「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【団交中にパワハラ??】「この程度で?」ではすまない昨今のパワハラ事情

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昔は特に問題に

ならなかったことでも、

今は「パワハラ」として

糾弾されることが

あります。

 

 

「こんな程度でパワハラになるの?」

という感覚は危険です。

 

 

ハラスメントについて、

今の時代に合わせた意識の

リニューアルが必要です。

 

 

 

(今日の「棒人間」 それは「パワハラ」です)

 

<毎日更新945日目>

団交中に部下の頭にペン??

う〜ん、この程度でパワハラといって騒がれるのですか?

こんな感覚をお持ちになる方も、

もしかしたらおられるかも

知れません。

 

 

岐阜県で、

県の職員組合との団体交渉中に、

県側の一員として参加していた

総務部長の男性が、

持っていたペンを振って、

同じく県側で同席していた

部下の職員の頭に当てた、

という事件がありました。

 

 

部長は、

この団体交渉中に、

この部下を呼び寄せて

指導する際に、

持っていた蛍光ペンを振り、

この部下の頭に当てた

そうです。

 

 

部長としては、

この部下が

 時間管理をできていなかったので、しっかりしろよと指導する際、不用意にペンを振った

と説明しているそうです。

 

 

この行為について、

県は、

「指導に必要のない行為だった」

として、

「パワハラ」であると

認定しました。

 

 

結局、

この総務部長は戒告の

戒処分となり、

他部署に異動となった

そうです。

 

 

ちなみに、

団体交渉というのは、

労働組合などのように、

労働者(社員)が集団となって、

会社側との間で、

労働条件やその他の

労使関係のあり方について

交渉することを言います。

 

 

これは日本国憲法28条が

保障する労働者の団結権・

団体交渉権・団体行動権という

いわゆる労働三権の1つです。

 

 

こうした団体交渉の場において、

県側の職員間でパワハラが行われた、

というのが今回の事案です。

 

法的に「パワハラ」になる基準

最近、

会社でもなにかと

話題になっている

「パワハラ」

 

 

法的に、

いったいどのような行為が

「パワハラ」に該当するのか、

ということについては、

労働施策総合推進法

(通称・パワハラ防止法)という

法律に定義があります。

 

 

そこでは、

「パワハラ」とは、

① 優越的な関係を背景とした言動であって
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるもの

を言うとされています。

 

 

つまり、

法的に「パワハラ」と

認定されるためには、

この3つの要件すべてを

満たす必要があります。

 

 

上記の岐阜県の例に当てはめますと、

まず総務部長という管理職と

一般職員ですので、

職階上の「優越的な関係」

があることはわかります(①)。

 

 

また、

②の業務上必要な範囲を

超えたものについては、

指導の際にペンを部下の

頭に当てることが、

業務上の必要の範囲を

超えていることは、

明らかでしょう。

 

 

③の、

それによって労働者の

就業環境が害されたかどうかは、

少し検討が必要かも知れません。

 

 

別に怒鳴られたわけでも、

殴られたわけでもなく、

手に持っていたペンを

軽く頭に当てただけ、

とも言えそうです。

 

 

これによって、

果たしてその職員の就業環境が

害されたと言えるかどうか?

 

 

この

「労働者の就業環境が害された」

というのは、

具体的にはどの程度の

ものを言っているのか?

 

 

この点は、

行為者の言動により、労働者が身体的または精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、就業する上で見過ごすことのできない程度の支障が生じることとなったかどうか

によって判断されるとされています。

 

 

要するに、

「平均的な労働者」を基準に、

就業する上で見過ごすことの

できない程度の支障が生じたか

どうかを判断することになります。

 

 

この点、

ペンで軽く頭に当てる行為、

といっても、

人の頭に何かを当てる

という行為自体、

された方は一定の屈辱感を

感じることは否めないでしょう。

 

 

さらにそれが、

団体交渉といういわば

他の職員も見ている面前で

行われているという

ことであれば、

やられた方はそれなりの

精神的苦痛を感じるものと

思われます。

 

 

そこで、

結局のところ、

上記の③の要件にも当てはまり、

岐阜県の総務部長の行為は

「パワハラ」に当たると

認定されたわけです。

 

 

 

 

「この程度で?」という認識は危険

とは言え、

この程度のことで、

「パワハラ」として

戒告処分を受け、

人事異動もされてしまうのか、

と感じた方もおられるかも

知れません。

 

 

その昔は、

職場に「パワハラ」

などという言葉もなく、

部下が上司から叱責される

などということは、

日常茶飯事でした。

 

 

それが当たり前でしたので、

誰もそうしたことがおかしいと

疑問を抱くことも、

基本的にはありませんでした。

 

 

むしろ、

部下はそうした経験を積んで、

成長していくものだと。

 

 

しかし、

その陰では、

やはり部下を肉体的・

精神的に追い込むひどい

パワハラが横行していたことも

事実です。

 

 

今の50代以降の人は、

若い頃自分の当たり前に

やられていたことを、

今の若い部下に

やってしまうのは、

大変危険です。

 

 

時代環境はここ20〜30年で

大きく変わり、

「ハラスメント」や

「パワハラ」の捉え方も

大きく変わっています。

 

 

社員を指導して

やろうという親心で、

ついやり過ぎてしまうと、

「パワハラ」ということで、

社員との間で「裁判沙汰」に

なる危険があります。

 

 

この点、

私のミッションは、

というものです。

 

 

私と同じような

50代以上の経営者の皆さま、

社員との「裁判沙汰」を

避けるためには、

「ハラスメント」とか、

「パワハラ」についての意識を

リニューアル必要があると

思いますね。

 

 

私も気をつけたいものです。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

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昨日は、私のYouTubeやブログを見て下さった経営者の方からの顧問契約の問い合わせを受けて、午前中にオンラインのミーティングを行いました。
その後、1日都内のビジネスホテルのデイユース(日帰り)プランを利用して、夕方までそこで仕事。1人ビジョン合宿と題する、今年1年の振り返りと、来年の課題やアクションプランの方向性などを考える時間でした。
その後は息子の学童保育のお迎え&歯科医への送迎(歯科矯正)でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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