「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

「定期借家」で店舗を出す場合の注意点

不動産賃貸

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建物を借りて、

期間が満了すれば

契約の更新がない

「定期借家」

 

 

この「定期借家」契約で

店舗を出店する場合、

一定のリスクがありますので、

注意が必要です。

 

 

 

 

(今日の「棒人間」 定期借家は不安定??)

 

<毎日更新946日目>

「定期借家」の店舗が増えている

賃貸借契約を更新してもいいですが、家賃を月額●円上げてもらいます。
それが嫌なら、更新しませんので、期限が来たら出ていってください。

最近、

「定期借家」の形で大家から

建物を借りて店舗(特に飲食店)

を出店するケースが

増えています。

 

 

「定期借家」というのは、

借地借家法で定められた、

定期建物賃貸借契約のこと。

 

 

これは、

要するに、

通常建物の賃貸借契約は、

2年とか3年とか、

期間が決まっていますが、

この期間の満了によって

契約が終了し、

更新がないものとする

契約のことです。

 

 

なぜ最近「定期借家」が

増えているかというと、

都心部などで地価が

高騰していて、

借り手に困らない大家としては、

少しでも自分に有利な条件で

建物を貸したい、

というニーズが増えている

のだと思います。

 

 

借主としても、

物件が少なく、

とにかく貸してもらいたい

ということから、

「定期借家」で契約する

ケースがあります。

 

 

ただ、

この「定期借家」の契約を

利用して建物を借りて、

店舗を出す場合には、

注意しなければならない

点があります。

 

一度借りると安泰な「普通借家」

「定期借家」ではない、

「普通借家」、

すなわち普通の建物賃貸借契約では、

借地借家法によって借主が

非常に手厚く保護されています。

 

 

契約期間が決まっている

建物賃貸借でも、

期間が満了したからといって、

貸主はそう簡単に物件を

返してもらえません。

 

 

なぜなら、

貸主側から契約の更新を

拒絶するには、

「正当事由」というものが

必要だからです。

 

 

「正当事由」というのは、

簡単に言えば、

貸主、

借主双方の事情などを考慮して、

双方がその建物を使用する

必要性がどれだけ高いか

などの要素で判断されます。

 

 

現実問題として、

貸主側がこの「正当事由」を

立証することは

容易ではありません。

 

 

ですから、

貸主側にとっては、

普通借家では、

契約の更新がほぼ

「強制」されていると

いっても過言では

ありません。

 

 

したがって、

貸し手にしてみれば、

自分が所有する物件でも、

ひとたび他人に貸すと、

そう簡単には返してもらえない、

ということを覚悟

しなければなりません。

 

 

これは、

ときに貸し手にとって

酷な状況も生まれます。

 

 

余っている物件はあるけど、

他人に貸すと戻ってこないので、

貸すのはやめておこう、

と判断する貸主も増えます。

 

 

そうなると、

不動産物件の有効活用が阻害され、

それはある意味社会的な

損失になってしまいます。

 

 

そこで、

借地借家法は、

こうした「普通借家」

の例外として、

更新がなく、

期限がくれば返してもらえる

「定期借家」という制度を

導入したわけです。

 

 

この「定期借家」が契約として

有効になるためには、

書面で契約書を作る

必要があります。

 

 

さらに、

貸主は、

借主に対して、

契約の更新がなく、

期間の満了によって建物の

賃貸借が終了することを、

書面を交付して説明する

必要があります。

 

 

そして、

貸主は、

期間が満了する半年前に、

借主に契約の終了を

告知する必要があります。

 

 

 

「定期借家」で店舗を借りる場合の注意点

さて、

このような「定期借家」ですが、

物件の借主として、

「定期借家」の契約で

店舗を出店する場合に、

注意すべき点があります。

 

 

店舗の賃貸借では、

契約が終了する際に、

借主が原状回復として、

店舗をスケルトンの状態にして

返さなければならない、

と契約書で定められている

場合があります。

 

 

「スケルトン」というのは、

単に建物内に設置した家具や備品

などを撤去するだけではなく、

壁、

天井、

柱などの構造体のみにして

返還することを言います。

 

 

「スケルトン」にかかる費用は、

ケースバイケースですが、

数十万円から、

のによっては数百万円に

及ぶ場合もあります。

 

 

建物を借りて、

店舗を出す場合、

居抜きで借りる場合を除き、

まず建物の内装工事

などが必要になり、

それなりに費用がかかります。

 

 

にもかかわらず、

2年とか3年の期間が満了したら、

今度は多額の費用をかけて

「スケルトン」にして

返さなければならない

とするとどうでしょうか?

 

 

たった2年ないし3年の店の営業で、

これらの投下した資本を

回収することが可能でしょうか?

 

 

この点、

「定期借家」の場合であっても、

大家の承諾が得られれば、

契約を更新することも

可能です。

 

 

しかし、

この場合、

上記の「普通借家」とは違い、

契約の更新はあくまで大家の

「好意」によるという話になります。

 

 

「普通借家」のように、

契約の更新がほぼ強制

されている場合とは、

状況がまったく異なる、

ということです。

 

 

ですから、

「定期借家」における

契約更新の交渉は、

断然大家側が強くなります。

 

 

そして、

こうした場合に大家側から

よく言われるのが、

賃貸借契約を更新してもいいですが、家賃を月額●円上げてもらいます。
それが嫌なら、更新しませんので、期限が来たら出ていってください。

というセリフです。

 

 

借主としては、

家賃の値上げ要求に応じて

契約を更新してもらうか、

それが嫌なら期間の満了で

借りている建物を

明け渡さなければなりません。

 

 

その場合、

もともと「定期借家」の契約で、

更新はないという前提に

立っていますので、

借主は「立退料」を

もらうこともできません。

 

 

このように、

「定期借家」の契約によって

店舗を出す場合、

果たして限られた期間で

投下資本の回収ができるか、

という問題と、

契約を更新できる場合でも、

大家の家賃値上げの要求に

応じざるを得ないといった

リスクがあります。

 

 

ですから、

この場合には、

果たしてこの契約で店舗を

出すべきかどうか、

シビアに経営判断を

することが必要です。

 

 

勢いよく店舗を

出店してみたものの、

後でこんなはずじゃなかった、

という思いをしないためにも、

よく考えて判断したいものです。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

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昨晩は、顧問先のお客様と食事に。
実はその方もYouTubeをやっていて、私と同じく以前に鴨頭嘉人さんのビジネスYouTuberの学校に行かれていたことがわかり、情報発信について大いに盛り上がりました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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