「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【名ばかり取締役】残業代払いたくない、いらなくなったらクビにしたい、そうだ、「取締役」にしちゃえってアリ??

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

残業代規制や、

解雇の規制を免れる目的で、

従業員を「取締役」に

就任させる

「名ばかり取締役」

 

 

このような脱法行為をすると、

後々会社は深刻な「裁判沙汰」

に陥る可能性大です。

 

(今日の「棒人間」 名ばかり取締役はつらい??)

 

<毎日更新1024日目>

「名ばかり取締役」とは?

 そうだ!従業員を全部「取締役」にしてしまえば、解決するじゃないか!

 

 

 

経営者にとって、

従業員を雇うことは、

悩みの種でもあります。

 

 

所定労働時間を超えて

残業をさせた場合には、

法律で決まった割増賃金、

すなわち残業代を

支払わなければなりません。

 

 

雇ってみたけど、

この従業員失敗だった〜とか、

人件費負担がキツく

なってきたので、

辞めてもらいたいな〜

と思っても、

 

 

日本の労働法では、

そう簡単に解雇は

できません。

 

 

そこで、

これらの悩みを

解決するために、

冒頭のように、

従業員を「取締役」

にしてしまえ、

という発想が

出てきます。

 

 

これが、

いわゆる「名ばかり取締役」

と言われる問題です。

 

 

 

 

取締役と従業員の法的な違い

従業員は、

会社との間の契約関係は、

「雇用契約」ということに

なります。

 

 

「雇用契約」というのは、

会社に対して労務を提供し、

その対価として賃金

という給料をもらう、

という契約です。

 

 

従業員は、

雇い主である会社に

従属した立場で、

会社から具体的な

業務上の指揮命令を

受けて働きます。

 

 

当然、

会社から勤怠管理も

受けることになりますので、

出勤時間や退勤時間、

勤務時間などで会社の

決めたルールに従う

必要があります。

 

 

他方で、

取締役は、

会社との間の契約関係は、

「委任契約」です。

 

 

「委任契約」というのは、

やはり会社から一定の

仕事を依頼されて行う点は

同じですが、

雇用契約のように

雇い主に従属している、

というわけではありません。

 

 

もっと自由な裁量があり、

会社から細かい勤怠管理を

受けることもありません。

 

 

また、従業員は、

会社と雇用契約を

結んでいますので、

労働基準法という

労働者保護の法律が

適用されます。

 

 

1日の労働時間が

決められており、

それを超える場合には、

法律が要求する

割増賃金(残業代)を支払う

必要が出てきます。

 

 

他方で、取締役は、

原則として労働基準法の

適用がありませんので、

そもそも「労働時間」

という概念がなく、

残業代も請求

できません。

 

 

そして、取締役は、

会社の株主総会に

よって選任され、

 

 

また、同じく

株主総会でいつでも

解任することができる、

とされています。

 

 

ただ、

取締役にとって不利な時期に

解任した場合には、

損害を賠償する義務が

会社に課せられます。

 

 

とは言え、

従業員のように厳しい

解雇の制限がある

わけではありません。

 

 

こうした取締役と

従業員の法的な違いが

あることに便乗し、

残業代を払いたくない、

いらなくなったら

クビにしたい、

 

 

という理由で、

従業員を「取締役」に

就任させる。

 

 

このようにして

就任させられた

「取締役」のことを、

いわゆる「名ばかり取締役」

と言ったりします。

 

 

 

 

 

 

「名ばかり取締役」はダメ

「名ばかり取締役」は、

形式上は会社との間で

「委任契約」を結んで、

「取締役」として登記を

されながら、

 

 

実態は従業員と変わらない

働き方をしているケースが

大半です。

 

 

すなわち、

たとえば、

「取締役」でありながら、

経営に関する決定権限は

ほとんどなく、

逆に出勤時間や勤務時間の

勤怠管理や業務命令を

受けているような場合です。

 

 

しかしながら、

このような

「名ばかり取締役」のケースは、

実態として「雇用契約」が

成立していると判断される

可能性があります。

 

 

すなわち、

契約というものは、

原則として形式的な

「契約書」の形が

どうなっているのか、

で決められるものでは

ありません。

 

 

契約書の名前が

どうなっていようが、

あくまでその実態を

見て判断される部分が

あります。

 

 

もしその「取締役」と

トラブルが起こり、

その「取締役」との契約が、

実は雇用契約であって、

従業員であると判断

されたらどうなるか?

 

 

この場合、会社は

 未払い残業代請求の裁判

 不当解雇の裁判

などを起こされる

リスクがあります。

 

 

こうなると、

もう「裁判沙汰」の

オンパレードですね。

 

 

「裁判沙汰」を避けるためには、

「名ばかり取締役」は

いけません。

 

 

雇用契約にまつわる

いろいろな規制を

脱法するために、

形だけ「取締役」に就任

させるなどという甘いことは、

法律の世界では通用しません。

 

 

こういう脱法行為をすると、

ロクなことにはならない、

このことは注意したい

ものですね。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

<サービスメニュー>

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️法律相談のお申し込み

 

◾️顧問弁護士サービスについて

 

◾️セルフマガジン『裁判しないで解決する方法』の無料送付

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️Voicy(裁判しない弁護士のトラブル解決ラジオ)

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、「【競業避止義務】フリーランスに、うちの会社以外と契約しちゃダメ、と言えるのか?」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

 昨日は、朝から渋谷区倫理法人会の経営者モーニングセミナーに参加。
その後、午前中は事務所で仕事、お昼頃一時事務所を抜けてボクシングジムへ。
午後はまた事務所に戻って、顧問先のお客様と打ち合わせ。
夕方は息子の習い事(美術教室)の送迎などでした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー