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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【事業承継】M&Aで株式譲渡契約を行う場合の3つの注意点

事業承継問題

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事業承継の1つで、

他社に「株式譲渡」を行って、

その会社の営業を

引き継がせるという

方法があります。

 

 

この「株式譲渡契約」を

スムーズに行うための注意点を

まとめてみました。

 

 

 

(今日の「棒人間」 M&Aは円滑な事業承継の方法?)

 

<毎日更新917日目>

事業承継の1つの方法である株式譲渡によるM&A

昨日のブログでは、

中小零細企業で「事業承継」が

大きな課題になっている

というお話をしました。

 

 

中小企業の事業承継、その3つの方法とメリット・デメリットについて

 

事業承継は、

一般的に言われている

分類としては、

 

①親族内承継
②親族外承継(役員・従業員承継)
③社外への引き継ぎ(M&A等) 

の3つがあると言われています。

 

 

③の社外への引き継ぎは、

いわゆるM&Aといって、

会社の合併や買収などの

手法が用いられます。

 

 

このM&Aの1つの方法として、

他社の株式を買い取って

事業承継を行う、

という方法があります。

 

 

たとえば、

A株式会社は社長が

高齢化していて、

後継者がいません。

 

 

そこで、

別のB株式会社が、

このA株式会社の株式を買取り、

A株式会社の経営権を

握ることで、

A社の事業をB社が

引き継ぐという

事業承継の方法です。

 

この場合、

A社の株主と、

B社との間で、

A社の株式をB社に

譲渡する「株式譲渡契約」

を結ぶということに

なります。

 

 

そして、

A社の株主名簿を書き換え、

B社がA社の株主となって、

経営の引き継ぐというものです。

 

しかし、

この「株式譲渡」による

事業承継の場合、

気をつけないと思わぬ

トラブルになってしまう

ことがあります。

 

 

こうしたトラブルを予防

するために必要な注意点を

まとめました。

 

 

M&Aで株式譲渡を行う際の3つの注意点

ポイント1)株券が発行されているか?

まず、

チェックしなければならない

1つ目のポイントは、

A社の株式について、

「株券」が発行されて

いるかどうか、

という点です。

 

 

「株券」とは、

簡単に言えば、

株主としての権利を証明する

ペーパーのようなものです。

 

 

昔は、

すべての株式会社は、

法律上「株券」を発行する

ことが義務づけられていました。

 

 

しかし、

2004年に法律が改正されて、

株券不発行制度が認められる

ようになりました。

 

 

そこで、

今では「株券」を発行しない

株式会社が多くなりました。

 

 

ところが、

昔の古い会社などでは、

株券不発行制度が

とられていなくて、

いまだに「株券」が残って

いる会社もあります。

 

 

「株券」が発行

されている会社では、

株式を譲渡するためには、

実際に「株券」(ペーパー)

売主から買主に交付する

必要があります。

 

 

株券不発行会社では、

株式譲渡に際しては、

単に株主名簿を

書き換えれば良いわけです。

 

 

ところが、

この株券不発行制度が

とられていない会社では、

株主名簿の書き換えだけではなく、

「株券」の交付がないと、

法律上株式譲渡の効力がない、

とされています。

 

 

もし、

上記のA社について、

「株券」が発行されていて、

しかもその「株券」が複数の

株主に分散していたりすると、

結構厄介なことになります。

 

 

ですから、

譲渡する会社(A社)

株式について、

「株券」が発行されているか

どうかを必ず確認する

必要があります。

 

 

ポイント2)株式の譲渡制限の有無を確認する

もし仮に、

株券不発行制度が

とられている会社であっても、

上場していない多くの

中小零細企業においては、

株式の譲渡制限があることが

非常に多いです。

 

 

この株式の譲渡制限とは、

株主が株式を譲渡する場合には、

その会社の株主総会や

取締役会の承認を必要とする、

というものです。

 

 

上場していない

中小零細企業の場合には、

会社の株式を他社に

買い占められて、

会社が乗っ取られたりする

ことを防止する必要があります。

 

 

そのため、

非常上の中小零細企業では

株式の譲渡制限をつけることが

できることになっています。

 

 

事業承継を行う場合の

株式譲渡契約の際には、

必ず株式を譲渡する会社(A社)

の株式について、

譲渡制限があるかどうかを

確認することが必要です。

 

 

そして、

もし譲渡制限があれば、

その会社において株式の

譲渡を承認する手続き

(株主総会や取締役会の決議)

行うことが必要です。

 

 

ポイント3)株式譲渡に関する契約書面を整備すること

株式譲渡による

事業承継を行う場合に、

この株式譲渡に関する

契約書面をきちんと

整備することがとても

重要です。

 

 

こうした契約書面に

あいまいな部分があったり、

重要事項が抜けていたりすると、

後々トラブルの元になり、

最悪は「裁判沙汰」にまで

発展する危険もあります。

 

 

具体的には、

「株式譲渡契約書」という

書面を作成するわけですが、

そこには、

譲渡する株式数や譲渡の価格

といった基本的な事項を

定めておきます。

 

 

さらに、

M&Aにおける

「株式譲渡契約」では、

売主の「表明保証」も

取っておく必要があります。

 

 

これは、

株式の譲渡を受けることにより、

譲り受ける会社としては、

その会社の資産だけではなく、

債務なども引き継ぐことに

なります。

 

 

もし、

株式譲渡の契約時には

明らかになっていなかった、

法令違反や簿外債務などが

後で発覚した場合、

譲り受ける会社は、

思わぬ損害を被る

可能性があります。

 

 

時折、

会社の決算書などの

会計書類には出てこない

隠れた債務があることがあり、

これを「簿外債務」と

言ったりします。

 

 

これは、

たとえば金融機関の融資を

受けやすくするために、

決算書を偽造するなどの

方法で行われることが

あるのです。

 

 

そこで、

売主(上記の例ではA社の株主)に、

こういった簿外債務や

法令違反などの問題がないことを、

譲受会社に対して

保証するものが、

「表明保証」と呼ばれる

ものです。

 

 

「表明保証」は、

本体の「株式譲渡契約書」

とは別の書面で作成される

ことも多いです。

 

 

また、

株式譲渡契約においては、

その過程で会社の内部情報が

開示されることになるため、

いわゆる「秘密保持契約」を

結んでおくことも必要に

なります。

 

 

 

 

株式譲渡契約は専門家に依頼した方が良い理由

このように、

事業承継の1つの方法としての

「株式譲渡契約」は、

後々のトラブル予防のために、

いくつか押さえておかなければ

ならないポイントがあります。

 

 

また、

「株式譲渡契約書」や「表明保証」、

「秘密保持契約」など、

さまざまな法的書面の作成も

必要となります。

 

 

こうした書面に不備があると、

後々トラブルや「裁判沙汰」に

陥る危険があります。

 

 

そこで、

「株式譲渡契約」を行う場合には、

なるべく弁護士などの専門家に

依頼することをお勧めします。

 

 

専門家が関与することで、

上記の株式譲渡において

注意すべきポイントも

押さえられますし、

法的書面の作成も

すべて依頼することができます。

 

 

いずれにしても、

我が国の大きな課題と

されている中小企業の事業承継。

 

 

その中でも、

M&Aの手続きを円滑に進めるために、

株式譲渡契約において

注意すべきポイントは

ぜひ押さえておきたいものです。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

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今回は、会社のパソコンを社員が私的利用することを制限できるか?というテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、午前中は自宅で仕事。
午後は、事務所へ出勤して、新規のお客様の法律相談や、既存の案件のお客様との打ち合わせなど。
夕方は息子を学童保育にお迎えに行き、その後歯科医へ。
夜は家族で近所のくら寿司へ行きました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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