇用」と判断される場合があるので要注意!

ということです。

 

 

要するに、

「雇用契約」に伴う労働法の

厳しい規制を免れるために、

安易に「業務委託契約」と

やってしまうことは危険だ、

ということです。

 

 

それがまかり通るなら、

世の中は大企業も含めて、

「業務委託契約」だらけに

なってしまうでしょう。

 

 

「業務委託」だと思ったのに、

後で「雇用」と判断される

ようなことのないように、

「業務委託」と「雇用」の違いは

きちんと理解しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、固定残業代だから残業代の計算が不要になるのか?固定残業代制度の誤解とリスク、というテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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昨日は、午前中から事務所で仕事。午後はお客様との打ち合わせなど。
あまり体調が良くなかったので、夕方は早めに帰宅しました。

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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