「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【時効制度】放っておくと代金が回収不能に??

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民事でも「時効制度」

というのがあって、

一定期間が経過すると

権利が消滅してしまいます。

 

 

そうならないための、

債権管理のポイントを

お話しします。

 

 

(今日の「棒人間」 水道代が時効で回収不能に??

 

<毎日更新764日目>

下水道代3563万円が回収不能に??

三重県鳥羽市というところで、

下水道料金など約3563万円が

回収できなくなったという

ニュースがありました。

 

 

これは、

2004年度から2017年度に

未払いとなっていた

下水道料金について、

市が滞納者に対して、

強制的に徴収する手続きを

怠っていたため、

時効が成立してしまい、

回収不能になったそうです。

 

 

こういう穴は、

結局税金で埋められる

ことになるわけですが、

どうして市がこんなミスを

してしまったのでしょうか?

 

 

実は、

取引上の代金債権なども、

一定期間放置していると、

時効にかかって回収

できなくなることが

あります。

 

 

 

 

 

民事の時効制度とは??

「時効」というと、

一般の人は、

刑事事件を思い浮かべる

かも知れません。

 

 

たとえば、

物を盗む窃盗罪という

犯罪を犯しても、

7年間捕まらなければ、

時効が成立し、

刑事事件として立件する

ことができなくなります。

 

 

民事の世界でも、

民法という法律で時効制度が

定められています。

 

 

民事の時効というのは、

簡単に言えば、

一定の期間の経過によって、

権利が消滅するというものです。

 

 

具体的には、

民法166条1項で、

債権者(権利者)が権利を行使できることを知った時から5年間その権利を行使しないとき

は、

権利が時効で消滅する

と定められています。

 

 

ですから、

たとえば取引先に対する

売掛金についても、

支払期限から5年間経過すると、

時効にかかってしまいます。

 

 

時間の経過によって

権利が消滅してしまう、

というのはちょっと変な

感じもしますね。

 

 

この点、

どうしてこのような時効制度が

定められているのか、

という点に関して、

 権利の上に眠る者は保護せず

という法格言があります。

 

 

要するに、

代金債権についても

きちんと管理して、

もし未払いがあればさっさと

請求しないといけません、

ということです。

 

 

 

 

 

時効にかかりそうになったらどうする?

しかし、

世の中には、

支払い期限に支払う

ことができず、

すいません、ちょっと支払いが厳しいので、少し待ってもらえませんか?

というケースがあります。

 

 

仕方がないので、

しばらく待っていたけど

支払いがない。

 

 

なんとなく、

そのままになってしまい、

気づいたら時効直前だった、

なんていうケースもあります。

 

 

そのような場合、

まだ時効完成前であれば、

打つ手があります。

 

 

時効の更新といって、

時効の期間を振り出しに戻す

(すなわち、また時効が5年伸びる)

という方法があります。

 

 

1つは、

改めて請求書を出すこと。

 

 

ただ、

その場合は、

それから6ヶ月以内に裁判手続き

などを起こす必要があります。

 

 

 裁判まで起こすのはちょっと・・・

という場合もあるでしょう。

 

 

そのような場合には、

もう1つ、

相手方(債務者)から

債務承諾書」という書面を

書いてもらうという方法が

あります。

 

 

たとえばこんな書面です。

 

 

債務の承認も時効の

更新事由であり、

債務者が自分の債務を

承認すると、

時効の計算はまた

振り出しに戻るわけです。

 

 

それでは,

相手がこうした

「債務承認書」を

書いてくれないときは,

どうしたら良いのでしょう?

 

 

この場合には,

残りの売掛金のうち,

ほんの一部だけでも,

たとえば1万円だけでも

とりあえず今すぐ

払ってもらえないかと

頼むという裏技があります。

 

 

5000円とか,

1万円とか少額であれば,

とりあえず払ってくれる

可能性は高くなります。

 

 

実は,

こうした行為は,

一部弁済といって,

債務者がこれを

やると,

やはり時効の更新

となります。

 

 

つまり,

ごく少額でも

一部の弁済をして

もらうことで,

売掛金全体の時効が

振り出しに戻るのです。

 

 

この時

注意すべきなのは,

一部の弁済を

してもらったことの

証拠を残すこと。

 

 

できれば,

銀行振り込みの形で

支払ってもらうのが

良いと思います。

 

 

このように、

自分の債権が時効に

かかりそうになった場合に、

いくつか打つ手があります。

 

 

とはいえ、

仮に時効が

振り出しに戻っ

としても,

5年も放置した

売掛金を全額

支払わせるのは実際上

とても骨が折れるのです。

 

 

そうならないために,

取引先の代金不払いはないか?

 

 

どうやって回収するか?

 

 

常日頃から,

自社の債権の管理には

気をつけたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、ジャニーズ事務所に新たに社外取締役が就任することに関連して、中小企業に社外取締役を置くメリットはあるかというテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

 一昨日と昨日の2日間、滋賀県の大津というところに出張していました。
私が所属するBBA(ビジネスブログアスリート)協会が主催する、BBAサミットに参加していたためです。これについては、また後日ブログで書こうと思います。

https://teiichirou.com/206/

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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