「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【建設業2024年問題】いったいどんな法的リスクがあるのか??

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建設業の「2024年問題」

と言われるものがあります。

 

 

今日は、

その建設業の「2024年問題」

の内容と、

その法的なリスクについて

お話しします。

 

 

 

(今日の「棒人間」 建設業と働き方改革)

 

<毎日更新825日目>

建設業2024年問題とは??

 1万4000事業所で違法残業??

厚生労働省が、

2022年度に長時間労働の

疑いで立入調査した全国の

事業所のうち、

1万4147事業所で、

違法な時間外労働が

あったと発表しました。

 

 

これは、

前年度よりも約3割増加

とのことで、

コロナ禍で停滞した経済活動

が本格再開し、

その影響で違法な残業の

増加につながった

とされているようです。

 

 

厚労省によれば、

全国で約3万3000の事業所に

立入調査を行なったとのこと。

 

 

そのうちの約5000事業所では、

残業と休日労働が過労死ライン

とされる月80時間を超え、

約3000事業所で残業代の

不払いが確認されたそうです。

 

 

この残業に関しては、

働き方改革関連法における

「上限規制」というものが

設けられています。

 

 

すなわち、

残業は原則として月45時間、

年間360時間までとされています。

 

 

ただし、

労使が特別に合意した場合には、

例外的にこれを超えて

残業させることができます。

 

 

しかし、

その場合でも、

以下の規制がかかります。

・年間720時間以内(休日労働は含まない)

・複数月平均で80時間以内(休日労働含む)

・月100時間未満(休日労働含む)

・月45時間を超えて良いのは年6回まで

 

ただ、

この残業の上限規制は、

建設業に関しては、

2024年3月31日までは、

適用が猶予されています。

 

 

すなわち、

現在のところは、

建設業については、

上記の上限規制の適用を

受けずに済んでいる

わけです。

 

 

ところが、

建設業でも、

いよいよ来年の

2024年4月1日より、

この上限規制が適用

されます。

 

 

そこで、

建設業においても、

社員の労働時間の見直しを

余儀なくされる、

それがいわゆる建設業の

「2024年問題」と

言われるものです。

 

 

 

建設業の現状

建設業を営んで

おられる方の中には、

 まだまだ先のことだ

と、

たかをくくって

おられる方も

いるかも知れません。

 

 

ところが、

建設業というのは、

いわゆる人手がたくさんかかる

労働集約型産業の典型です。

 

 

そして、

実際、

建設業では、

全産業平均と比較しても、

年間の総労働時間が

360時間以上も長い、

という問題が指摘されています。

 

 

さらに、

技術者の約4割が

4週間で4休以下の状況で

働いているようです。

 

 

その上、

追い討ちをかけるように、

この業界では慢性的な

人手不足に悩まされています。

 

 

今現在、

建設業の就業者の年齢構成は、

55歳以上が約36%、

29歳以下が約12%と

高齢化が進行しています。

 

 

人手不足ゆえに、

社員の長時間労働を

余儀なくされている、

そんな非常に困難な

状況があります。

 

 

しかし、

上記の上限規制の建設業への

適用猶予は、

来年3月で終わってしまいます。

 

 

もう残された時間は、

それほど多くありません。

 

 

 

 

いったいどんな法的リスクがあるのか??

さて、

この建設業の2024年問題、

いったいどんな法的リスクが

考えられるでしょうか?

 

 

1つは、

上限規制の適用によって、

「働ける時間」の総量が

減りますので、

今のままでは当然会社の

売上や利益の減少、

そして、

社員の収入の減少といった

問題が考えられます。

 

 

それに伴い、

社員から残業代請求を

受けるリスクが、

これまで以上に高まると

考えられます。

 

 

人手不足の業界であって、

さらに社員の収入が

減ったとなれば、

会社から人が離れていく

リスクがあります。

 

 

それに加えて、

社員が会社を辞める際に、

それまでの残業代請求を

会社に対して行う、

というパターンが今まで以上に

増える可能性があります。

 

 

さらに、

上限規制が適用された後も、

この規制に違反して違法な

残業を行ったような場合、

労働基準法違反で

摘発されたり、

労働災害事故が

起こったりするリスクも

あります。

 

 

そのような「事件」に

発展してしまうと、

さらに会社の信用リスクも

高まります。

 

 

すなわち、

「ブラック企業」の

レッテルを貼られて、

ますます人材の採用が

困難になる、

という悪循環が考えられます。

 

 

そんなわけで、

建設業の2024年問題、

いよいよ待ったなしの状況、

と言えるでしょう。

 

 

建設業を営む会社にとっては、

非常に厳しい現実が

待ち受けています。

 

 

しかし、

大切なことは、

現実から目をそらさない

ことです。

 

 

まず、

建設業の2024年問題の内容と、

その法的なリスクを正しく

理解しておくこと、

これが第一歩です。

 

 

その上で、

今から考えられる2024年問題の

法的リスクの対策を

どうすれば良いか、

それはまた明日

お話ししたいと

思います。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、弁護士の使い方、というお話で、弁護士を全面に出すか、それとも黒子として使うか、そんなテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日まで、檜原村というところで家族でキャンプ。
また例によって、川遊びやBBQを楽しんできました。

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裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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