社員が会社のパソコンを私的に
利用することを放置していると、
会社にとっては大きな
リスクになります。
こうしたリスクを避けるためには、
社員が会社のパソコンを
利用する際のルール化を
しっかりやっておくことです。
(今日の「棒人間」 社員のパソコンの私的利用を放置するのは危険??)
<毎日更新869日目>
実は、うちの会社の社員が、業務中に会社のパソコンで内緒でアダルトサイトを見ていた者がいまして、後で会社に高額の請求が来て大変なんです・・・。
会社支給のパソコンを、
社員に貸し与えて、
社員がそのパソコンを業務に
使用することはよくあることだと
思います。
その社員が、
会社のパソコンを業務にだけ
使ってくれれば良いのですが、
会社のパソコンを私的に
利用して問題となるケースが
あります。
過去に問題となったのが、
上記のようにアダルトサイト
を見て高額課金されるような
ケース。
あるいは、
会社のパソコンを使って、
インターネットで株の
売買をしていたとか、
メールで家族や友人と私的な
やり取りをしていたという
ケース。
果たして、
社員のこうした会社のパソコンの
私的利用をどのように考えるべき
でしょうか?
最近では、
パソコンを個人で持っていなくて、
スマートフォンが唯一の
インターネットに接続できる
端末である、
という人も少なくありません。
こうした人にとっては、
会社のパソコンが、
自分が唯一大きな画面で
インターネットに接続できる
端末だということになり、
ついつい私的に利用してしまう、
という傾向があるようです。
まずもって、
パソコンの私的利用の
問題を考えるにあたり、
社員の職務専念義務という
問題が出てきます。
つまり社員は会社から給料を
もらって働いています。
ですから、
勤務時間内は会社の職務に
専念すべきであり、
私的なことはやってはいけない、
ということになっています。
それならば、
休憩時間中はどうか?
と言われると、
少し微妙ですね。
もちろん、
休憩時間であっても、
アダルトサイトを見て
高額課金を受けるケースは
論外です。
それでは、
特にそういった課金などがない
Webサイトを閲覧したり、
メールなどに使用することは
どうなのでしょうか?
休憩時間とは、
本来社員の自由な時間ですから、
職務専念義務はありません。
ただ、
休憩時間であるからと言って、
会社のパソコンの私的利用を
放置すると、
会社にとっては思わぬ
リスクになります。
たとえば、
テレビを見て情報を得たとしても、
基本的にその事実は第三者には
知られません。
番組を放送したテレビ局も、
誰が自分の番組を見ているのかを
知ることはできません。
しかし、
インターネット上のWEBサイト
ということになると、
少し事情が違ってきます。
というのは、
WEBサイトは、
ある程度誰が閲覧したのかが
わかる仕組みになっている
からです。
場合によっては、
IPアドレスから、
その会社のパソコンからの
アクセスであることが
発覚してしまうことが
あります。
これは、
たとえば、
社員が脱法ドラッグの
販売サイトなど、
利用について社会的に強く非難を
浴びるようなWEBサイトに
アクセスしていた場合に、
問題となります。
WEBサイトの場合は、
テレビなどとは違い、
見るだけでIPアドレスの
記録という「足跡」が
ついてしまうわけです。
そうなると、
会社の社員が、
脱法ドラッグや不倫相手を
探すサイトなどに会社の回線から
アクセスをして、
それが元でその会社が
社会的な非難を浴びたり、
誹謗中傷にあったりする
危険があります。
また、
会社のパソコンからのメールの
私的利用も考えものです。
というのは、
会社のパソコンから、
社内の秘密情報を外部に
送信されたりする危険が
あるからです。
こういったリスクを考えると、
やはり会社の備品である
パソコンを使って、
社員が私的利用することは
ルールとしてきちんと
禁止しておいた方が安全でしょう。
確かに、
スマホしか持っていない
社員にとっては、
会社のパソコンを一切私的に
利用できなくなるのは
不便でしょう。
ただ、
社員は、
会社の備品である会社のパソコンを、
当然に私的に使う権利まで
持っているわけではありません。
パソコンを利用したければ、
インターネットカフェに行くか、
自分のお金でパソコンを
購入するのが筋でしょう。
ただ、
会社として気をつけ
なければならないのは、
社員に会社のパソコンの
私的利用を禁止する、
というルールをあらかじめ
しっかり定めておくことです。
そうしたルールもなく、
社員のパソコンの私的利用を
あいまいに放置していた場合は、
会社のパソコンを使った
社員の不祥事を誘発する
可能性があります。
それだけではなく、
いざという時に、
会社のパソコンを不正利用した
社員の責任を追及できなくなる
おそれもあります。
そこで、
たとえば就業規則において、
と明確に規定
しておくべきです。
そして、
もし社員がそれに違反した場合の
懲戒処分の規定も、
整備しておくべきでしょう。
社員の不祥事というものは、
そもそも会社内で明確な
ルール化がなされておらず、
あいまいな運用がなされている
ことが原因で起きることも
少なくありません。
就業規則によって
ルール化することは、
社員に対しても、
禁止される行為を
明確化するという意味で、
不祥事が起きる
予防になるのです。
インターネット社会においては、
会社にとっても様々な
リスクがありますので、
しっかりと普段から手当ては
しておきたいものです。
それでは、
また。
裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール
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今回は、ネット上の誹謗中傷で、傷つけられた会社の名誉をどうやって回復するか、こんなテーマでお話しています。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。