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渋谷の弁護士吉田悌一郎

中小企業の事業承継、その3つの方法とメリット・デメリットについて

事業承継問題

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我が国の大きな課題の

1つと言われている

中小企業の事業承継。

 

 

今日は、

この事業承継の3つの方法と、

そのメリット・デメリット

についてお話しします。

 

 

 

(今日の「棒人間」 事業承継は大きな課題?)

 

<毎日更新916日目>

中小企業の「事業承継」は待ったなし?

これはワシが作った会社。
ワシの目の黒いうちは、誰にも渡さん!

社長さん、

そんなことを言っている

場合ではないんです。

 

 

今、

70歳を超える中小企業経営者が

約245万人となり、

そのうちの約半数の

127万人が後継者未定

だとのデータがあります。

 

 

これは日本企業全体の

約3割にあたります。

 

 

この状況を放置すると

廃業等によって今後10年間で

約650万人の雇用と

約22兆円のGDPが

失われる可能性があると

指摘されています。

 

 

要するに、

日本の会社は社長が

高齢化しており、

事業承継を進めることが

大きな課題となっています。

 

 

事業承継が進まない

1つの原因として、

創業社長などがいつまでも

「社長」の座にい続けて、

後継者に引き継ぎをしない、

という問題があります。

 

 

創業社長というのは、

自分の力で会社を立ち上げ、

今まで引っ張ってきた、

という自負があります。

 

 

それだけに、

自分のやり方に絶対的な

自信を持っていて、

人のいうことに耳を傾けない、

という方もおられます。

 

 

しかし、

若い頃どれだけ能力が

高かった人でも、

残念ながら歳をとると

確実に衰えてきます。

 

 

気づいた時には

会社の経営が傾いてしまい、

慌てて事業承継を進める。

 

 

しかし、

会社が悪くなった状態で

引き継がれても、

後継者は苦労します。

 

 

後継者が見つかれば

まだ良いですが、

そんな経営が悪化した会社を

誰も継ぎたがらない、

というケースも少なくありません。

 

 

ですから、

やはり会社の経営が良い状態の時に、

事業承継を着々と進めていく、

これが一番なのです。

 

事業承継の3つの方法

事業承継は、

一般的に言われている分類としては、

①親族内承継
②親族外承継(役員・従業員承継)
③社外への引き継ぎ(M&A等) 

の3つがあると言われています。

 

 

①の親族内承継は、

現経営者の子どもをはじめとした

親族に会社を承継させるものです。

 

 

社長の息子や娘が跡を継ぐ

とをいうのが典型的なパターンですが、

娘婿とか兄弟姉妹が跡を継ぐ

というパターンも多く見られます。

 

 

わが国では、

中小企業の経営は「家業」という側面があり、

現経営者の親族が跡を継いで

後継者になる親族内承継が

最も多くなっています。

 

 

他方、

②の親族外承継は、

主に現経営者の親族内に

適切な後継者がいない場合

などに用いられる方法です。

 

 

長年現経営者の片腕となって

会社を支えてきた会社役員や従業員などが、

現経営者から経営権を引き継いで

後継者となるパターンです。

 

 

親族内で後継者がいないとか、

息子や娘はいても、

親の会社経営にはまったく無関心で、

それならば長年その会社のことを

知り尽くしている古参の役員や

従業員に経営権を渡そう

とするものです。

 

 

③の社外への引き継ぎは、

いわゆるM&Aといって、

会社の合併や買収などの

手法が用いられます。

 

 

会社の合併は、

2つ以上の会社が1つになること、

買収は、

ある会社が他の会社を

買うことです。

 

 

親族内にも親族外にも

適当な後継者がいない

という場合などに、

まったく別の会社と合併したり、

買収されたりすることが

これにあたります。

 

 

 

 

3つの方法のメリット・デメリット

親族内承継のメリット・デメリット

まず、

親族内承継のメリットとしては、

後継者を早いうちから

決定することができれば、

後継者教育等のために

長期の準備期間を確保

することが可能になります。

 

 

そして、

親族内承継は、

社長の息子や娘が

跡継ぎになることが

多いわけです。

 

 

そうすると、

他の方法と比べて、

会社の従業員や取引先など

内外の関係者から事業承継が

心情的に受け入れられやすい

と言われています。

 

 

やはり、

上記のように日本の

中小企業は「家業」という

側面があるため、

社長の息子や娘が跡を継ぐ方が、

周囲が納得することが

多いようです。

 

 

他方で、

親族内承継の

デメリットとしては、

現経営者の相続人が複数いる場合、

何も手を打たなければ

後継者以外の相続人も

平等に相続権が

発生してしまいます。

 

 

そうすると、

現経営者の死後に相続人の間で

相続争いが発生した場合に、

事業承継が困難になって

しまう点があげられます。

 

 

また、

中小企業の経営者は、

通常会社の銀行借入の

保証人になっていますので、

この個人保証債務を親族である

後継者にどう引き継がせるか

(引き継がせないか)の対策や、

相続税対策などが必要

となる点があげられるでしょう。

 

 

親族外承継のメリット・デメリット

他方、

親族外承継(役員・従業員承継)は、

親族内に適当な後継者が

いないという場合、

社内の事情をよく

知っている人材から

後継者を求めることが

できる点がメリットです。

 

 

そして、

特に会社に長期間勤務していた

古参の役員や従業員が

承継する場合には、

それまでの企業文化を

承継しやすく、

経営の一体性が保ちやすい

とも言われています。

 

 

反面、

親族外承継の場合、

事業を承継する

役員なり従業員なりが、

会社の株式を買い取る

などして経営権を

取得する必要があります。

 

 

しかし、

この後継者となる人が

株式を買い取るだけの

資金を持っていない場合に、

事業承継が困難となって

しまう点がデメリット

と言えるでしょう。

 

 

さらに、

親族内承継の場合と同様に、

個人保証債務の

引き継ぎの問題や、

税務対策も問題となります。

 

 

社外への引き継ぎ(M&A)のメリット・デメリット

社外への引き継ぎ(M&A)

のメリットとしては、

親族や社内に適当な

後継者がいないという場合、

広く事業を引き継いでくれる

候補者を外部から求める

ことができる点にあります。

 

 

さらに、

M&Aの場合、

通常は合併相手や買収相手は

豊富な資金力を有している

ことが多いので、

従業員の雇用や取引先との

関係が維持されやすい

と言われています。

 

 

また、

現経営者にとっても、

たとえば買収などの

買取代金が入手でき、

その一部を手元に残すことで、

これまでの負債を清算することや、

その後の生活の原資を

得られる可能性があります。

 

 

他方で、

社外引き継ぎ(M&A)

デメリットとしては、

合併なり買収なりの相手を

探さなければならないため、

その手間と時間が

ある程度かかります。

 

 

 

また、

合併や買収にあたり、

相手方との間で譲渡価格や

取引条件などの合意を

しなければなりません。

 

 

もし合意ができなければ

事業承継が困難になってしまう

点もデメリットと

言えるでしょう。

 

 

ただ、

最近では、

親族内承継も、

親族外承継も、

社内に会社を引き継ぐ

後継者がいないという

深刻な問題をよく

聞きます。

 

 

そこで、

第三者に承継させる

M&Aが注目を集めています。

 

 

中小零細企業にとっては、

M&Aの手法として、

「株式譲渡」という手法が

取られることが多いです。

 

 

そこで、

明日は、

「株式譲渡」というM&Aの

手法についてお話しします。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

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活動ダイジェスト

連休最終日の昨日は、午前中は自宅で仕事、ブログやYouTubeの台本など。
お昼頃軽くランニングに行き、その後は近所の町中華で遅めの昼食。
午後はお昼寝をしたりしてのんびり過ごしました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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